「最近タクシーで動画広告を見かけることが増えた。効果あるのかな……」
と考えている人は多いのではないでしょうか。
実はタクシーの動画広告はビジネスマンの目に留まりやすく、企業向けサービスの出稿先として選ばれることが増えています。
また高齢者や高所得者層の乗客も多いうえに、顔認証などによってターゲットを選別することも可能。
自社商品に興味がありそうな人に広告を届けられるため、購入や利用など成果につながりやすいです。
そこで今回は、
- タクシーの動画広告とは
- タクシー動画広告の事例
- タクシーの動画広告の市場規模や費用
- 動画広告をタクシーに出すメリット
- おすすめの配信サービス
を順に解説します。
今回の記事を参考に、タクシーの動画広告について大まかに理解していきましょう!
目次
タクシー動画広告とは、デジタルサイネージなどを使った交通広告の1種
タクシーの動画広告とは、運転席や助手席の後頭部などを活用した交通広告のひとつです。
タブレットを運転席や助手席の後ろに設置し、デジタルサイネージと呼ばれる電子看板などできれいな映像を使った動画を流しています。
もともとタクシーの広告は、ステッカーや車体のラッピング、リーフレットの設置などが主流でした。
しかし近年、動画による広告が増えたうえにタクシー内は視聴してもらえる確率が高いため、出稿する企業が増えています。
種類や手配方法など、詳しくはこちらの記事もご参照ください。
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タクシーの動画広告は効果あり?市場規模や費用目安を解説
続いては、タクシーの動画広告について、
- 市場規模
- 出稿ジャンル
- 費用の目安
の観点から解説しますね。
タクシー動画広告の市場規模と変化
タクシー動画広告の市場規模は以下のように拡大傾向にあり、さらに増加すると予想されています。
【これまでの市場規模】
年 | 金額 |
2018年 | 12億円 |
2019年 | 24億円 |
【今後予想される市場規模】
年 | 金額 |
2020年 | 48億円 |
2021年 | 60億円 |
2022年 | 70億円 |
2023年 | 75億円 |
その理由は「タクシー事業者と広告事業者との事業連携が進んだから」。
動画広告が支持を集めていることもあって、首都圏から少しずつ普及しています。
そしてタクシーの動画広告に使われている電子看板である「デジタルサイネージ」も、市場規模を拡大している分野です。
【2019年、デジタルサイネージにおける市場規模の内訳】
ジャンル | 金額 |
交通 | 480億円 |
商業施設 | 98億円 |
屋外 | 87億円 |
その他 | 84億円 |
出展:CCI「CCI、デジタルサイネージ広告市場調査を実施~2019年のデジタルサイネージ広告市場規模は749億円の見通し、2023年には1,248億円と予測~」
タクシーを含む交通は、特に市場規模が大きいですよね。
相性が良いこともあり、今後タクシーの動画広告はますます増加するでしょう。
タクシーの動画広告で多いジャンル
タクシー内の広告は、主に以下のジャンルから出されています。
- 企業向けサービス
- 富裕層向けサービス
- 高齢者向けサービス
もっとも多いジャンルが「企業(ビジネスマン)向けサービス」。
というのも、タクシー利用客には経営者や役員などのトップ、富裕層の男女、高齢者が多いからです。
特に経営者や役員はサービス導入の決定権を持っているので、直接サービスを使ってみようと考えることも多いでしょう。
効果が出やすいために、タクシー利用者の悩みに合った商品やサービスの広告がよく出されていますよ。
タクシーに動画広告を配信したときの費用目安
タクシーで流す動画広告の費用相場は、200万〜300万円。
クオリティや出演者などにこだわると、さらに高額になることもあります。
タクシーに動画広告を出すメリット
ここからは、タクシーに動画広告を出すメリットとして、
- ビジネスマンの目に入りやすい
- 自社のターゲットにあわせて配信できる
- 乗車中は動画を見てもらいやすい
- 何度も乗車する利用客には認知度アップが期待できる
- きれいな映像で広告を届けられる
の5つを解説しますね。
メリット1:経営者や役職者などビジネスマンの目に入りやすい
先ほどお伝えしたように、タクシーの乗客は経営者などビジネスマンが多く存在します。
企業向けサービスはタクシーに動画広告を出すだけでも、認知度アップや新規顧客の獲得が期待できるでしょう。
メリット2:顔認証によって自社のターゲットに合わせて配信できる
タクシーに設置されているタブレットには、顔認証がそなわっているものもあります。
顔認証によって年齢や性別など基本的な属性が分かるため、個人のニーズにより近い動画広告を流すことが可能。
乗客は求めていた商品を知れるので、購入や利用につながりやすいですよ。
メリット3:タクシーは閉鎖空間なので、乗車中は動画に集中しやすい
タクシーの乗車時間は数十分になることもあり、乗車中は動き回ることはできません。
動作がスマホを見るくらいに限られる閉鎖空間のため、目の前にある動画広告が目に入りやすいのです。
メリット4:タクシーの乗客は何度も利用することが多く、より認知度が高まる
タクシーの乗客は日常的に利用することが多く、その場合は同じ広告を何度も見ることになります。
乗るたびに広告を見ると商品やサービス名が頭に残り、実際の利用につながりやすくなりますよ。
メリット5:デジタルサイネージなどを活用しているため、映像がきれい
最初に、タクシーの動画広告はタブレットなどの電子看板、デジタルサイネージを活用しているとお伝えしました。
中には4Kなど高画質なものも存在し、きれいな映像で商品を紹介することが可能です。
タクシー動画広告にデメリットはある?
それでは、タクシー広告にデメリットはあるのでしょうか?
タクシー広告のデメリットとして挙げられるのは、以下の3つかもしれません。
- 最低購入金額のラインがある
- 効果の振返りが難しい
- ターゲットが限られる
タクシー広告は、1台から出稿できるわけではありません。
例えば50台や100台から等、出稿できるラインがありますので留意しておきましょう。
また、Web広告とは異なり、効果の振返りは事前に綿密に設計する等の工夫が必要です。
次の章では、タクシー利用客の年齢層をチェックしてみましょう。
タクシー広告で効果が出やすい企業の特徴
2019年に東京ハイヤー・タクシー協会が実施したアンケートによると、1ヶ月あたりのタクシー利用頻度を職業別に調査したデータは以下の通りでした。
つまり、タクシー広告が向いている企業は、主に以下のサービスを取り扱っている企業と言えるでしょう。
- BtoB向けサービス
- 富裕層向けサービス
それぞれ、効果が出やすい理由をご説明しますね。
BtoB向けサービス
先ほどのグラフを見ると、月10回以上タクシーを利用する割合が最も大きいのは「会社経営者」(46.8%)です。
経営者は情報感度が高く、会社の経営方針の舵取りをする権限があります。
企業の課題を解決したり、利益を上げたりするBtoB向けサービスを訴求すれば、経営者が関心を持ち、サービス導入できるチャンスがあるでしょう。
富裕層向けサービス
経営者に次いで、月10回以上タクシーを利用する割合が大きいのは「自営業」(34.8%)です。
会社経営者や自営業の人たちは、高い所得を得ている可能性が高いため、富裕層向けサービスのターゲットになり得ます。
実際に、タクシー広告では旅行会社がラグジュアリーなプランを訴求したり、高級料亭の宣伝を流したりしていますよ。
タクシーで配信されている動画広告の事例4つ
続いては、実際にタクシーで配信されている動画広告の事例として、
- モチベーションクラウド
- クラウドサイン
- ベルフェイス
- KARTE
の4つを紹介します。
事例1:モチベーションクラウド
モチベーションクラウドは、株式会社リンクアンドモチベーションが提供する組織の改善状況をデータ化するサービスです。
動画のポイントは「実際に自分が悩んでいるかのようなシーンであること」。
会議で「どうしたら社員のモチベーションを上げられるのか」と悩んでいる姿には、共感する経営者やリーダーも多いのではないでしょうか。
また最後に検索窓を表示するなど、そのままスマホで調べてもらえる構成になっています。
事例2:クラウドサイン
クラウドサインは、弁護士ドットコムが提供するインターネット上で契約書を締結できるサービスです。
この動画のポイントも「実際に上司が悩んでいる姿を映し出していること」。
出張から戻ると確認すべき契約書が溜まっているなど、よくある悩みを解決するツールとしてクラウドサインを紹介しています。
事例3:ベルフェイス
ベルフェイスは、オンライン営業をスムーズにする機能を搭載したシステムです。
顧客と電話をつなぎながらインターネットを接続したパソコンで画面を共有することで、安定した商談環境を整えられます。
ベルフェイスの動画広告は「It’s OLD営業」というキャッチコピーでこれまでの対面の商談を表現し、対照的なものとしてサービスを紹介しました。
事例4:KARTE
KARTEは顧客体験をアップデートするためのサービスです。
自社のサイトを訪れている人(ペルソナ)を可視化し、データを分析しながらニーズに沿った接客の提供を目指します。
動画にモデルとして働く金髪の女性が出てきますが、実は彼女にはお子さんがいます。
見た目や属性だけでは判断できないニーズを掘り起こしてこそ、商品やサービスは利用してもらえます。
このように「あらためてKARTEを使ってペルソナを分析しよう」という呼びかけに動画広告を活用しました。
タクシーに動画広告を出したいときにおすすめの配信サービス
ここまでタクシーの動画広告について解説しましたが、実際に配信するには専門サービスを活用するのが効率的です。
そこでおすすめのサービスとして、
- GROWTH
- MONOLITHS
- TOKYO PRIME
の3つを紹介しますね。
おすすめ1:GROWTH
引用:GROWTH
GROWTHは、およそ1万1,000台と東京最大の設置台数を誇る企業です。
- 大手タクシー会社5つの後部座席にサイネージを設置している
- タクシー利用者の約40%、月間およそ750万人に動画広告を届けることが可能
- BtoBに限らずBtoCにおいて活用した事例も多数あり
認知度アップなどより多くの人に動画広告を届けたい企業におすすめです。
おすすめ2:MONOLITHS
引用:MONOLITHS
MONOLITHSは、広告主がターゲットとする人に動画が届く施策を考えてくれる企業です。
- ターゲットが多い時間や場所を指定して配信できる
- 指定によって、購入する広告枠を最小限におさえられる
- 天気やTwitterのハッシュタグなど外部のデータも参考にしながら配信している
コスパよく効果のある動画広告を配信したい企業におすすめです。
おすすめ3: TOKYO PRIME
引用:TOKYO PRIME
TOKYO PRIMEは、国内設置台数No.1のタクシーサイネージメディアです。
- 国内設置台数No.1
- 指定によって、購入する広告枠を最小限におさえられる
- 天気やTwitterのハッシュタグなど外部のデータも参考にしながら配信している
コスパよく効果のある動画広告を配信したい企業におすすめです。
タクシーに広告を出したいときは、動画制作会社に依頼するのが効果的!
引用:サムシングファン
ここまでタクシーの動画広告について紹介しましたが、実際に配信するには動画を制作しなければいけません。
自社で作るのが難しい場合は、動画制作会社に依頼するのがおすすめです。
その理由は、以下の3つ。
- プロによる動画制作なのでクオリティが高い
- 動画制作を任せて、自分たちは他の業務に集中できる
- コストは動画の時間や素材などによってアレンジできることもある
動画は制作経験がないと、完成までに時間がかかることも多いです。
プロに任せることで自分たちは他の業務に集中でき、結果として生産性アップなどにつながります。
タクシー広告で高い効果を得るためのポイント
タクシー広告で高い効果を得るためには、以下のポイントを押さえましょう。
- ターゲットを深掘りする
- 媒体特性を理解する
- 効果測定方法を設計する
- 結果を振り返る
- SNSなど他の媒体も活用する
どういうことか、ひとつずつ解説しますね。
ターゲットを深掘りする
どのタクシー広告媒体に出稿するかを決める前に、広告訴求のターゲットを決めましょう。
できれば職業だけでなく、年齢・性別・居住地・趣味や趣向などペルソナ(人格)レベルまで深掘りしてください。
ターゲットを明確にすることで、自ずと訴求方法や相性が良い媒体、広告を掲出するべき時間帯も定まります。
媒体特性を理解する
ターゲットに最も訴求しやすい媒体を選ぶために、タクシー広告の媒体特性を理解しましょう。
タクシー広告には、様々な種類があります。
種類によって価格やデザイン、訴求できる内容も変わってくるため、一通りチェックしておきましょう。
どの媒体が良いか迷ったときは、広告代理店の担当者に相談してみると、過去事例などから最適な媒体をアドバイスしてくれますよ。
効果測定方法を設計する
タクシー広告や電車広告といったオフライン広告は、デジタルに計測できるWeb広告とは異なり、意識的に効果測定方法を設計しておかないと広告効果を振り返ることができません。
広告を見たターゲットが、どのような検討行動をしてサービスの購入や契約に至るのか、パターン出しをして整理してみましょう。
最終ゴールとなる数値(購入数や契約数など)だけでなく、手前指標になる数値(サイト流入数や問い合わせ件数など)も広告出稿前後でモニタリングすると、広告出稿効果を可視化しやすくなります。
有料ですが、広告代理店に依頼するとレポートを作成して報告してくれるので便利ですよ。
結果を振り返る
タクシー広告の出稿が始まったら、事前に設計した効果測定方法で数字をモニタリングしてみましょう。
特に初回出稿時は、出稿終了後でなく、出稿後1週間くらいからモニタリング・分析をすると、途中で課題を抽出して対処しやすいので効果最大化に繋げられますよ。
手前指標を設計しておくことで、ターゲットが検討行動のどこで離脱しやすいのかを特定することができます。
SNSなど他の媒体も活用する
タクシー広告を初めて出稿する場合は、他の影響要素が入ると効果検証が難しくなるので、他の広告媒体を同時出稿することはおすすめできません。
しかし、タクシー広告の効果を分析・把握できた後は、他の広告媒体も活用したクロスメディア戦略を展開したほうが効果を最大化できます。
例えば企業のTwitterアカウントやYouTubeチャンネルは、最もローコストで開設・広告訴求ができる媒体でしょう。
タクシー広告で作成した広告動画やデザインを二次利用すれば、制作費が浮くので費用対効果を高められる可能性があります。
※制作物の二次利用は、デザイン流用費やタレント二次利用費といった追加金額が発生する場合があります。制作会社に必ず事前確認を取りましょう。
まとめ:タクシーの動画広告を活用して、ビジネスマン向けサービスの認知度アップを
今回は、タクシーにおける動画広告について解説しました。
おさらいすると、タクシーの動画広告は48億円(2020年)と市場規模が大きく、今後も伸びが期待できます。
実際にタクシーに動画広告を出す企業は多く、以下5つのメリットがあります。
- ビジネスマンの目に入りやすい
- 自社のターゲットにあわせて配信できる
- 乗車中は動画を見てもらいやすい
- 何度も乗車する利用客には認知度アップが期待できる
- きれいな映像で広告を届けられる
配信サービスを活用すれば特定のターゲットに動画を届けることもでき、自社商品やサービスの認知度アップなどが期待できます。
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