近年、気軽にライブ配信できる環境が整ってきており、ライブ配信を活用する企業も増加しています。
「自社でもライブ配信の活用を検討している」方も多いのではないでしょうか。
しかし、企業が業務にライブ配信する場合は注意が必要です。
本記事では、ライブ配信のセキュリティ対策や、セキュリティを重視する方におすすめの動画配信サービスをご紹介します。
業務へのライブ配信の活用を検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
ライブ配信にセキュリティが必要な理由
プロモーションなどを目的とした不特定多数の人向けのライブ配信では、セキュリティが問題になるケースは限られます。
しかし、社内や代理店向けのライブ配信では、製品やサービスに関する機密情報に言及する場合があります。
社内向けに配信する際には情報漏えいを防ぐために、セキュリティ対策が必須です。
そのため、企業がライブ配信を実施する際には、セキュリティ機能が備わったライブ配信プラットフォームを選択しなければなりません。
ライブ配信におけるセキュリティ対策
一口に、ライブ配信のセキュリティ対策といってもさまざまな方法があります。
ここから、ライブ配信における具体的なセキュリティ対策について解説します。
動画の暗号化
データを暗号化してライブ配信すれば、セキュリティを強化することができます。
例えば、YouTubeライブでは、RTMPS(RTMPS over SSL/TLS)と呼ばれる動画配信プロトコルを使用した配信に対応しています。
RTMPSを使用してライブ配信すると、データは暗号化された状態でサーバーを通過するため、第三者による傍受を防ぐことが可能です。
ただし、RTMPSで配信するためには、互換性のあるエンコーダーを用意する必要があります。
ユーザー管理
ライブ配信のセキュリティ対策では、ユーザーの管理も重要です。
社員向けにライブ配信する場合、誰でも動画を視聴できる状態になっていると、社内の機密情報が漏えいしてしまう危険性があります。
特定のユーザーのみに映像を配信するには、IDとパスワードによる認証を導入するといった対策が有効です。
アクセス制限
アクセス制限もセキュリティ対策として有効です。
サービスによっては、特定のIPアドレス以外からのアクセスをブロックする機能が備わっています。
アクセス可能なIPアドレスを制限することで、不正な視聴を防げます。
拠点同士を繋いでライブ配信する場合は、システムにIPアドレス制限機能が備わっているかどうかを確認しておきましょう。
ストリーミング形式
動画配信サービスでは、主にプログレッシブダウンロード形式とストリーミング形式の2種類が採用されています。
プログレッシブダウンロード形式では、データをダウンロードしながら動画を再生します。
プログレッシブダウンロード形式の場合、データが視聴端末内に残るため、配信終了後もデータへのアクセスが可能です。
そのため、映像が漏えいするリスクがあります。
一方、ストリーミング形式の場合、データが端末に残ることはありません。
セキュリティを重視する際は、ストリーミング形式のサービスを選んだ方が良いでしょう。
オンプレミス型
動画配信サービスは、クラウド型とオンプレミス型に分けられます。
クラウド型は、サービスを運営する会社が用意したサーバーを利用する方式です。
外部のサーバーを利用するため、インターネットを介して通信する必要があります。
一方、オンプレミス型は自社でサーバーやネットワーク環境を構築して利用する方式です。
データを社外に出す必要がないため、クラウド型と比較すると情報漏えいのリスクが低い点が特徴です。
セキュリティレベルを高めたい場合は、オンプレミス型を選ぶと良いでしょう。
著作権管理
ライブ配信した映像をアーカイブとして残す場合、著作権の管理にも注意が必要です。
著作権管理のセキュリティ対策としてよく用いられる技術がDRM(Digital Rights Management)です。
DRMを利用した動画ファイルには、ライセンスキーが設定されているため、正しいキーを保有していなユーザーが、動画を視聴することはできません。
違法コピーなどを防止する目的で導入されています。
セキュリティに強いライブ配信サービス5選
ここからは、セキュリティに強いライブ配信サービスを5つご紹介します。
ライブ配信サービス①viaPlatz
引用:viaPlatz
viaPlatzは、NTTテクノクロスが提供する企業向け動画配信サービス です。
社内研修や説明会などに活用することができます。
オプション機能としてライブ配信機能が備わっており、カメラとレコーダーがあればすぐに導入できます。
ユーザーIDとパスワード、認証コードによる2段階認証が採用されているため、セキュリティレベルも高いです。
また、コンテンツごとに視聴ユーザーやグループを設定できるため、一部の社員にのみ動画を配信することもできます。
月単位での視聴ログの確認や出力にも対応しているため、不正なアクセスがなかったかどうかをチェックできます。
動画視聴後のアンケートや理解度を確認するテストを実施できる機能も備わっているため、研修や勉強会などの用途でライブ配信システムを導入したい方におすすめです。
ライブ配信サービス②Smart STREAM
引用:Smart STREAM
Smart STREAMは、NTTスマートコネクトが提供している動画配信サービスです。
ライブ配信とオンデマンド配信の両方に対応しています。
Smart STREAMの最大の特徴は、必要な機能だけを選べる点です。
多機能な動画配信サービスはできることが多いですが、料金も高額になる傾向があります。
使わない機能が多いサービスを契約してしまうと、ライブ配信のコストが割高になってしまう恐れも。
必要な機能だけを選べば、無駄なコストを削減できます。
また、DVR(Digital video recorder)機能を使用したライブ配信にも対応しており、ライブ映像の録画や追いかけ再生も可能です。
IPアドレスやパスワード認証などのセキュリティ機能に加え、一定期間過ぎると動画を視聴できなくなるURL発行するワンタイム
URL付与機能も備わっているため、映像が不正に拡散するリスクを抑えられます。
ライブ配信サービス③クラストリーム
引用:クラストリーム
クラストリームは、アイ・ピー・エルが提供する動画配信サービスです。
セキュリティレベルの高さから、金融機関での採用実績もあります。
オンプレミス型とクラウド型の両方が用意されているため、自社の運用スタイルに合わせた方式を選択可能です。
オンプレミス型は、セキュリティレベルが高い上、サーバーを社内に設置するため、インターネット接続の帯域を消費することもありません。
また、クラウド型と組み合わせて、サーバー負荷を分散させながら運用することも可能です。
高画質でのライブ配信に対応しているほか、配信動画を保存することができます。
動画の暗号化に加えて通信にはSSLを利用するため、映像が外部に流出するリスクも抑えられています。
ライブ配信サービス④necfruChatLive
necfruChatLiveは、ライブコマース向け動画配信サービスです。
ライブコマースは、ライブ配信で商品やサービスを紹介して、購入してもらうEC形態で、近年注目を集めている販売手法です。
ライブコマースでは、テレビでの実演販売とは異なり、チャットを用いてリアルタイムで配信者に質問することもできます。
necfruChatLiveは、アプリのダウンロードは不要で、視聴者はURLをクリックするだけでライブ配信を視聴できます。
オプションで、ログイン認証機能を追加できるほか、ユーザー企業のニーズに合わせたシステムのカスタマイズにも対応。
初期費用もかからないため、はじめてライブコマースに取り組む方におすすめです。
ライブ配信サービス⑤Bizlat
引用:Bizlat
Bizlatは、EVCが運用する動画配信サービスで、クラウド型とオンプレミス型の両方が用意されています。
大規模な配信にも対応しているため、大手企業での導入実績もあります。
セキュリティの観点から、クラウド型動画配信サービスに不安を感じる方も多いですが、Bizlatはクラウド型でありながらセキュリティが強化されている点が特徴です。
ライブ配信とオンデマンド配信に対応しており、ライブエンコーダーや配信基盤、エンジニアの派遣をパッケージにしたサービス「Bizlat LIVE Pack」も提供。
事前準備から配信までトータルで任せられます。
最短3営業日でライブ配信できるため、お急ぎの方におすすめのサービスです。
セキュリティ重視でライブ配信プラットフォームを選ぶ際のポイント
セキュリティ重視でライブ配信プラットフォームを選ぶ際の、3つのポイントをご紹介します。
ポイント①目的に合ったサービス
ライブ配信プラットフォームを選ぶ際には、目的に合わせたサービスを選択しましょう。
一口にライブ配信プラットフォームといっても、社内向けの配信に適したものから、社外への配信に適したサービスまでさまざまです。
操作画面なども、用途に合わせてデザインされているため、目的に合わないサービスを選択してしまうと、使い勝手に不満を感じることもあるでしょう。
ライブ配信フラットフォームを選ぶ前に、利用目的を明確にしておくことが重要です。
ポイント②配信可能な規模
配信可能な規模もしっかり確認しておきましょう。
ライブ配信システムによって、利用可能なユーザー数にも違いがあります。
また、同じシステムであっても契約するプランによって、ユーザー数の上限が異なります。
事前に自社の利用人数を確認しておくことが大切です。
ユーザーだけではなく、同時に視聴できる人数も必ずチェックしておきましょう。
ポイント③必要な機能が備わっているか
自社に必要な機能が備わっているかどうかを確認しましょう。
プラットフォームごとに、利用できる機能には違いがあります。
アクセス制限機能ひとつとってみても、IPアドレスによる制限のほか、ドメインによる制限など、制限方法はシステムによって異なります。
まとめ:社内向けのライブ配信にはセキュリティ対策が必須
ライブ配信のセキュリティ対策について解説しました。
社内向けにライブ配信する際は、セキュリティ対策が必須です。
機密情報が漏えいしないように、適切なライブ配信サービスを選択しましょう。
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