VR市場の拡大とゲームエンジン「Unreal Engine 4」の無償化に伴い、ゲーム開発が流行しています。
今やゲーム開発は動画編集などと同様に、誰でもチャレンジできるものとなっています。
しかし、ゲーム開発のためにはハイスペックなPCが必要です。
そこで今回は、Unreal Engine 4を使うPCの推奨スペックについて解説します。
具体的には以下の順番で紹介します。
- 公式サイトによる推奨スペック
- ゲーミングPCの特徴
- Unreal Engine 4のためのゲーミングPC選びのポイント
- Unreal Engine 4を使うのにおすすめのゲーミングPC紹介
これからゲーム開発に携わりたい方や、Unreal Engine 4を使って動画制作をしたい方におすすめの内容です。
この記事を読んで、まずは開発環境を整えましょう。
目次
Unreal Engineとは
Unreal Engineとは、アメリカの「Epic Games」によって開発・提供されている3Dゲームエンジンです。
現在はUnreal Engine 4までリリースされ、2022年初頭にはUnreal Engine 5もリリース予定となっています。
Unreal Engineは、ブループリント機能によってプログラミングの知識や経験がなくてもゲームを制作できるのが最大の魅力。
また、ゲーム開発以外にも建築や自動車のビジュアル化、映画やテレビのコンテンツ制作にも利用されるほど、幅広い使い道があります。
冒頭でも紹介しましたが、2015年に無償化されたことにより、ゲーム開発をより身近なものにしました。
Unreal Engine 公式による推奨スペック
Unreal Engineの公式ホームページによると、Unreal Engine 4の推奨スペックは以下のようになっています。
オペレーティングシステム | Windows 10 64-bit |
プロセッサ | Quad-core Intel Intel または AMD、2.5 GHz またはそれ以上のプロセッサ |
メモリ | 8GB RAM |
ビデオカード / Direct X Version | DirectX 11 または DirectX 12 対応のグラフィック カード |
SSD | 搭載推奨 |
しかし、これは必要最低限のスペックです。
本格的な3DゲームやVRなどの容量の大きなゲームを作る場合は、これ以上のスペックでないと動きが遅くなります。
つまりUnreal Engine 4を快適に使うためには、公式の情報を上回るスペックを持つゲーミングPCが必要です。
ゲーミングPCの特徴
そもそも、ゲーム開発にはゲーミングPCが必要です。
しかし、一般的なPCとゲーミングPCの違いをご存じですか?
Unreal Engine 4におすすめのPCを紹介する前に、ゲーミングPCの特徴を解説します。
特徴①高性能のGPU(グラフィックカード)を搭載している
ゲーミングPCは高性能のGPU(グラフィックカード)を搭載しています。
「グラフィックボード」と呼ばれることもありますが、どちらも同じ意味です。
GPUは、映像や画像をモニターに表示する機能をもつパーツです。
ゲーミングPCに搭載されているGPUは性能が高いため、グラフィックがより美しくなります。
特に本格的な3Dゲームでは、GPUの性能によってグラフィックの質に大きな差が出ます。
GPUの性能が低いとグラフィックが雑なうえに、動きが不安定になることも。
美しい映像を滑らかに楽しむためにも、GPUの性能は重要です。
特徴②CPU(プロセッサ)が高性能
ゲーミングPCのCPU(プロセッサ)は、一般的なPCに比べて高性能に設計されています。
最新のゲームでは、映像や音声、キャラクターの動き、ボイスチャットなどのデータを素早く処理する必要があります。
そのため、処理速度が速く容量が大きいCPUが必要です。
ゲーム開発の場合、一般的なPCのCPUでは処理が追い付かず、映像がカクついてしまいます。
ゲーミングPCの高性能CPUは、たくさんの作業を同時に処理することができるのです。
特徴③高性能の冷却ファンを搭載している
ゲーミングPCは処理能力が優れていますが、その分発熱しやすくなっています。
発熱しすぎるとPC自体が壊れてしまいます。
そのため、ゲーミングPCは高性能の冷却ファンを搭載。
さらに、PC内のパーツ配置も冷却機能が高まるように設計されています。
冷却性能が高いことで、重たい作業も安心して行えるのです。
特徴④派手なデザインのものが多い
ゲーミングPCのデザインは派手なものが多いです。
筐体や内部パーツのLEDが発光したり、ケース自体が独特なデザインのものがあったります。
ただし、LEDがないシンプルなデザインのものもあるので、派手なデザインが苦手な方でも大丈夫です。
特徴⑤値段が高い
ゲーミングPCは一般的なPCと比べると値段が高く、最低でも10万円以上はかかります。
しかし、安すぎるモデルでは満足にゲーム開発に取り組めません。
そのため、予算と必要なスペックを前もって決めておくことが重要です。
Unreal Engine4を使うためのPC選びのポイント
ゲーミングPCの特徴が分かったところで、Unreal Engine 4を使うためのPC選びのポイントを解説します。
ポイント①GPU(グラフィックカード)
GPUは「NVIDIA GeForce」と「AMD Radeon」という2つのシリーズがメジャーです。
このうちUnreal Engine 4におすすめなのは「NVIDIA GeForce」シリーズです。
GeForce GTX 1650以上であれば問題ないでしょう。
ただし、本格的な3DゲームやVRを開発するなら、GeForce GTX 3060以上がおすすめです。
ポイント②CPU(プロセッサ)
CPUの主なブランドは「Intel」と「AMD」です。
IntelのCPUは「Core i」シリーズが有名。
Core i3、Core i5、Core i7と、数字が大きくなるほどグレードが上がります。
このうち、Unreal Engine 4におすすめなのはCore i5以上です。
一方のAMDでは「Ryzen」シリーズがメジャー。
Core iシリーズと同様、Ryzen 3、Ryzen 5、Ryzen 7となるにつれグレードが上がります。
Unreal Engine 4におすすめなのはRyzen 5以上です。
ポイント③メモリ
PCの処理全般に影響するメモリ。
メモリ容量が大きいほどデータ処理がスムーズに行えます。
そのため、Unreal Engine 4を使うなら、メモリ容量が大きなゲーミングPCがおすすめです。
具体的には、16GB以上であれば安心でしょう。
ゲーム開発のデータ処理は一般的な作業より格段に重いので、メモリが大きなPCを選びましょう。
ポイント④SSD
SSDも容量の大きなものを選びましょう。
最低でも256GB、できれば512GB以上が望ましいです。
SSD + HDDの構成にするのもおすすめです。
Unreal Engine4におすすめのPC3選
それでは、Unreal Engine 4を使うのにおすすめのゲーミングPCを3つ紹介します。
どれも推奨スペック以上のものを選んでいます。
おすすめPC①GA5A-A210T/UE1
出典:価格.com
※マウス、モニター、キーボード別売り
価格の安さが魅力のゲーミングPCです。
スペック自体はあとの2つに劣りますが、一般的なPCに比べると高性能です。
メーカーによるUnreal Engine 4の動作が確認されている点も安心ですね。
ただし、本格的な3DゲームやVRを開発する場合は、ストレージが足りない可能性もあります。
そのため、必要に応じてHDDをカスタマイズするといいでしょう。
GPU | GeForce RTX 3060 |
CPU | Ryzen5 5600X |
メモリ | DDR4-3200 16GB |
SSD | 1TB |
HDD | 非搭載 |
おすすめPC②DAIV Z7-3060Ti
出典:mouse
※マウス、モニター、キーボード別売り
高いパフォーマンスを誇るゲーミングPCです。
性能の割に価格は抑えられているため、コストパフォーマンスを重視する方におすすめ。
ただし、光学ドライブが搭載されていないので、必要な方は外付けのものを別で購入しましょう。
GPU | GeForce RTX 3060 Ti |
CPU | Core i7-11700 |
メモリ | DDR4-3200 32GB |
SSD | 512GB |
HDD | 2TB |
おすすめPC③GALLERIA XA7C-R37
出典:ヨドバシ.com
※マウス、モニター、キーボード別売り
ゲーミングPCのメジャーブランド「ガレリア」。
その中のXA7C-R37はハイエンドマシンで、あらゆる開発環境に対応できることを強みとしています。
推奨スペックを大きく上回る性能なので、Unreal Engine 4の作業環境には申し分ないでしょう。
本格的にゲーム開発に取り組みたい方におすすめです。
GPU | GeForce RTX 3070 |
CPU | Core i7-11700 |
メモリ | 16GB |
SSD | 1TB |
HDD | 非搭載 |
パーツを集めて自作するのもアリ
PCに詳しく作業環境にこだわりたい方は、快適にUnreal Engine 4を使えるPCを自作するのもいいでしょう。
パーツの組み合わせ次第では、既存の製品より安くできます。
PCを自作する場合、主な注意点は以下の3つです。
- 保証がパーツごとに別々
- PCがうまく動かない場合は自己責任
- 推奨スペック以上になるように設計する
自作PCはハードルが高いですが、理想の1台を手に入れたい方はチャレンジするのもいいでしょう。
Unreal Engine4には公式の推奨スペック以上のPCを使おう
Unreal Engine 4を使うためのPCの推奨スペックについて解説しました。
Unreal Engine 4を快適に使うには、公式ホームページの推奨スペック以上のゲーミングPCが必要です。
以下に、おすすめのスペックをまとめておきます。
- GPU:GeForce GTX 1650以上、本格的なゲーム開発ならGeForce GTX 3060以上
- CPU:Core i5以上、またはRyzen 5以上
- メモリ:16GB以上
- SSD:512B以上、またはSSD + HHD
ゲーム開発に取り組むうえで、作業環境の整備は重要です。
高スペックのゲーミングPCで、ゲーム開発のスキルや動画制作スキルをどんどん高めていきましょう。