ゲームエンジンといえば、代表的なものはUnreal EngineとUnityの2つです。
よく比較される両者ですが、ゲーム開発に興味のある方は以下のような疑問をお持ちではないでしょうか。
- Unreal EngineとUnityの違いは何?
- Unreal EngineとUnityのメリット・デメリットは?
- そもそもUnreal Engine、Unityとは?
そこで今回は、Unreal EngineとUnityの違いについて解説します。
また、それぞれのメリット・デメリットも紹介します。
これからゲーム開発に取り組みたい方や、ゲームエンジンを使って動画制作をしたい方向けの内容です。
ぜひご一読ください!
目次
Unreal Engineとは
Unreal Engineは、アメリカの企業「Epic Games」によって開発・提供されているゲームエンジンです。
2015年に無償化されたことで、ゲーム開発のプロ以外の方でも気軽に使えるようになりました。
現在はUnreal Engine 4までリリースされており、2022年初頭にはUnreal Engine 5もリリース予定です。
日本ではPlayStation4やNintendo Switchのゲーム開発に使われています。
例えばUnreal Engine 4を使って開発されたゲームには、以下のようなものがあります。
- ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
- 実況パワフルサッカー
- ヨッシークラフトワールド
- 電車でGO!!
- 鉄拳7
また、ゲーム開発以外にも建築や自動車のビジュアル化、テレビのコンテンツ制作にも使われるなど、用途が幅広いことも特徴です。
Unreal Engineのメリット
ここからは、Unreal Engineのメリットとデメリットを解説します。
まずはメリットを4つ紹介します。
メリット①プログラミングなしでゲームが作れる
「ゲーム開発にはプログラミングが必要なんだろうな」と思う方も多いでしょう。
実はUnreal Engineでは、プログラミングの知識や経験がなくてもゲームを制作できます。
その秘密は、ブループリントという機能にあります。
ブループリントとは、あらかじめ設定されている動作や機能のことです。
例えばジャンプアクションを設定したいとき、通常はジャンプのプログラムを書く必要があります。
しかしブループリントでは、ジャンプのプログラムを選択し、対応するボタンを選択するだけでOK。
Unreal Engineでは、このようなブループリントを組み合わせることで、ゲームを制作できます。
初心者にも優しい仕様ですね。
メリット②グラフィックがきれい
Unreal Engineは、グラフィックがとにかくきれいです。
例えば自然では、木の幹や1本1本の草、岩肌などが実写と見間違うほど美しく表現されます。
また、Unreal Engine 5では、新しい技術によりさらに美しいグラフィックとなるようです。
そのため、グラフィックにこだわる方におすすめです。
メリット③テンプレートが用意されている
Unreal Engineにはテンプレートが用意されています。
たくさんあるテンプレートの中から必要なものを組み合わせていくと、ゲームが完成する仕組みです。
初めてゲームを作るときの心強いサポートになります。
メリット④エンジンコードが公開されている
Unityでは一部しか公開されていませんが、Unreal Engineではすべてのエンジンコードが公開されています。
プログラミングに慣れている方の中には、ゲームエンジン内部でどんな処理が行われているか、気になる方もいるでしょう。
また、ゲームを開発する中で、内部処理を調べなければいけない場面もあります。
Unreal Engineのエンジンコードは公式ホームページで公開されているので、気になる方はチェックしてみてください。
(参考)Unreal Engineのソースコードをダウンロードする(Unreal Engine公式ホームページ)
Unreal Engineのデメリット
次に、Unreal Engineのデメリットを2つ紹介します。
デメリット①とにかく重いため、ハイスペックPCが必要
Unreal Engineはグラフィックが美しい分、処理が重くなります。
そのため、快適に作業するにはハイスペックなゲーミングPCが必要です。
公式サイトによると、以下のスペック以上を推奨しています。
OS | Windows 10 64-bit |
プロセッサ | Quad-core Intel Intel または AMD,2.5 GHz またはそれ以上のプロセッサ |
メモリ | 8GB RAM |
ビデオカード/Direct Version | DirectX 11 または DirectX 12 対応のグラフィック カード |
SSD | 搭載推奨 |
ただし、これはあくまで最低限のスペックです。
VRや本格的な3Dゲームを開発したい方は、これ以上のスペックのゲーミングPCで作業しましょう。
Unreal Engine 4の推奨スペックについては以下の記事を参考にしてください。
デメリット②日本語の情報が少ない
Unreal Engineは海外での利用が多かったため、日本語の情報が少ないのが現状です。
わからないことをインターネットで調べても、日本語の情報がないこともあります。
また、ホームページの一部やチュートリアル動画も英語です。
最近は日本語の情報も増えていますが、英語が理解できた方が使いやすいでしょう。
Unityとは
Unityは、アメリカの企業「Unity Technologies」が開発・提供しているゲームエンジンです。
日本ではスマホゲームの開発に使われており、App StoreやGoogle PlayのゲームのほとんどはUnityで作られています。
最新バージョンは2021年3月23日にリリースされたUnity2021です(2021年11月現在)。
Unityで作られた主なゲームは以下の通りです。
- ポケモンGO
- どうぶつの森ポケットキャンプ
- 白猫プロジェクト
- スーパーボンバーマンR
- 聖剣伝説2
Unityのメリット
Unityもメリットを4つ紹介します。
メリット①ノートPCでも使えるほどエディタが軽い
Unityは、10万円前後のノートPCでも作業できるほどエディタが軽いのが特徴です。
OSもWindowsとMacの両方に対応しています。
そのため、高スペックのゲーミングPCを買わなくても気軽に始められます。
ただし、ゲームの容量が大きくなると処理が重くなる点は注意。
でも、これは他のゲームエンジンでも一緒です。
そのため「ゲームエンジンを試しに体験してみたい」という方におすすめです。
メリット②日本語の情報が多い
Unityは日本でも多くの方が使っているため、日本語の情報が多いです。
わからないことでも、検索すると目的の情報が出やすいでしょう。
スキルアップできる環境が整っているので、初心者にも嬉しいですね。
メリット③アセットが豊富
Unityは、公式ストアでたくさんのアセット(素材)が手に入ります。
有料アセットもありますが、無料のものも多いのが嬉しいポイント。
Unreal Engineにも公式マーケットプレイスがありますが、アセットの数はUnityが勝ります。
作業の効率化につながるので、ぜひ活用しましょう。
リンク:Unityアセットストア / UEマーケットプレイス
メリット④さまざまなプラットフォームに対応している
Unityは、以下のような全24種類のプラットフォームに対応しています。
モバイル | Universal Windows Platform, iOS, Android |
VR/AR | Google Cardboard Android & iOS, Oculus, Steam, Playstation VR, Gear VR, Windows Mixed Reality, Daydream, Apple ARKit, Google ARCore, Vuforia |
デスクトップ | Windows, Mac, Linux, Universal Windows Platform, Facebook Gameroom |
コンソール | PS4, XBOX, 3DS, Nintendo Switch |
Web | WebGL |
Unityのデメリット:「C#」というプログラミング言語を使う
Unityでは、「C#」というプログラミング言語を使ってゲーム開発をします。
そのため、あらかじめプログラミングについて学ぶ必要があります。
「難しそう」と思うかもしれませんが、幸いにもC#は初心者でも馴染みやすいプログラミング言語です。
オンラインスクールなどの学習環境は充実しているので、勉強しやすいでしょう。
Unreal EngineとUnityの違い
最後に、Unreal EngineとUnityの違いを2つ紹介します。
違い①料金と機能
どちらを使うにしても、料金体系は重要です。
以下のようになっています。
Unreal Engine
- 1タイトルあたりの粗収益が100万米ドル(約1億円)を超えると5%のロイヤリティが発生
- 基本的にすべての機能を無料で使える
Unity
- 1年間で10万ドル(約1,000万円)以上の収益がなければ無料
- 有料版もあり、プランが上がるにつれて展開できるプラットフォームが増えたり、エンジンコードにアクセスできるようになったりする
違い②得意分野
両者の得意分野も以下のように異なります。
- Unreal Engine:3DゲームやVR
- Unity:2Dゲーム
もちろん、得意分野が異なるだけで両方とも2D、3Dゲームの開発が可能です。
作りたいゲームや開発環境に合ったゲームエンジンを選ぼう
Unreal EngineとUnityの違いについて解説しました。
最後に、今回の内容をまとめておきますね。
Unreal Engine
- プログラミングの知識や経験がなくてもゲームを制作できる
- グラフィックが美しい
- テンプレートが用意されている
- 日本語の情報が少なく、英語が理解できると便利
- 1タイトルあたりの粗収入が100万米ドル(約1億円)を超えると5%のロイヤリティが発生する
Unity
- ノートPCでも使えるほどエディタが軽い
- アセットが豊富で無料のものもある
- 日本語の情報が多い
- プログラミング言語を学ぶ必要がある
- 1年間で10万ドル(約1,000万円)以上の収益がなければ無料
ゲームエンジンをどちらにするか迷ったときは、自分が作りたいゲームや開発環境、現在のスキルに合った方を選びましょう。
今やゲーム開発は、誰もが挑戦できる環境が整っています。
Unreal Engine 4かUnity、自分に合いそうなゲームエンジンを選んで、ゲーム開発や動画制作にチャレンジしてみてくださいね。
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