コマ送りの動画が撮影できるタイムラプス。
iPhoneではiOS8以降、iPhone 4S以降の機種に標準搭載されており、気軽に楽しめます。
タイムラプスは撮影のコツを知っておくことで、クオリティをさらに上げることが可能。
活用方法もさまざまなので、使いこなせれば動画制作において強力な武器になります。
今回は、タイムラプスをテーマに、以下の内容について解説します。
- タイムラプスの概要と使い方
- タイムラプスのメリット
- 上手く撮影するコツ
- タイムラプス撮影でよくある悩みと対策
- タイムラプスの撮影や編集におすすめのアプリ
- タイムラプスの活用事例
この記事を読めば、ワンランク上のタイムラプス撮影について知ることができます。
動画クリエイターとして活動の幅を広げたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
タイムラプスとは
タイムラプスとは、一定の秒数や分数で撮影された静止画をつなげて、長時間の動画を短く再生する撮影モードです。
専門的には「定速度撮影」や「微速度撮影」と呼ばれています。
タイムラプスで撮影した動画を確認すると、1時間を超える動画が数分に短縮されることもあります。
映画やテレビ番組を早送りしている映像をイメージしてもらうと、分かりやすいかもしれませんね。
ちなみにタイムラプスを撮影できるのは、iPhoneだけではありません。
Androidなど他の端末、そしてGoProなどアクションカメラでも撮影できます。
おすすめの関連記事:タイムラプスとは?どんな撮影方法なのか詳しく紹介
iPhoneでのタイムラプス撮影方法
上記がタイムラプスで撮影した動画です。
実際は人が歩いている動画ですが、タイムラプスで撮影すると早送りのように見えますね。
ここでは、iPhoneでのタイムラプス撮影について、以下の内容を解説します。
- タイムラプスに向いている場面
- 撮影時間と再生方法
- iPhoneでタイムラプスを撮影する手順
- タイムラプスの速度調整方法
- タイムラプスに関する解説動画
タイムラプスに向いている場面
タイムラプスは「ゆっくりと動いているもの」や「次第に変化するもの」の撮影に向いています。
具体的なシーンを挙げると、以下の通りです。
- 天候の変化
- 満点の星空
- アート作品の制作風景
- 料理
- 街の様子
普段何気なく見ている景色ですが、タイムラプスで見ると、思わず引き込まれてしまいますよ。
タイムラプスの撮影時間と再生時間
タイムラプスは、以下のように撮影時間によって再生時間が自動的に決まります。
撮影時間 | 再生時間 | 撮影間隔 |
---|---|---|
1分 | 4秒 | 0.5秒 |
5分 | 20秒 | 0.5秒 |
10分 | 20秒 | 1秒 |
30分 | 30秒 | 2秒 |
1時間以上 | 30秒 | 4秒 |
30分や1時間を超える動画は、自動的に30秒まで短縮されるのでご注意ください。
iPhoneでタイムラプスを撮影する手順
それでは、iPhoneでタイムラプスを撮影する手順を解説します。
-
iPhoneの標準カメラを起動すると、赤いボタンの上にある項目で撮影方法を選べるようになっています。
撮影方法の項目を右に動かすと、「タイムラプス」という項目があるので合わせます。 -
そのまま赤い撮影ボタンをクリックすると、撮影がスタートします。
すると、赤いボタンがクルクルと回り始めます。 -
撮影できたら、もう一度赤いボタンをクリックしてください。
動画はそのまま自動的に保存されます。 -
写真フォルダから撮影した動画を確認し、問題なければ完了です。
iPhoneのタイムラプスの速度調整方法
iPhoneでは、タイムラプスの細かい設定はできません。
そのため、iPhone上で再生速度の調整はできません。
ただし、動画編集用のアプリやソフトを使えば、再生速度の調整ができます。
通常のタイムラプスをゆっくり長く楽しみたい場合は、活用してみてください。
タイムラプス撮影に関する動画
ちなみにiPhoneでのタイムラプスの撮影方法は、Appleの公式YouTubeチャンネルで解説してくれています。
こちらも合わせて確認すると、より分かりやすいかと思います。
ちなみに、一眼レフなどで撮影したものは以下です。
iPhoneとの違いを比べてみてください。
【Filmora】
タイムラプスのメリット
タイムラプスには、以下のようなメリットがあります。
- 臨場感のある演出ができる
- 長時間の撮影でもコンパクトな動画に仕上がる
上手く使いこなせば、視聴者を惹きつけることが可能です。
詳しく解説しますね。
臨場感のある演出ができる
ダンスやスポーツなどの動きが激しいシーンをタイムラプスで撮影すると、臨場感を演出できます。
その結果、視聴者の目を引く動画に仕上がります。
また、星の光跡や夕陽が沈む様子などのスケール感のあるタイムラプスでも、実際にその場にいるような感覚を視聴者に与えるでしょう。
長時間の撮影でもコンパクトな動画に仕上がる
通常の撮影モードで長時間撮影を行うと、動画のデータ量が膨大になります。
しかし、タイムラプスであれば、どれだけ長くカメラを回しても「30秒以内」の短い動画に仕上がります。
そのため、データ量が大きくならず、編集や保存の負担が減少。
データの共有も容易になります。
また、長い動画だとよほど工夫を凝らさない限り視聴者に飽きられてしまいがちです。
しかし、タイムラプスでコンパクトに仕上がっていると、最後まで見てくれる視聴者も増えるでしょう。
iPhoneでタイムラプスを上手く撮影するコツ
続いて、iPhoneのタイムラプスを上手く撮影するコツとして
- iPhoneの充電が十分にあるか確認する
- 三脚で固定して撮影する
- 構図を意識する
- 水平を保てているかチェックする
の4つを解説しますね。
iPhoneの充電が十分にあるか確認しておく
1つ目のコツは「iPhoneの充電が十分にあるか確認しておく」ことです。
タイムラプス撮影は長い動画を短くできる機能なので、どうしても撮影は長時間になることが多いです。
しかし長い間、連続で撮影していると、iPhoneはどんどんバッテリーを消耗します。
その結果、撮影中にiPhoneの充電が切れて、撮影できていないことも少なくありません。
長時間の撮影を予定しているときは、iPhoneのバッテリーが80%以上残っているか確認しましょう。
もしくは、モバイルバッテリーなどに接続しておくのがおすすめです。
三脚で固定して撮影する
2つ目のコツは「三脚で固定して撮影する」ことです。
タイムラプス撮影は長くなりやすいので、長時間iPhoneを手で持ちながら撮影するのは大変です。
手が疲れるのはもちろん、手ブレが発生してしまい、揺れの多い動画になってしまうことも少なくありません。
手の疲れや手ブレを防ぐには、iPhoneを三脚などで固定しましょう。
固定すると両手は自由になるうえに、iPhoneが揺れるのを防いでくれます。
最近は1,000円以下で売られていることも多く、機能を求めなければ安いものでも問題ありません。
構図を意識する
3つ目のコツは「構図を意識する」ことです。
タイムラプス撮影以外でも当てはまることですが、撮影ボタンを押す前に動画の構図を確認しておきましょう。
構図を事前にチェックしておくことで、自分がイメージしている動画と合っているかどうか、照らし合わせることができます。
水平を保てているかチェックする
4つ目のコツは「水平を保てているかチェックする」ことです。
iPhoneを三脚で固定しても水平になっていなければ、見ていると気持ち悪く感じてしまいます。
「水平かどうか」という点は、動画のクオリティに大きく影響するため、撮影のコツの中で最も注意したいポイントです。
水平に保てているかを確認するには、iPhoneの「コンパスアプリ」が便利です。
撮影の前に必ず確認しましょう。
iPhoneでタイムラプスを撮影するときによくある悩みと対策
次は、iPhoneのタイムラプス撮影でよくある悩みとして、
- タイムラプスで撮影した動画が保存できない
- 動画が途中で切れる
- 撮影した動画の速度調整をしたい
の3つを、その対策も合わせて解説します。
悩み1:タイムラプスで撮影した動画が保存できない
1つ目は、「タイムラプスで撮影した動画が保存できない」という悩みです。
先ほどiPhoneで撮影したタイムラプス動画は、自動的に写真フォルダに保存されるとお伝えしました。
しかし、稀に「写真フォルダを見返すと動画が保存されていなかった……」ということがあります。
長時間の撮影なら特に、せっかく撮影した動画が保存されていないのはショックです。
対策:iPhoneの容量を減らす
対策方法は「iPhoneのデータ容量を確認し、多ければ減らすこと」です。
写真フォルダに動画が保存されない原因は、「iPhoneの容量がいっぱいで保存できるスペースがないこと」です。
iPhoneの容量は決まっているうえに、写真や動画、アプリがたくさんあると使い切ってしまいます。
あらかじめ5GBほどの余裕を持たせたうえで、タイムラプス動画を撮影しましょう。
悩み2:動画が途中で切れる
2つ目の悩みは「動画が途中で切れる」ことです。
数時間など長い動画を撮影しても、タイムラプス動画を確認すると途中で切れていることがあります。
自然の風景などは二度と同じものを撮影できないことが多いので、こちらも気付いたときにショックを受けてしまいそうですよね。
対策:夜間などiPhoneを使わない時間帯に撮影する
対策方法は「夜間などiPhoneを使わない時間帯に撮影すること」です。
動画が途中で切れる原因は「iPhoneのバッテリーが切れてしまったこと」。
もしくは「途中で電話がかかってきたこと」もあります。
長時間の撮影はバッテリーが切れやすいうえに、日中の撮影は連絡がくる可能性も高いです。
せっかく撮影した動画が切れないようにするには、連絡頻度の少ない夜中に、充電をフルにした状態で撮影しましょう。
それだけでも最後までしっかり撮影できることが多いです。
悩み3:撮影した動画の速度調整をしたい
3つ目の悩みは「撮影した動画の速度調整をしたい」ことです。
最初にタイムラプス動画の速さは、撮影した時間によって自動的に決まるとお伝えしました。
しかし状況によっては、もう少し短くしたい、長くしたい、区切りの良いところで終わるために数秒単位で調整したいこともあるかと思います。
対策:編集アプリで速さを変える
対策方法は「編集アプリで速さを変えること」です。
iPhoneの写真アプリでは速さを変えることは難しいですが、編集専門のアプリを使えば速さの微調整は可能です。
新たにアプリをダウンロードする必要はありますが、よりクオリティの高い動画になることも少なくありません。
とはいえ、どのようなアプリを使えば良いのかは、なかなか分かりにくいですよね。
そこで次は、iPhoneで撮影したタイムラプス動画の編集におすすめのアプリをいくつか紹介します。
タイムラプスの撮影や編集におすすめのアプリ
タイムラプス動画の編集におすすめのアプリとして、
- iMovie
- Musemage
- ProShot
の3つを紹介しますね。
おすすめアプリ1:iMovie
出展:iMovie
1つ目のアプリは「iMovie」です。
iMovieはAppleから公式に提供されている編集アプリであり、iPhoneやMacなどApple端末から利用できます。
公式アプリということでiPhoneなどでは操作しやすく、難しく感じることはありません。
また、字幕や音楽などを入れることも可能です。
iMovieの使い方について、詳しくは以下をチェックしてみてください。
<おすすめの関連記事>
iMovieの字幕(テロップ)の入れ方、フォントや色の変更方法を徹底解説!
iMovieで動画に音楽を入れてみよう(初心者向け解説)
おすすめアプリ2:Musemage
出典:AppStore
2つ目のアプリは「Musemage」です。
Musemageは、iOS8.0以降に対応している動画撮影・編集アプリです。
タイムラプス撮影がアプリからできるのはもちろん、そのままフィルターの追加など編集もできます。
また手ブレ補正、ノイズ低減など嬉しい機能も少なくありません。
美顔にする機能もあるので、特にタイムラプス撮影をよく使う女性におすすめです。
おすすめアプリ3:ProShot
出典:AppStore
3つ目のアプリは「ProShot」です。
ProShotは、iOS 11.2以降に対応している動画撮影・編集アプリです。
タイムラプスだけでなく、本格的な動画・写真撮影が可能。
一眼レフカメラのように、明るさやシャッタースピードのなどの細かい設定ができます。
また、タイムラプスは最大で4Kに対応。
クオリティの高いタイムラプスを撮りたい方におすすめです。
なお、タイムラプス撮影におすすめのアプリは、以下の記事でも紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
おすすめの関連記事:タイムラプス撮影に最適なアプリ|Android/iOS両方を紹介
タイムラプスの活用事例
前半で、タイムラプスが向いているのは「ゆっくりと動くもの」や「次第に変化するもの」の撮影に向いているとお伝えしました。
実は、この特性を活かして、企業や地域のプロモーションを行なっている事例があります。
ここからは、タイムラプスを活用している事例として、以下の3つを紹介します。
- 観光PR:岡山県観光連盟|瀬戸内海の風景
- 製造過程の紹介:Moleskine|ペンの制作プロセス
- 顧客とのコミュニケーション:ANA|初日の出フライト
岡山県観光連盟|瀬戸内海の風景
岡山観光連盟では、観光PRを目的に瀬戸内海の美しい風景をタイムラプスで紹介する動画「瀬戸内時間」を公開しています。
朝日や夕日の様子、フェリーが行き交う様子などを、ゆったりと味わうことができます。
穏やかな瀬戸内海の美しさが凝縮されているため、思わず見惚れてしまうでしょう。
「岡山県に行ってみたい」と思うはずです。
ゆっくりとした変化は、普通に撮影すると退屈に感じてしまいますが、タイムラプスを活用することで、魅力的な動画に一変します。
自然の変化など、ゆっくりとした変化を撮影する際は、ぜひタイムラプスを活用してみましょう。
Moleskine|ペンの制作プロセス
イタリアの有名文房具ブランドMoleskine(モレスキン)は、ペンの制作プロセスをタイムラプスで公開しています。
約1分の中に、デザイナーがペンをスケッチする様子から、工場での製造過程、顧客の手元に届くまでが詰まっています。
ワクワクするような動画ですよ。
Moleskine以外にも、製品の製造過程をタイムラプスで公開している企業はたくさんあります。
また、料理が出来る過程など、何かが作られていく様子は、タイムラプスと相性抜群です。
ANA|初日の出フライト
ANAは、SNSで顧客とコミュニケーションを図ることを目的に、タイムラプス動画を撮影しました。
2分30秒の中では、普段は見ることのできない、上空からの初日の出と富士山を映し出しています。
雲の上からの雄大な景色に、思わず見惚れてしまうでしょう。
また、ANAは「通常は数時間かかる内容を数分にまとめられる」という、タイムラプスの特性を活かしています。
「普通に撮影すると時間が長くなってしまう」という場合は、この事例のようにタイムラプスを使うと効果がありますよ。
まとめ:iPhoneのカメラで見応えのあるタイムラプスを作成しよう
今回は、iPhoneのタイムラプスについて解説しました。
おさらいすると、タイムラプスを上手く撮影するコツは以下の4つです。
- iPhoneの充電が十分にあるか確認する
- 三脚で固定して撮影する
- 構図を意識する
- 水平を保てているかチェックする
また、タイムラプスの活用事例として、以下の3つを紹介しました。
- 観光PR:岡山県観光連盟|瀬戸内海の風景
- 製造過程の紹介:Moleskine|ペンの制作プロセス
- 顧客とのコミュニケーション:ANA|初日の出フライト
タイムラプスをマスターすれば、動画制作の幅を広げることができます。
紹介した編集アプリなどを活用しながら、クオリティの高いタイムラプスを撮影していきましょう!
なお、弊社サムシングファンでは、動画クリエイターとして活動するノウハウを公開しています。
以下のバナーから無料でダウンロードできるので、ぜひご活用ください。