動画広告の配信プラットフォームとして、最近人気を集めているのが動画投稿サイトのYouTubeです。
だれでも動画を投稿できることからコンテンツが多くなり、YouTube利用者もどんどんと増加しています。
視聴者が多いこともあり、多くの企業がYouTubeでの動画広告を取り入れ始めています。
- うちでもYouTubeで動画広告を出してみたい!
- YouTubeの動画広告の仕組みを詳しく知って、導入を検討したい!
- まずはYouTubeの動画広告の種類や運用時の注意点を知りたい!
などと、導入する前にまずはYouTubeの動画広告の仕組みやどんな種類があるのか、疑問を解消したいと思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、YouTubeの動画広告について仕組み、種類、メリット・デメリット、そして運用時のポイントなどの概要を解説していきます。
これから動画広告の導入を検討している方は事前にこの記事でYouTubeの動画広告の概要を押さえておきましょう。
目次
YouTube動画広告の仕組み
YouTubeの動画広告は視聴時間によって広告料金の課金が決まります。
リスティング広告などではクリック数で料金が決まる「クリック課金」を採用していますが、YouTubeは基本的に「視聴課金」を採用しているのです。
また、広告の種類によっても採用している課金モデルが異なり、それぞれ以下の場合にのみ広告料が発生します。
広告の種類 | 課金モデル |
インストリーム広告 | ユーザーが広告を30秒以上視聴した場合 |
ディスカバリー広告 | ユーザーがサムネイルをクリックして広告を視聴した場合 |
バンパー広告 | 広告表示回数1,000回ごとの課金 |
YouTube動画広告の種類は3つ
YouTubeの動画広告は、以下の3種類に分けられます。
- インストリーム広告
- ディスカバリー広告
- バンパー広告
それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。
YouTube動画広告の種類①:インストリーム広告
インストリーム広告はスキップが可能なものと不可のものの2種類あります。
スキップ可能なインストリーム広告 |
動画の前後、または途中で再生される動画広告。 5秒経過すると広告をスキップできるオプションが表示されます。 |
スキップ不可のインストリーム広告 |
動画の前後、または途中で再生される動画広告。 15秒以下でスキップすることができない動画です。 |
スキップ可能な広告が30秒以内にスキップされると、広告費は課金されないという特徴があります。
ブランドの認知度と見込み客の獲得に有効的な広告です。
インストリーム広告の詳細はこちらの記事で解説されています。
ぜひご覧くださいね。
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インストリーム広告って何?初心者向けにわかりやすく解説
ディスカバリー広告は動画のサムネイルとテキストで表示される広告です。
ユーザーがクリックすると再生される仕組みになっています。
サムネイルをクリックし、広告を視聴した場合のみに課金が発生します。
既にアイテムの購入を検討しているユーザーが他のブランドとの比較のためクリックすることが多く、購入につながる確率が高い広告です。
YouTube動画広告の種類③:バンパー広告
動画の再生前後、再生中に6秒以内で再生される広告がバンパー広告です。
再生される6秒間の間はスキップすることができないので、短くて覚えやすいメッセージで幅広い視聴者にリーチさせることができます。
広告が表示された回数であるインプレッション数に基づき表示回数が1,000回を超えると課金が発生する仕組み。
バンパー広告の詳細は、こちらの記事で解説されています。
ぜひご覧くださいね。
目的別におすすめの配信方法を紹介
YouTubeの動画広告の種類は目的によって選ぶべきものが異なります。
選び方を間違ってしまうとイメージダウン、もしくはそもそも視聴されない恐れがあります。
認知度向上にはインストリーム広告・バンパー広告
ユーザーに確実に見てもらえるインストリーム広告・バンパー広告は、商品やサービスの認知度向上に向いています。
商品を購入してもらうためには、まずは知ってもらうことが必要です。
インストリーム広告とバンパー広告は一定時間スキップできないため、ユーザーが確実に目にします。
そのため印象に残る広告であれば、ユーザーの興味を引くことができます。
短時間でユーザーに覚えてもらえるように、入念に制作しましょう。
購買につながりやすいのはディスカバリー広告
クリックすると再生されるディスカバリー広告は、ユーザーの購買行動につなげたいときに使いましょう。
ディスカバリー広告を見るユーザーは、そもそもその商品やサービスに興味を持っています。
だから、商品の購入やサービスの利用につながりやすいのです。
ユーザーの目を引くようなサムネイルの作成に力を入れましょう。
動画広告の配信手順を紹介
動画広告を配信するためにはいくつかの手順が必要です。
ここからは、動画の作成が完了し、YouTubeにアップロードして広告として公開するまでの手順を解説します。
YouTube動画広告の作成と配信には、Google広告のアカウントが必要です。
Google広告のアカウントを作成してから、これから紹介する手順に沿って進めていきましょう。
手順①完成した動画をYouTubeにアップロードする
まずは、広告用の動画をYouTubeにアップロードしましょう。
動画のアップロードは、YouTubeのWebページやスマートフォンのアプリからできます。
広告用の動画のアップロードも、一般的な動画のアップロード方法と同じです。
手順②Google広告にログインし、広告の目的を選択する
YouTubeの動画広告は、Google広告から作成します。
動画のアップロードが終了したら、Google広告にログインしましょう。
そして広告の目的とキャンペーンタイプを選択します。
広告の目的は以下の通りです。
- 販売
- 見込み顧客の獲得
- ウェブサイトのトラフィック
- 商品やブランドの比較検討
- ブランド認知度とリーチ
- アプリのプロモーション
どの目的を選ぶかによって、キャンペーンタイプは変わってきます。
動画広告を作成する場合は、キャンペーンタイプに「動画」とあるものを選びましょう。
手順③予算の使い方を決める
次に予算の使い方を決めます。
まずは予算を使う目的を選択します。
目的は以下の3つです。
- 広告を見てもらうこと
- 広告をクリックしてもらうこと
- サイトでコンバージョンを達成してもらうこと
次に、「キャンペーンの合計予算額」か「1日の予算」のどちらかを入力します。
そして、広告を公開する期間を指定します。
広告を配信するためには、Googleの承認が必要です。
審査に日数がかかることがあるので、スケジュールにゆとりをもって作成しておきましょう。
手順④配信するターゲットを絞る
続いて配信するターゲットを決めます。
最初に言語や国、地域を決めてから、配信するターゲットグループを決めます。
ターゲットグループは性別や年齢、子供の有無、興味・関心など、細かい設定が可能。
キーワードやトピックなど、コンテンツに応じた設定もできます。
どのようなユーザーに広告を表示させたいか細かく考えて設定しましょう。
手順⑤動画広告を作成する
最後に広告として配信するYouTube動画を指定します。
そして指定した動画の広告フォーマット、見出し、広告名などを決めます。
中でも見出しはクリック率に大きく影響します。
ユーザーの興味を引くような、効果的なフレーズを考えておきましょう。
ここまで終われば、最後に「キャンペーンに進む」ボタンを押して完了です。
公開した動画広告は、Google広告の管理画面で確認することができます。
YouTube動画広告のメリット・デメリット
YouTubeで動画広告を始めるにあたって、メリット・デメリットを事前に把握しておく必要があります。
どのようなメリット・デメリットがあるのかそれぞれ見てきましょう。
YouTube動画広告のメリット
YouTubeの動画広告のメリットは以下の5つです。
- 費用対効果が高い
- ターゲットを絞って配信
- 興味をもつユーザーを自社サイトへ直接誘導
- 興味をもつユーザーを追跡
- 圧倒的に多いユーザー数
1つずつ解説していきますね。
メリット①:費用対効果が高い
YouTubeの動画広告は視聴されなければ広告費が課金されないので、余分な費用を使わずに興味を持ってくれたユーザーにのみ動画を届けることができます。
また、TwitterやFacebookなどの各種SNSでシェアすることもできるので、面白い動画を配信出来ればSNSでの二次拡散も期待できるでしょう。
メリット②:ターゲットを絞って配信
セグメント機能を使えば地域・性別・年齢・好み・キーワード・時間帯・曜日などの設定が可能です。
ターゲットを絞り効果的に広告を配信してくれる点も大きなメリットといえます。
メリット③:興味をもつユーザーを自社サイトへ直接誘導
動画広告内にサイトへアクセスできるCTAボタンというものが設定できます。
このボタンを設定することで、視聴者の導線を作り、商品購入や問い合わせまで導くことも可能に。
この機能はテレビCMなどの広告にはないので、YouTube広告を利用するメリットの1つでしょう。
メリット④:興味をもつユーザーを追跡
YouTubeの動画広告はGoogle AdWordsと連携しています。
Google AdWordsはユーザーリストで動画広告視聴者をリスト化できるため、広告を配信する対象を絞り、リマーケティングすることができるのです。
このリストで興味を持ってくれたユーザーを追跡し、効果的に広告を配信することができます。
メリット⑤:圧倒的に多いユーザー数
YouTubeの視聴者は世界中にたくさんいます。
国内だけでも5,000万人に及ぶともいわれているほど。
今も視聴者は増え続けているため、テレビよりも広告を見られる可能性はさらに高くなるでしょう。
Google幹部のMatt Brittin氏は「YouTube広告はテレビCMより80%も効果的」とのレポートを発表したことも話題になりました。(参照:The Guardian)
広告をYouTubeで配信する企業も増えてくると予想されます。
YouTube動画広告のデメリット
YouTubeの動画広告のデメリットは以下の3つです。
- 動画を見てもらえない可能性も
- 逆効果(イメージダウン)になる恐れ
- 審査に時間がかかる場合がある
1つずつ見ていきましょう。
デメリット①:動画を見てもらえない可能性も
YouTubeの動画広告はせっかく時間・費用をかけて作成した動画でも、興味が無ければインストリーム広告の場合、スキップされてしまうこともあります。
始めの5秒でユーザーの興味をひく動画でないと広告を見てもらえないという点が一番のデメリットといえます。
デメリット②:逆効果(イメージダウン)になる恐れ
費用を抑えて広告を配信出来る反面、動画のクオリティが低いと商品やブランドのイメージダウンにつながってしまう可能性もあります。
また、ターゲットが正しく絞れていない場合もユーザー側からすると広告がストレスとなり、イメージダウンになってしまうでしょう。
デメリット③:審査に時間がかかる場合がある
広告配信のための各種設定を終えたら、Google AdWordsやYouTubeでの基準に基づき審査が行われます。
審査自体は1営業日以内で完了することがほとんどですが、場合によっては数日かかることも。
また、不承認になると作った広告を修正し再度審査をする必要があります。
広告に関するポリシーがあるので、事前に内容を確認しておきましょう。
YouTube動画広告の運用を始める際のポイント!
最後にYouTubeの動画広告を効果的に運用していくためのポイントをご紹介します。
- 最初の5秒が肝心
- ターゲットを明確に設定
- イメージダウンに気を付ける
この3つは特に意識しておく必要があるので、それぞれ詳しく見ていきましょう。
運用時のポイント①:最初の5秒が肝心
配信する広告はスキップされることのない最初の5秒間で、ユーザーの興味を引く構成にする必要があります。
「続きが気になる!」と思わせられるようなユーモアのある動画を制作しましょう!
運用時のポイント②:ターゲットを明確に設定
広告を配信するターゲットが明確に定まっていないと、動画を見てもらえる可能性は低くなります。
まずは商品を知ってもらいたいのに、購買に効果的なディスカバリー広告を使用しても効果は得られません。
逆も然りで他社製品との比較や購買が目的のターゲットに、インストリーム・バンパー広告を使用しても商品の詳細やメリットが分からないため、商品購入へ導くことが難しくなるでしょう。
ターゲットを明確にして、どのようなアプローチが必要なのかを検討する必要があります。
まずはターゲットを具体的に考えてみましょう。
運用時のポイント③:イメージダウンに気を付ける
動画を見たいのに、広告が流れてくるとストレスに感じる視聴者も多いです。
宣伝している商品や広告は悪いものではないのに、視聴を邪魔されたことにより、その広告に対して悪いイメージを持ってしまう可能性も。
ネガティブに受け入れられないためには、「面白いコンテンツ」「ユーザーを引き付ける」「なぜか見入ってしまう」など、自然に広告を見てしまうような構成にする必要があります。
まとめ:YouTube動画広告の種類は目的によって使い分ける
YouTubeの動画広告は種類によって配信の目的が異なるとお伝えしました。
- インストリーム・バンパー:認知度向上
- ディスカバリー:購買につなげる
広告を配信することでターゲットに商品を購入してもらいたいのか、それとも商品やブランドを知ってもらいたいのか。
まずは広告のターゲットを明確にする必要があります。
そして、YouTubeの動画広告のメリットやデメリットもしっかりと把握した上で、広告を運用していきましょう。
今後YouTubeを視聴する人たちは、テレビより多くなることが予想されます。
他の企業が参入する前に、ポイントをしっかり押さえて広告を作成、運用していきましょう。
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