「ゲーム開発に興味があるけど、ゲームエンジンって値段が高そう」というイメージをお持ちの方は多いでしょう。
しかし、Unreal Engine 4は基本的にすべての機能を無料で使用できます。
「無料」と聞くと「どうして無料なの?」「実は怪しいのでは?」と、疑問や警戒心を持つかもしれませんね。
そこで今回は、Unreal Engine 4のライセンスについて解説します。
具体的には、以下の内容を紹介します。
- Unreal Engine 4が基本的に無料で使える理由
- Unreal Engine 4の3つのライセンス
- Unreal Engine 4を使うときの注意点
ゲーム開発に興味がある、Unreal Engine 4を使って動画制作をしたい方向けの内容です。
Unreal Engine 4の入門に、まずはご一読ください。
目次
Unreal Engineはゲーム制作のためのゲームエンジン
Unreal Engineはアメリカの企業「Epic Games」によって開発されたゲームエンジンです。
現在はUnreal Engine 4までリリースされています。
ブループリントと呼ばれる機能により、プログラミングの知識や経験がなくてもゲームを制作できる点が魅力。
日本でもゲーム開発に利用されており、例えば以下のゲームがUnreal Engine 4によって開発されています。
- ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
- 実況パワフルサッカー
- ヨッシークラフトワールド
- 電車でGO!!
- フォートナイト
ゲーム開発以外にも、建築や自動車のビジュアル化、テレビのコンテンツ制作にも利用できます。
今までは海外ユーザーが多かったのですが、最近は日本人のユーザーも増えつつあります。
Unreal Engine 4は”基本的に”無料
冒頭でもお伝えしたように、Unreal Engine 4は基本的にすべての機能を無料で使用できます。
「プロと同じゲームエンジンを気軽に使える」という点は、これからゲーム開発を始める方にとって魅力的でしょう。
ただし、以下の場合は料金が発生します。
- 1タイトルあたりの粗収入が1,000,000米ドル(約1億円以上)を超えたとき、5%のロイヤリティが発生する(2021年11月時点)
- マーケットプレイスの有料アセットを購入したとき
- カスタムライセンスで有料コンテンツを選択したとき
「粗収入1,000,000米ドル以上」は、よほどのヒット作を生み出さない限り当てはまらないでしょう。
また、マーケットプレイスには無料アセットもありますし、カスタムライセンスを選ぶ人は少ないです。
そのため、基本的に無料で使えるという認識で大丈夫でしょう。
課金せずにすべての機能を使えるので、プロアマ問わず、誰もが本格的なゲーム開発を体験できるのです。
Unreal Engine 4の3つのライセンス
Unreal Engine 4には3つのライセンスがあります。
それぞれどんなものか紹介します。
ライセンス①パブリッシングライセンス
最も基本的なライセンスです。
パブリッシングライセンスでは、先ほど説明したように1タイトルあたりの粗収入が1,000,000米ドルを超えると5%のロイヤリティが発生します。
ゲームを開発して販売したい方はこちらを選びましょう。
ライセンス②クリエイターライセンス
全機能を無料で使える点はパブリッシングライセンスと同じですが、こちらはロイヤリティフリー。
有料アセットの購入以外では、料金が発生しません。
クリエイターライセンスは、社内や開発チーム内で無料プロジェクトを制作するためのライセンスです。
そのため、開発したゲームを販売することはできません。
あくまで会社内、チーム内のみで使う方向けのライセンスです。
ライセンス③カスタムライセンス
カスタムライセンスは、プランの内容を自分好みに選べるライセンスです。
価格は選んだ内容によって異なります。
カスタムできる内容は、例えば以下のものがあります。
- 用途:ゲーム開発向け or ノンゲームでの使用向け
- 学習:無料オンラインチュートリアルビデオを視聴できる
- プレミアムサポート:専門スタッフによるサポートが受けられる
- プライベートトレーニング:専用の教室における学習サポート
詳細は公式ホームページから問い合わせることができるので、気になる方は聞いてみましょう。
リンク:カスタムライセンス(Unreal Engine公式ホームページ)
高品質アセットも無料で使える
出典:UE マーケットプレイス(Unreal Engine公式ホームページ)
Unreal Engineの公式マーケットプレイスでは、多くのアセット(素材)が提供されています。
有料のアセットと無料のアセットがあり、無料でも品質はかなり高いです。
また、エディター用のプラグインもあります。
機能だけでなくアセットも無料のものがあるのは、ゲーム開発初心者にも嬉しいポイントですね。
リンク:UE マーケットプレイス(Unreal Engine公式ホームページ)
Unreal Engine 4が無料で使える理由
すべての機能が無料で使えるのは嬉しいですが、その理由も気になりますよね。
「何か裏があるはず」と、疑問を持つ方もいるでしょう。
ここからは、Unreal Engine 4が基本的に無料で使える理由を2つ紹介します。
理由①制作会社は人気ゲームで収益を上げている
Unreal Engine 4を提供しているEpic Gamesは、ゲーム制作会社です。
すでに多くの人気ゲームをリリースしているため、たとえUnreal Engine 4の売り上げがなくても、会社全体の売り上げが0になることはありません。
軸となる収益事業があるから、Unreal Engine 4の大部分を無料で提供できるのです。
理由②ロイヤリティやアセット販売による売上もある
大部分が無料とはいえ、Unreal Engine 4の収益は0ではありません。
ロイヤリティやカスタムライセンス、有料アセットの販売による売上があります。
日本でも、Unreal Engine 4を使って人気作を生み出しているゲーム会社は多くあります。
そのような企業には、ロイヤリティが発生しているでしょう。
ちなみに、1,000,000米ドル(1億円以上)の5%は50,000米ドル(500万円以上)です。
1つヒット作が生まれると、大きなお金が動くことがわかります。
このように、Unreal Engine 4自体も売上をあげています。
そのため、基本的に無料で提供することができるのです。
Unreal Engine 4の注意点
基本的に無料で、プログラミングの知識や経験がなくてもゲームを制作できるUnreal Engine 4ですが、注意すべき点もあります。
注意点①推奨スペック以上のゲーミングPCを使おう
ゲーム開発は非常に重く、高スペックのゲーミングPCでないと満足に作業できません。
公式サイトでは、以下のスペック以上のPCを推奨しています。
オペレーティングシステム | Windows 10 64-bit |
プロセッサ | Quad-core Intel Intel または AMD、2.5 GHz またはそれ以上のプロセッサ |
メモリ | 8GB RAM |
ビデオカード/Direct X Version | DirectX 11 または DirectX 12 対応のグラフィック カード |
SSD | 搭載推奨 |
ここに記載されているスペックは、あくまで”最低限のスペック”です。
VRや本格的な3Dゲームの開発には、さらに高いスペックのゲーミングPCが必要です。
Unreal Engine 4の推奨スペックについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
注意点②日本語でのサポート環境は発展途中
Unreal Engine 4は日本語対応していますが、日本語の情報が少ないのが現状です。
英語の情報が多いため、インターネットで調べるときは英語が理解できるといいでしょう。
また、公式ホームページの一部や公式のチュートリアル動画も英語です。
しかし、最近では日本人ユーザーも増えているため、日本語の情報も増えつつあります。
チュートリアル動画も、字幕を設定すれば理解できるでしょう。
また、日本語でのオンラインスクールもあるので、そちらで勉強するのもおすすめです。
2022年初頭にはUnreal Engine 5もリリース
2022年初頭には、Unreal Engine 5がリリースされることが発表されています。
Unreal Engine 4と同じく全機能を無料で使え、新しい技術によってグラフィックがさらに美しくなっています。
これからゲーム開発を始めたい方は、Unreal Engine 5がリリースされてから始めるのもいいでしょう。
Unreal Engineの無料化でゲーム制作が身近になった
Unreal Engineのライセンスについて解説しました。
最後に、今回の内容をまとめておきます。
- Unreal Engine 4は基本的に全機能を無料で使える
- 1タイトルあたりの粗収入が1,000,000米ドル(約1億円以上)を超えると5%のロイヤリティが発生
- マーケットプレイスの有料アセットの購入にも料金が必要
Unreal Engine 4は大部分が無料で提供されているため、プロアマ問わず、多くの方がゲーム開発を体験できるゲームエンジンです。
学生でゲーム開発に興味がある方、Unreal Engine 4を使って動画制作をしたい方など、誰もがチャレンジできる環境が整っています。
ぜひインストールして、ゲーム開発や動画制作にチャレンジしてみてくださいね。
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