動画市場が目覚ましい拡大を見せる昨今。
「中国の勢いがすごいライブコマースだけど日本の市場はどうなんだろう?」
「これから伸びるなら早めに参入してみたい」
「日本のライブコマース市場のこれからが知りたい」
と日本でのライブコマース拡大の可能性が気になっている企業担当者の方も多いのではないでしょうか?
日本はまだライブコマースの黎明期で、現在可能性の種をまいている段階です。
可能性にかけて早めに参入するべきか、悩ましいところです。
この記事では、世界のライブコマースの状況を確認しつつ「日本の市場にどうマッチするか」などを詳しく解説しています。
この記事を読んでいただき、参入判断の助けになれば幸いです。
目次
日本でも市場規模が拡大中のライブコマースとは?
ライブ配信中で商品を紹介し、視聴者に購入してもらう販促方法です。
購入の促進はインフルエンサーと呼ばれる人気者が行うことが多く、メーカーの社員が行う場合もあります。
ライブコマースはテレビショッピングに似ています。
ただ、ユーザーからのダイレクトな質問に対して、配信者側がリアルタイムで応じるなど「双方向の意思疎通ができる点」がテレビショッピングと異なる点です。
日本でも「有名人に商品を提供して、宣伝してもらう」という手法は取り入れられていますが、ライブコマースと比べると雰囲気や規模が別物です。
基本的にメーカーは、販促のために商品をYouTuberと始めとするインフルエンサーに提供します。
日本のYouTuberは商品を提供してもらっても、安易な宣伝文句ではなく、本音で感想を述べることがほとんどです。
視聴者があからさまな宣伝を嫌うため、配信者側もよりリアルな意見を心がけています。
視聴者の信頼を得ることで、抜群の宣伝効果が発揮できるです。
しかし、組織的かつ大掛かりな販促を行うライブコマースは、まだ本格的に日本では行われていません。
まさにこれからの市場といえるでしょう。
世界・日本でのライブコマースの市場規模
世界におけるライブコマースの市場はどのように展開されているのでしょうか?
相対的に日本の市場との比較を試みて解説していきます。
世界をリードする中国のライブコマース市場
ライブコマースといえば中国、というほどに中国のライブコマース市場は盛り上がりを見せており「世界の10年先を行く」ともいわれています。
中国のライブコマースの草分け的存在は、アリババが運営するECサイト「淘宝(Taobao)」です。
2016年3月からサービスをスタートされた淘宝(Taobao)では、たくさんの「タオパオ達人」と呼ばれる人たちが商品を販売するライブ配信を行っています。
最も売上を上げた達人は2019年の独身の日に約410億円売り上げ、手数料分の60億円を1日で稼ぎました。
中国では、ライブコマースプラットフォームの整備が進んでおり、ECサイトの販売、流通ともシームレスな連携が構築され、今後ますます市場が成熟していくと見られています。
韓国のライブコマース市場
韓国では、中国に続き早い段階でライブコマースが始まりました。
アパレルメーカーの 「LF Corp」は、ライブ配信でリアルタイムチャットを行いつつ、ワンクリックで購入できるライブコマースの仕組みを2015年に導入しました。
ライブコマースによる売り上げは、全体の売り上げのうち毎年3割程度を確保しており、高い成長を見せています。
伝統的な小売業者である、現代百貨店、ロッテ百貨店もライブコマースに参入しています。
ロッテ百貨店は、ECアプリ「ロッテオン」で毎日ライブ配信を行っており、女性用のアパレルや化粧品を販売しています。
今後は販売カテゴリーを拡大し、販売促進を継続していく予定です。
アメリカのライブコマース市場
中国や韓国に比べるとまだこれからの市場ですが、アメリカでのライブコマースを主導するのはAmazonです。
2019年にAmazonはライブコマースサービスの「Amazon Live」をリリースし、ライブ配信によるショッピング機能の提供をスタートしました。
2020年7月には、機能をインフルエンサーに開放しており、今後ライブコマース市場の拡大が期待されます。
他には、家具ECプラットフォームの「Wayfair」やインフルエンサーフリマアプリの「 Depop」、Google の「Shoploop」などがライブコマース市場に参入しています。
日本のライブコマース市場
日本のライブコマース市場はまだ軌道に乗っていません。
会社組織としてのライブコマース促進がうまく行かなかったのは、「参加する企業が案外少なかったため」といわれています。
「ニーズがない」というわけではなく、インフルエンサー個人の販促は成功しているケースが存在するのも事実です。
実際、ライブコマースによって盛り上がりを見せている事例もいくつかあります。
国内のライブコマースは、若い世代ほど認知度が高い傾向にあります。
若い世代を中心に、SNSでライブコマースの情報が拡散されれば、認知度が上がって市場規模も拡大していくでしょう。
これから日本でライブコマースが注目される理由
ライブコマースは、プラットフォームであるECサイトにどのような影響を与えるのでしょうか?
ライブコマースが衆目される3つの理由とともに、ECサイトのメリットを解説します。
理由①5Gの普及と買い物体験
超高速であらゆる人やモノが繋がることで、これまで以上に便利で簡単、かつ楽しい買い物ができるようになります。
低遅延によるセッション数の増加、動画を取り入れた販促の導入、スマートスピーカーに連動したボイスコマースなど、4G時代と比べて販促チャンスが大きく拡大します。
理由②膨大な消費者データを迅速に蓄積
販売するブランド側はよりたくさんの消費者データを集められます。
また、各ユーザーに合わせたピンポイントなサービスが提供可能です。
現在でも、ユーザーに合わせたピンポイントな案内はメールで行われていますが、ユーザーのニーズ把握がより具体的になり、ユーザーとブランド、双方にとってメリットのあるダイレクトな訴求が実現します。
理由③VR(仮想現実)/AR(拡張現実)の活用
オンラインの仮想空間で見たものを購入できるようになります。
実際の店舗に来店している感覚に始まり、商品を手に取って確認もできます。
家具や大型家電を自宅に置く場合、事前にレイアウトを考える必要はありますが、VR技術を使えば実物大の家電を仮想現実として設置することも可能です。
今後予測されるライブコマース市場の動き
ライブコマース市場で今後起こるであろうとされている動きや、日本での定着について以下2点のポイントで解説していきます。
D2Cのようなダイレクト販売の発達
D2Cとは「Direct to Consumer」の略称で、商品の企画、製造、販売までを自社で行う仕組みのことをいいます。
直販と仕組みは同じですが、特徴として
- 会社規模が小さくスタートアップ、個人が多い
- メーカーとユーザーとの双方向のコミュニケーションが活発
- 販促のための宣伝がよりピンポイントで、そのブランドのコアなファンを獲得している
という点が挙げられます。
多くのD2Cメーカーは、クラウドファンディングで資金を集め、SNSをうまく活用することで宣伝を行い販促しています。
D2CはSNSとの親和性が高いことは証明済みですが、ここにライブコマースを組み入れることで、さらなる販路の確保が期待されています。
現在、日本では大きな企業がライブコマースへの参入をためらっており、市場の拡大が進んでいませんが、今後はD2cの分野からライブコマースの市場が拡大されるでしょう。
日本でライブコマースは定着する?現在の動向と今後を予想
今後のライブコマース市場の拡大に必要な要素は以下の2点です。
- プラットフォームとインフルエンサーの仲介
- ライバー事務所の活動
今後は、潜在的なライブコマースのニーズを顕在化させる必要があります。
日本ではライブコマース用のプラットフォームはまだ未成熟で、あまり開発が進んでいません。
より多くの人にライブコマースを認知してもらうための魅力的なプラットフォーム開発、マーケティングと、インフルエンサーの斡旋が必要です。
日本のライブコマース市場が拡大していない理由として、専門インフルエンサーの不足が挙げられています。
中国では大規模なインフルエンサーの育成がされていますが、日本ではまだそのようなビジネスは表れていません。
ライブコマースに対応したライバーの育成については、各ライバー事務所の役割も大きくなってきます。
株式会社サムシングファンが運営する、ライバーマーケティングに特化したプロダクション「サムファン!」では、現在ライバーを募集しています。
ライブコマースはまだまだ未成熟な市場ですが、大きく稼ぐことができる夢のある市場です。
「サムファン!」で一流のライバーを目指して頑張ってみませんか?
また、株式会社サムシングファンではライブコマースコンサルティングも行っております。
これからライブコマースをはじめてみたい企業担当者の方はお気軽にお問い合わせください。
まとめ ライブコマース市場拡大が期待される日本
現在、ライブコマースが最も活況を呈しているのは中国で、アメリカ、韓国、日本などはこれからの市場となっており、大きな収益化をこれから目指すところです。
日本においては「関連企業が本気で取り組んでいない」「参入をためらっている」という理由から、思うように市場が拡大していない状況です。
しかし、ライブコマースの潜在的なニーズは確認されていることから、今後はD2Cのような小規模販促活動から、ライブコマース市場が拡大していくと見られています。
黎明期の今こそ、ライブコマースというビジネスチャンスへの参入を検討してみてはいかがでしょうか?