最近よく耳にすることが多い「動画コマース」。
動画を見ながら商品を購入できることから、近年注目されている通販の手法です。
今までも、ネット上で買い物ができるECサイトはたくさんの人が利用していました。
しかし動画コマースはさらに進化したコンテンツです。
今回はそんな動画コマースの特徴やメリット、デメリットを実例と合わせてご紹介します。
目次
動画コマースとは?
動画コマースは、動画で訴求するタイプのネットショッピングの形態です。
これまでネットショッピングと言えば、テキストや画像で構成されたWEBサイトから商品を購入するのが一般的でした。
一方、動画コマースの場合は、テキストや画像ではなく動画で商品の紹介や訴求をおこないます。
ユーザーは、商品を紹介する動画を視聴し、気になる商品があればそこからECサイトに移動して商品を直接購入できるようになっています。
動画コマースと言えば中国が有名ですが、中国の人気動画コマースプラットフォームである「淘宝動画コマース」での2019年度の取り引き額は3兆円にものぼるというから驚きです。
日本でも認知度が高まり、動画コマースを利用できるサービスが充実するなど、注目度が高まりつつあります。
動画コマースの特徴
以下の3つが動画コマースの特徴です。
- 実際に使っている様子がわかる
- たくさんのユーザーに見てもらえる
- どこでも誰でも視聴できる
それぞれの特徴について、詳しくチェックしていきましょう。
特徴:実際に使っている様子がわかる
動画コマースの特徴は「リアリティがあること」です。
実際に使っている様子が動画を見るだけでわかります。
例えば、スィーツや話題の食材について調べるとき、静止画や文章だけでは味や触感、香りなどはなかなか伝わってきません。
動画コマースなら、実際に配信者が食べながら解説するので、臨場感があり、食材の味のイメージも伝わりやすいでしょう。
そのため「気がつけば商品購入ボタンを押していた」なんて人も多いようです。
特徴:どこでも誰でも視聴できる
動画コマースの最大の特徴は配信する動画をたくさんの人に見てもらえることでしょう。
店舗まで足を運ばなくても、インターネットが繋がる環境なら、どこでも誰でも見られます。
例えば、地方で近くにお店がない場合も、家にいながら最新の情報をゲットできるは嬉しいですよね。
サービスによっては配信時間が限定されていることもあるため、事前に配信スケジュールをチェックしておきましょう。
特徴:その場で買い物ができる
今までのネットショッピングとは違い、配信されている画面から直接購入できることが、動画コマースの特徴の一つです。
配信されているときに視聴を止めたり、動画を消して決済サイトに移動したりすることなく、その場で購入手続きができます。
「ほしいものを、ほしいと思った瞬間に買える」のは、動画コマースならではの魅力です。
動画コマースの活用シーン
動画コマースの活用シーンは以下の3つになります。
- アパレル関連
- メイクや健康関連
- 飲食や旅行関連
シーン別に、動画コマースの活かし方を見ていきましょう。
活用シーン1:アパレル関連
動画コマースが多く活用されている業界は、アパレル業界です。
実際に動画コマースでは、ショップの販売員がモデルとなり自身のブランドの服を試着し配信することがあります。
遠方でショップに足を運べないユーザーや、新規客にアピールするためには、実際の使用感がわかる売り出し方を実践しなければなりません。
そこで、おすすめしたいのが動画コマースです。
配信者が視聴者の質問にその場で答え、まるでお店に来ているような気持ちにさせることで、自社の売り上げに繋げていきます。
活用シーン2:メイクや健康関連
次に動画コマースが活用されているのは、美容や健康関連の動画です。
メイクの仕方や、体を鍛えるストレッチや運動系の関連商品は、実際の動きがないとイメージがわかないこともあります。
例えば、メイクを説明する場合、メイクをスタートさせてから仕上げまでを動画にすることで手順や、つける量、角度によっての仕上がり感などがより視聴者に伝わります。
また、ストレッチやヨガのポーズ、○○を引き締めるダンスなどの健康に関する内容も、紙面や文章ではなかなか伝わりません。
配信者が実践し、ポーズや筋肉の細かな動きまでを動画上で説明するため、視聴者はレッスンに通っている気分を味わえます。
健康に関するサービスや商品の重要性も、しっかりとユーザーに伝わるでしょう。
活用シーン3:飲食や旅行関連
動画コマースは、飲食関連や旅行関連の商品やサービスでも活用されています。
「旅行先のおすすめスポットの配信」や「現地の人気店や注目の食材などを紹介する配信」などがその例です。
配信者が楽しく現地レポートすることで、視聴者は旅行しているような気分が味わえます。
ユーザーの「旅行したい!」という意欲も高められるでしょう。
また、紹介されている食材はその場で購入できるため、売り上げ効果も抜群です。
動画コマースのメリット5つ
動画コマースの効果は以下の5つになります。
- SNSで拡がりやすい
- リアリティがある
- 購入後の失敗が少ない
- ユーザーと配信者が一体感を得る
- 顔が見えることの安心感
上記の内容から、動画コマースの魅力をひも解いていきましょう。
メリット1:SNSで拡がりやすい
動画コマースの一番のメリットはSNSで拡散できることです。
例えば、配信が楽しかったらそのままSNSで他の人とシェアできます。
そしてシェアした人がまた別の人にシェアして、どんどん拡散されるので、売り上げアップに繋がります。
SNSでよい評価がつくと、さらに視聴者やファンが増えます。
ファンが増えると、サイト上でランキング上位に表示されるので、さらに多くの人の目に留まりやすくなるでしょう。
メリット2:リアリティがある
動画コマースのメリットは静止画像の写真や文字で伝わりにくいことでも、動きがあることでよりリアルに視聴者に伝えられる点です。
商品のサイズ感や素材感などを、実際に配信者が試着しながら伝えていくのが、基本的な配信スタイルです。
視聴者からさらに細かな質問が投げかけられ、配信者はそれに答えていく形になります。
視聴者が納得して購入できるでしょう。
メリット3:購入後の失敗が少ない
動画コマースで購入した場合、失敗が少ないことも大きなメリットの一つです。
例えば、配信者が直接出品する動画コマースでは、詳細な情報が言葉だけでなく実際に目で見ることができます。
ネットショッピングでは、色味や柄、素材感などが実物と静止画とで大きく異なる場合もあるでしょう。
しかし、動きがある動画ならいろいろな角度・距離から商品をチェックできるので、実物の雰囲気がよくわかります。
気になる点は実際に使用している配信者に聞けるため、ユーザーが納得して購入できるでしょう。
メリット4:ユーザーと配信者が一体感を得る
視聴者と配信者が一体感を得られることも動画コマースのメリットです。
例えば、配信者と視聴者がコメントを通じて対話することで、その場が盛り上がります。
ジョークが飛び出したり、全く違う話が飛び交ったりするなど、友人同士のチャットルームのような雰囲気になることも。
動画コースを通して配信者と視聴者の距離感がグンと縮まり、配信者にとってはファン獲得のチャンスにも繋がります。
メリット5:顔が見えることの安心感
動画コマースのメリットは、お互いの顔が見えることによる安心感が得られることです。
例えば、ネットで個人から何かを購入した際、どんな人が取り扱っているのか、どんな場所で保管されているのか気になったりしますよね。
食べ物やメイクの場合は、特に気になるでしょう。
しかし、動画コマースでは視聴者が画面越しに配信者の顔を見て、コメントでコミュニケーションをとれます。
顔が見える安心感があれば、ユーザーの購買意欲をそぐ心配もありません。
動画コマースのデメリット2つ
動画コマースにはデメリットもあります。
以下の2つが動画コマースのデメリットになります。
- 動画を作る手間がかかる
- 顔が見えることでのトラブルもある
利用する際の留意点としてチェックしていきましょう。
デメリット1:動画を作る手間がかかる
動画コマースのデメリットは動画を作るために、いろいろな手間がかかってしまうことです。
例えば、動画を配信するためには「撮影」の作業が必要です。
撮影するための道具を揃えたり、配信するためのストーリーや構成を考えたりしなくてはいけません。
視聴者を引きつけるには構成をしっかりしなくては途中で飽きられてしまいます。
また、配信準備では、カメラアングルや音声などの細かなチェックが欠かせません。
ただ、手間と時間がかかる割に、結果が出ない可能性もあります。
「手っ取り早く成果を出したい」という場合はおすすめしません。
デメリット2:顔が見えることでのトラブルがある
動画コマースでは配信者視聴者の顔が見えます。
コミュニケーションができ、仲よくなることもできますがトラブルも避けられません。
例えば、配信者が女性だった場合、密なコミュニケーションをとることで、男性視聴者から特別な感情を持たれしまう可能性もあります。
男性視聴者が配信者に対して、執拗にDMを送るといったトラブルが発生するリスクもゼロではありません。
動画コマースの実例4選
それでは、実際に動画コマースとはどのようなものなのか、実例をご紹介しましょう。
以下の3つが人気の動画コマースです。
- SHOPROOM
- Yahoo!ショッピング LIVE
- TIG commerce(ティグコマース)
それぞれの特徴やサービス内容を見ていきましょう。
実例1:SHOPROOM
引用:SHOWROOM
人気の動画コマースSHOWROOMでは、配信している人と視聴者が、コメントを通してリアルタイムでやりとりができます。
例えば、紹介されている商品の生地感やサイズ感が知りたい時など、チャットで配信者に直接質問することも可能です。
また、応援したい配信者とのコミュニケーションがとれる視聴・ガヤコメント・ギフティング機能があります。
こちらは、ライブなどをSHOWROOM内で開催している芸能人やアーティストなどを視聴している人のためのサービス機能です。
この機能は応援したい配信者にギフトが送れます。
送られた配信者にはポイントが付与されます。
そうすることで配信者のモチベーションが上がりますし、ギフトを送った視聴者も配信者に認知してもらえるので、その場の雰囲気も盛り上がるでしょう。
実例2:C CHANNEL
引用:C CHANNEL
動画配信サービスのC CHANNELは女性ユーザーが多く人気の動画コマースです。
ファッションやメイクはもちろんのこと、今流行りのヘアアレンジや、料理やDIYまでたくさんのジャンルがあります。
例えば、およばれや結婚式の二次会のヘアアレンジに困ったとき、CCHANNELを開けば、配信者が丁寧にアレンジの仕方を教えてくれます。
ヘアアレンジに必要なアクセサリーも、その場で購入することも可能です。
また、人気の配信者によるおすすめのメイク法やメイクの仕方なども人気です。
ネット限定のコスメやコスメキットなども紹介されているので、視聴している人はいち早くゲットできるケースもあります。
実例3:TIG commerce(ティグコマース)
TIG commerce(ティグコマース)は触れて購入できる動画コマースとして人気です。
例えば、洋服やコスメなどの動画視聴中にその場で決済すことはもちろんのこと、アーティストが動画配信しているときにライブのチケットやグッズなどのを購入することもできます。
また、美容師のヘアアレンジ、メイクアップアーティストのメイク方法などを学びながら、商品を購入することもできます。
お家でメイクやヘアアレンジのレッスンをしながらお買い物ができるのは、嬉しいポイントですね。
まとめ:動画コマースを使いこなせばリアル体験ができる
これまでのECサイトでは伝わらなかった情報が動画にすることで見る側によりリアルに伝えられるのが、動画コマースの特徴です。
動画コマースは企業が集客力を上げるためにも活用され、企業の認知度や商品の事を幅広い人に知ってもらえるメリットもあります。
また、視聴者側も自宅にいながらお店でお買い物をしているような気分が味わえます。
配信者とコミュニケーションをとっての購入になるため、届いた商品を見てがっかりすることが少ないのも、大きなポイントですよね。
動画コマースは配信者・企業個人を問いません。
いろいろな人が配信・視聴できるサービスです。
動画コマースにより、配信する側、視聴する側どちらも大きなメリットが得られるでしょう。
また、ライブ配信のサポートサービスも提供しています。