ナレッジマネジメントはさまざまな企業で取り入れられていますが、どのように取り入れたら良いのかわからない方もいるかもしれません。
そこで今回は、ナレッジマネジメントの基本情報や成功事例、失敗事例などを紹介します。
気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
そもそもナレッジマネジメントとは?
ナレッジマネジメントとは、個人が持つノウハウを組織全体で共有し、生産性向上やイノベーションの創出などにつなげる経営手法です。
個人が持つ知識や情報を組織全体で共有し、新たな知識を創出することが目的とされています。
また、組織全体のイノベーションを促進したり、人材育成を効率良くしたりなどのメリットもあります。
【おすすめの関連記事】
ナレッジマネジメントとは?意味やメリット、おすすめのやり方を紹介
ナレッジマネジメントの成功事例
ナレッジマネジメントの成功事例としては、以下の5つが挙げられます。
- 花王株式会社
- auコマース&ライフ株式会社
- 株式会社再春館製薬所
- カルビー株式会社
- 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
それぞれどのようなものなのか、1つずつ紹介します。
成功事例を把握しておくことで、ナレッジマネジメントを導入する際のヒントが得られるでしょう。
事例1.花王株式会社
花王株式会社は、マーケティング・インテリジェンス・システムや花王エコーシステムといった仕組みを導入し、お客様からの声をナレッジ化して保存しました。
お客様の声をデータベースとしてまとめており、商品開発部がいつでもデータを閲覧できるようにしています。
これにより、商品開発する上でお客様のちょっとしたニーズをこぼしてしまうリスクを軽減できるようになり、人気商品を売り出すことに成功しました。
事例2.auコマース&ライフ株式会社
auコマース&ライフ株式会社は、複数のショッピングサイトを運営する企業で、ナレッジマネジメントとFAQシステムを導入しました。
これにより、社内の問い合わせ業務やコールセンター業務を効率化しました。
また、ナレッジ共有により顧客対応フローが改善したため、FAQシステムによりマニュアル確認が可能になり、顧客対応の質向上につながりました。
事例3.株式会社再春館製薬所
化粧品メーカーで有名な株式会社再春館製薬所は、これまで情報を探し出す際に膨大な情報の中から見つけ出さなくてはならなかったため、時間がかかっていました。
そこで取り入れたのが、ナレッジマネジメントツールの導入です。
導入したことで、素早く情報を取得できるようになり、顧客への回答が早くなりました。
また、在宅勤務が増加する中でも環境整備の負担が少なくなり、社内の情報共有と展開がスムーズに行われるようになりました。
事例4.カルビー株式会社
カルビー株式会社ではフリーアドレス制を導入しており、従業員同士がコミュニケーションを取りやすい環境にしました。
コミュニケーションが活発になるとさまざまな知識を共有できるため、自然とナレッジが蓄積されやすくなります。
その一方で集中して会話できる1人ブースも設けており、オンライン会議や電話などがしやすい空間も用意しています。
事例5.富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、かつて製品開発プロセスにおける遅れを課題点として抱えていました。
それを克服するために取り入れたのが、ナレッジマネジメントです。
具体的には、製品設計の初期段階で全ての担当者が持つ情報を共有するために、「全員設計」という独自の情報共有システムを導入しました。
このシステムには設計者や技術者の知識が蓄積されており、各工程の担当者が有効活用できます。
結果として、ナレッジマネジメントによって製品開発プロセスの改善や製造過程の業務効率化が実現されました。
ナレッジマネジメントの失敗事例
ナレッジマネジメントは、auコマース&ライフ株式会社や株式会社再春館製薬所、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社などで成功しています。
しかし、導入すれば必ず成功するとは限りません。
以下のような失敗事例もあります。
- 運用ルールを設けていなかった
- 従業員からの理解が不十分で導入中止になった
失敗事例を把握しておくことで、どのようなリスクがあるのか把握できるでしょう。
事例1.運用ルールを設けていなかった
ナレッジマネジメントを取り入れる際には、ルールが大切です。
運用ルールが整備されていないと、蓄積されていくナレッジを正しく管理できなくなってしまい、必要なときにデータをチェックできません。
場合によっては、これまでよりもさらに煩雑なものとなってしまう恐れがあります。
そのため、これから導入するのであれば、どのように運用するのかルールを設けましょう。
事例2.従業員からの理解が不十分だった
ナレッジマネジメントをいきなり導入すると、従業員からの理解が得られず、失敗する恐れがあります。
ナレッジマネジメントを導入する理由や目的を従業員が納得していなければ、積極的に活用してもらえないかもしれません。
無理に始めても形骸化してしまったり、導入自体が中止となってしまったりする恐れがあるため、従業員から理解してもらった上で導入しましょう。
ナレッジマネジメントを失敗させないためのコツ
ナレッジマネジメントの導入で失敗しないためには、以下のコツを踏まえて取り組むようにしましょう。
- フレームワークに沿って取り組む
- ナレッジ共有に関するモチベーション維持の仕組みを作る
- まずは小規模で始める
- ナレッジマネジメントツールを活用する
それぞれどのようなコツなのか、1つずつ紹介します。
フレームワークに沿って取り組む
ナレッジマネジメントを導入する際には、フレームワークを活用しましょう。
具体的にはSECIモデルであり、以下の4段階に分かれています。
- 共同化(Socialization):同じ体験を通して暗黙知を共有する
- 表出化(Externalization):共有された暗黙知を形式知に近づける
- 連結化(Combination):形式知同士を組み合わせて新しい知識体系を作る
- 内面化(Internalization):各従業員が新しく形式知を暗黙知として自分のものにする
SECIモデルが活用できる環境や仕組みを作ることで、ナレッジマネジメントをさらに活用しやすくなります。
ナレッジ共有に関するモチベーション維持の仕組みを作る
ナレッジの共有は、基本的に各従業員が能動的に行うものです。
そのため、ナレッジ共有に関するモチベーション維持の仕組みを作り、各々が持っている知識を積極的に共有してくれる環境にしましょう。
例えば、情報共有ツールの「いいね!」機能や「拍手」ボタンなどでモチベーション維持を図れます。
場合によっては、人事評価につながる制度やインセンティブも有効でしょう。
まずは小規模で始める
いきなり大規模に導入すると従業員から反感を買う恐れがあるため、まずは小規模で始めましょう。
小規模にすることにより、問題が生じても最小限に抑えられる上に、社員の理解を得る際には成功事例としてアピールできます。
また、従業員からの反感も買われにくいため、小規模から始めて問題ないか確かめてみましょう。
ナレッジマネジメントツールを活用する
効率よくナレッジを活用するためには、ツールを活用するのがおすすめです。
現在ではさまざまなナレッジマネジメントツールがありますが、主なものとして以下のようなツールが挙げられます。
DocBase
DocBase(ドックベース)は、素早く情報共有できるナレッジマネジメントツールです。
さまざまな企業が利用しており、多くの企業から支持されています。
テレワーク向けの機能も搭載されており、オフィスがない企業でも導入しやすいでしょう。
また、国際標準規格のセキュリティを取り入れているのも魅力的なポイントです。
Qast
Qast(キャスト)は個人のノウハウを引き出して、組織全体のパフォーマンスを最大化することを目指しているツールです。
5,000社以上が導入しており、Q&A機能とメモ機能で社内ナレッジをまとめられます。
また、同義語検索や曖昧検索機能も備わっており、すぐに必要なデータをチェックできます。
SharePoint Online
SharePoint Online(シェアポイントオンライン)は、マイクロソフト社によるナレッジマネジメントツールです。
クラウド上でデータを保存・共有でき、チームメンバーと一緒にファイルを見たり、同時編集したりできます。
また、Web上で作業できるため、デバイスや場所を問わずに利用可能です。
Knowledge Explorer
Knowledge Explorer(ナレッジエクスプローラー)は、簡単にナレッジの活用ができるツールです。
現在のシステムや業務プロセスを変えることなく情報共有・活用を促進でき、DX促進にもつなげられます。
なお、DXに関しては以下の記事で紹介しているため、気になる方はぜひ読んでみてください。
BPOとDXはどのような関係性なの?それぞれの基本情報も紹介!
まとめ:事例を踏まえた上でナレッジマネジメントを導入しよう!
今回は、ナレッジマネジメントの基本情報や成功事例、失敗事例などを紹介しました。
ナレッジマネジメントは社内の知識やノウハウを保存・共有するためのマネジメント手法であり、さまざまな企業で取り入れられています。
ただ、失敗するケースもあるため、そのことも踏まえた上で導入するようにしましょう。
なお、弊社ではナレッジマネジメントで活用できる動画サービスを提供しています。
気になる方は、下記バナーをチェックしてみてください。