「プロじゃなくてもゲーム開発ができる」をご存じですか?
今回紹介するゲームエンジン「Unreal Engine(アンリアル エンジン)」は、ダウンロードするだけで誰でも使えます。
つまり「ちょっとやってみようかな」という感覚でゲーム開発に携われるのです。
とはいえ、以下のような疑問をお持ちではないでしょうか?
- そもそもUnreal Engineってなに?
- Unreal Engineの特徴は?
- 料金はかかるの?
そこで今回は、Unreal Engineの概要を紹介します。
具体的にはUnreal Engineの特徴、同じゲームエンジンである「Unity」との比較、学習方法の順番にポイントを解説します。
ゲーム開発に興味がある、Unreal Engineを使って動画制作をしたい方におすすめの内容です。
目次
Unreal Engineとは
Unreal Engineは、1998年にアメリカの企業「Epic Games(エピックゲームス)」によって開発されたゲームエンジンです。
頭文字をとって「UE」と略され、最新バージョンはUnreal Engine 4です。
PlayStation 4やNintendo Switchなど、ゲーム開発のプロが使っています。
しかし、誰でもダウンロードできるため、プロ以外にも多くのユーザーがいます。
また、ゲーム開発以外にも建築や自動車のビジュアル化、映画やテレビのコンテンツ制作にも使用可。
その用途の広さと実績から、ギネスには「最も成功したゲームエンジン」と登録されています。
Unreal Engine 4で開発されたゲーム
Unreal Engine 4は日本でも多く利用されており、開発されたゲームには以下のものがあります。
- ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
- 実況パワフルサッカー
- ヨッシークラフトワールド
- 電車でGO!!
- フォートナイト
- 鉄拳7
- アイドルマスター スターリットシーズン など
有名なゲームばかりですよね。
それだけUnreal Engine 4が有能であることがうかがえます。
Unreal Engine 4の特徴
ここからは、Unreal Engine 4の特徴を3つ紹介します。
”ゲーム開発のハードル”が下がる、驚きの特徴があります。
特徴①プログラミング経験がなくてもゲーム制作ができる
「ゲーム開発ってプログラミングとかの専門知識がないと難しそう」と思っている方は多いでしょう。
実は、Unreal Engine 4ではプログラミング経験がなくてもゲームを制作できるのです。
理由は「ブループリント」という機能があるからです。
ブループリントとは、すでに設定されている機能やアクションのことです。
例えば、ジャンプアクションを設定したいとき、ブループリントで「ジャンプ」を探して追加し、ジャンプのボタンを設定すればOK。
プログラミングを使わずに、アクションを設定できるのです。
このように、ブループリントを組み合わせることで、プログラミングの知識がなくてもゲームが作れてしまいます。
つまり「ゲーム開発に興味がある」「自分の理想のゲームを作りたい」という方も、気軽にチャレンジできるのです。
これは、Unreal Engine 4の大きな特徴でしょう。
特徴②3Dゲームの開発に向いている
Unreal Engine 4が得意とするジャンルは3Dシューティングゲームやアクションゲームです。
理由は、グラフィックが美しく、サウンド機能が充実しているからです。
また、一人称視点や三人称視点などのテンプレートも用意されています。
これらの機能を使うことで、臨場感のある雰囲気を演出しやすいのです。
特徴③さまざまなプラットフォームでゲームを開発できる
Unreal Engine 4は、多くのプラットフォームでゲームを開発できます。
具体的には、以下のようなものがあります。
デスクトップ
- Windows
- MacOS
- Linux
コンソール
- PlayStation 4
- PlayStation 5
- Xbox One
- Xbox Series X
- Nintendo Switch
モバイル
- iOS
- Android
さまざまなプラットフォームでゲームを開発できるので、今後もより多くの人から注目されるでしょう。
Unreal Engine 4とUnityの違い
Unreal Engineと並んで広く使われているゲームエンジンに「Unity(ユニティ)」があります。
ゲームエンジンの2トップのような存在で、両者はよく比較されます。
そこで、ここからはUnreal Engine 4とUnityの違いを3つ紹介します。
違い①料金
Unreal Engine 4では、すべての機能を無料で使用できます。
ただし、1タイトルあたりの粗収入が1,000,000米ドルを超えると5%の支払いが必要です(2021年11月時点)。
一方のUnityにも無料プランはありますが、使える機能が限られています。
Unityは月額料金が高いプランになるにつれて、機能が充実していく仕様です。
違い②得意分野
Unreal Engine 4は高度なグラフィックとサウンド機能があるため、3Dシューティングゲームやアクションゲームの開発に向いています。
一方のUnityは2Dの機能が充実しているため、2Dゲームの開発が得意です。
スマートフォン向けのゲーム開発に使用されることも多く、「Pokemon GO」や「どうぶつの森 ポケットキャンプ」はUnityで開発されています。
違い③言語
どちらも日本語に対応していますが、サポート環境に大きな違いがあります。
Unreal Engine 4は海外ユーザーが多いため、日本語の情報が少ないのが現状です。
英語の情報が多いため、インターネットで調べものをする際は、英語が理解できる方が無難です。
一方のUnityは日本人のユーザーも多いため、日本語の記事などが充実しています。
しかし、最近では日本でもUnreal Engine 4のユーザーが増えつつあります。
そのため、以前より日本語の情報も増えてきました。
今後もこの流れは続くと予想されるので、言語によるサポート環境の違いは縮小されるでしょう。
Unreal Engine 4の学習方法
誰でも使えるUnreal Engine 4ですが、スキルアップのためには勉強が必要です。
ここからは、主な学習方法を3つ紹介します。
学習方法①書籍を使って独学
1つ目の方法は、本を使って独学することです。
数は多くありませんが、Unreal Engine 4の日本語の参考書は発売されています。
初心者にも分かりやすく書かれているものもあるので、毎日コツコツ積み上げたい方におすすめです。
手元に置いて、辞書のように使うのもいいですね。
ただし、本は情報が古い場合があるので注意しましょう。
アップデート対応や細かい情報を探すときは、インターネット検索が必要です。
場合によっては、英語が必要な場面もあるでしょう。
学習方法②Unreal Engine公式のチュートリアル動画
Unreal Engineの公式サイトでは、チュートリアル動画による学習ができます。
主に以下のようなチュートリアル動画があります。
- インストールの方法
- 各機能の説明
- ゲーム開発のフロー
- スクリプトの書き方
しかし、ドキュメントは日本語ですが、音声が英語なのが難点。
英語が苦手な方は、日本語字幕の設定を使いましょう。
学習方法③オンラインスクール
オンライン環境が発達した今では、Unreal Engine 4もオンラインで学習できます。
費用はかかりますが、プロによる分かりやすいレッスンを受けられます。
また、英語ではなく日本語で勉強できる点は、本やチュートリアル動画にはない大きな魅力です。
カリキュラムやスケジュールも決まっているので、忙しい中でも継続しやすいでしょう。
英語が苦手、勉強が続くか不安という方におすすめです。
Unreal Engine 4の推奨スペック
Unreal Engine 4のようなゲームエンジンを使うには、ある程度のスペックが必要です。
公式サイトでは、以下のスペック以上が推奨されています。
オペレーティングシステム | Windows 10 64-bit |
プロセッサ | Quad-core Intel Intel または AMD、2.5 GHz またはそれ以上のプロセッサ |
メモリ | 8GB RAM |
ビデオカード / Direct Version | DirectX 11 または DirectX 12 対応のグラフィック カード |
参考:ハードウェアおよびソフトウェアの仕様(Unreal Engine公式サイト)
2022年初頭にはUnreal Engine 5も正式リリース
リリースから20年以上経つUnreal Engineですが、2022年初頭にはUnreal Engine 5のリリースも予定されています。
実際に2020年5月14日にUnreal Engine 5のプレイ映像が発表されたときは、ゲーム業界を中心に大きな話題となりました。
Unreal Engine 5は、Nanite(ナナイト)とLumen(ルーメン)という2つの技術が特徴です。
- Nanite:より細かく美しいグラフィック表現を可能にする
- Lumen:よりリアリティのある光表現を可能にする
また、接続性が強化されるのも魅力。
スマホ・タブレット・PCユーザーが共存してゲームを楽しめる環境を実現します。
最新バージョンのリリースが待ちきれませんね!
身近になったUnreal Engineでゲーム開発に入門しよう
ゲームエンジン「Unreal Engine」について解説しました。
最後に内容をまとめておきますね。
- Unreal Engineは1998年にアメリカで開発されたゲームエンジン
- ブループリントにより、プログラミングの知識なしでもゲーム開発ができる
- 得意分野は3Dシューティングゲームやアクションゲーム
- 無料で全機能を使えるが、1,000,000米ドルを超えると5%の支払いが必要
- 英語の情報が多いが、日本語の情報も増えつつある
Unreal Engineの登場により、ゲーム開発は以前より身近になりました。
今や個人でゲーム開発を勉強し、ゲームエンジニアとなって仕事を始めることもできるでしょう。
またUnreal Engineは動画制作としても利用されていて幅広く活用できるので、ゲーム開発や動画制作にチャレンジしたい方はチェックしてみてくださいね。
動画クリエイターになりたい方は、映像制作会社サムシングファンの「動画クリエイターになる方法」をぜひ参考にしてみてください。