「社内で情報共有しているけど、どうも上手くいかない」と悩んでいませんか?
個人の知識やスキルを社内で共有して活用する動きを「ナレッジマネジメント」と呼びます。
「情報共有が上手くいかない」と感じている企業の多くは、ナレッジマネジメントのやり方が古いのかもしれません。
今回は、古いナレッジマネジメントの特徴を踏まえつつ、ナレッジマネジメントを成功させるコツについて解説します。
情報共有が思うようにできていない、これからナレッジマネジメントに取り組みたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ナレッジマネジメントとは
ナレッジマネジメントとは、個人が持つ知識やスキルといったナレッジ(Knowledge)を組織全体で共有し、活用していく経営手法です。
基本的な考え方は、暗黙知を形式知に変換して共有することです。
- 暗黙知:個人の経験によって蓄積された知識やスキル。文字や動画で表現されておらず、共有されにくい。
- 形式知:言葉や動画などで表現された知識やスキル。共有しやすい。
形式知に変換されたナレッジは、データベース化されて一括管理できます。
そのため、ナレッジマネジメントでは、すべての社員が必要なときに必要な情報をすぐに取り出せる状態を目指します。
メリットは以下の通りです。
- 業務効率の向上
- 人材育成の効率化
- 社員全体のスキル向上
- 顧客対応品質の向上
- 属人化の防止
このようなメリットがあるため、ナレッジマネジメントに成功すると、企業価値・競争力の向上が期待できます。
ナレッジマネジメントのメリットや手法については、以下の記事で解説しています。
ぜひ参考にしてください。
関連記事:ナレッジマネジメントとは?意味やメリット、おすすめのやり方を紹介
古いナレッジマネジメントの特徴
社内で情報共有が上手くいっていない場合、ナレッジマネジメントのやり方が古いのかもしれません。
古いナレッジマネジメントの特徴は以下の通りです。
- 紙で情報を管理している
- 担当者を決めていない
- Word・Excelを使っている
それぞれについて詳しく解説します。
紙で情報を管理している
過去のデータや実績を、紙で管理していませんか?
紙にナレッジを蓄積していると、以下のようなデメリットがあります。
- 情報検索に時間がかかる
- 紛失の危険性がある
実際に、顧客情報が記載された223枚もの帳票が紛失したケースもあります。
出典:オフィス内での書類紛失(日本ネットワークセキュリティ協会)
担当者を決めていない
ナレッジマネジメントの担当者を決めていないと、以下のようなデメリットが生じます。
- ナレッジ共有が次第に行われなくなる
- ナレッジが重複する
- 蓄積されたナレッジが活用されない
一方で、担当者を決めておくと、社内にナレッジマネジメントを浸透させられるうえに、蓄積されたナレッジを効果的に活用できます。
Word・Excelを使っている
WordやExcelは情報の保存を目的としたツールであって、共有に適したツールではありません。
Dropboxなどのツールを使えば共有は可能ですが、以下のようなデメリットが存在します。
- ファイルに記された文言でないと検索にヒットしない
- 権限を細かく設定できない
例えば、平仮名で表記されたものを漢字で検索するとヒットしません。
そのため、データ名の付け方や保存場所のルールを決めるなど、ひと手間かける必要があります。
一方で、最近ではナレッジマネジメントに特化したツールがあります。
特徴は以下の通りです。
- 曖昧なキーワードでも目的のナレッジを検索できる
- 権限を細かく設定できる
- チャット機能によって社員同士がコミュニケーションをとれる
欲しいときに必要な情報を素早く得られるので、WordやExcelを使うよりはるかに効率的です。
おすすめの関連記事:おすすめのナレッジマネジメントツール10選!情報共有におすすめ
ナレッジマネジメントを成功させるコツ
ナレッジマネジメントを成功させるコツは以下の通りです。
- ナレッジの定義を決める
- ナレッジを共有しやすい環境を整える
- 社員の困りごとを集める
- SECIモデルを活用する
- 小さな規模で始める
- 自社に合うナレッジマネジメントツールを導入する
- 外部組織を活用する
それぞれについて詳しく解説します。
ナレッジの定義を決める
まずは社内でナレッジの定義を決めましょう。
ナレッジが決まっていないと、ナレッジを共有する側の社員が「この情報は共有していいのか?」と迷ってしまうからです。
そのため、ナレッジとなる情報の項目や単位、共有方法を明確にしておきましょう。
例えば、「顧客からの問い合わせのうち商品に関する情報」と決めておけば、スムーズにナレッジの蓄積ができます。
ナレッジを蓄積・活用する現場目線で、必要な情報や使いやすい共有方法を選ぶことが重要です。
ナレッジを共有しやすい環境を整える
ナレッジマネジメントでは、社員にナレッジを共有してもらうことが前提です。
そのため、共有しやすい環境を整えることも成功の1つのポイントです。
例えば、ナレッジマネジメントに特化したツールを導入すれば、効率的なナレッジの共有・活用ができます。
また、社内に誰でも利用できるリフレッシュスペースを設けて、社員同士の交流を促すのも効果的です。
共有しやすい環境を整えることで、情報共有の機会が増え、ナレッジの共有が浸透するでしょう。
社員の困りごとを集める
いくら環境を整えても、社員自らが積極的にナレッジを提供するとは限りません。
中には「自分の持っているナレッジは役に立たない」と思っている社員もいるからです。
そこでおすすめなのが、社員の困りごとを集めて、その対処法を募集するという形でナレッジを集める方法です。
役に立つ情報よりも「困りごとを教えてください」と頼んだ方が、気持ちが楽になり、共有しやすくなりますからね。
そのようにして社員が積極的に困りごとと対処法を共有するようになれば、ナレッジはどんどん蓄積されていきます。
SECIモデルを活用する
SECI(セキ)モデルとは、ナレッジマネジメントにおけるフレームワークです。
暗黙知を形式知に変換するプロセスを示しています。
「SECI」とは、以下の頭文字に由来します。
- Socialization:共同化
- Externalization:表出化
- Combination:連結化
- Internalization:内面化
具体的な手順は以下の通りです。
- 共同化:体験や実践によって暗黙知を伝達する(暗黙知)
- 表出化:伝達された情報を文字や動画で可視化する(暗黙知→形式知)
- 連結化:2の情報を他の情報と連結して体系化する(形式知)
- 内面化:形式知を知的資産へと変換する(形式知→暗黙知)
上記のプロセスを繰り返すことで、徐々に組織全体のナレッジが知的資産として蓄積されます。
小さな規模で始める
ナレッジマネジメントは、短期間で定着するものではありません。
そのため、まずは小さな規模で始めて、成功事例を作るのがおすすめです。
成功事例があれば、社員にメリットを提示しやすくなります。
また、ナレッジマネジメントにおいては、規模が大きくなっても導入・運用方法はあまり変わらないため、規模を拡大する際もそれほど困りません。
まずは一部の部門やチームなどで成功事例を作り、事例をもとにした導入・運用の拡大を図りましょう。
自社に合うナレッジマネジメントツールを導入する
ナレッジマネジメントには、専用のツールを導入するのがおすすめです。
以下の機能によって、ナレッジの蓄積・共有を効率化できるからです。
- ファイル共有
- グループウェア
- コミュニケーション機能
- 検索機能(曖昧検索、同義語検索など)
- FAQ
例えば、必要な情報をどう検索していいかわからない場合でも、曖昧検索機能を使えば、近いキーワードで検索するだけで、目的の情報を探せます。
環境整備という意味でも重要なので、ぜひナレッジマネジメントツールの導入を検討してみてください。
以下の記事では、おすすめのナレッジマネジメントツールを紹介しています。
ぜひ参考にしてください。
おすすめの関連記事:おすすめのナレッジマネジメントツール10選!情報共有におすすめ
外部組織を活用する
自社だけでナレッジマネジメントを行うのが不安な場合は、外部組織の活用も視野に入れましょう。
導入や運用をサポートしてもらうことで、ナレッジマネジメントをスムーズに定着させられます。
定着まで時間がかかると効果が出るのが遅くなるので、社内にナレッジマネジメントのノウハウがない場合は、外部組織に依頼するのがおすすめです。
ナレッジマネジメントに動画を活用するのもおすすめ
ナレッジマネジメントには、動画を活用するのもおすすめです。
動画は文章で伝える場合と比較すると、圧倒的な情報伝達量を誇ります。
アメリカの調査会社、Forrester ResearchのJames L. McQuivey博士によると、1分間の動画は単語180万語の情報に匹敵するといわれています。
これは、一般的なWebページ3,600ページ分の量です。
そのため、ナレッジマネジメントに動画を活用すると、ナレッジを効果的に共有しやすいといえます。
とはいえ、「そもそも動画制作のノウハウがない」と感じている方も多いでしょう。
そこでおすすめなのが、動画制作のBPO(Business Process Outsourcing)に依頼することです。
BPOとは、アウトソーシングの一種。
外注先の自由度が高いのが特徴で、業務の企画から実行までを委託できます。
専門性の高いサービスを受けられるのがメリットで、中には将来的に自社で動画制作に取り組みたい企業向けに、内製化支援を行っているBPOもあります。
動画活用が一般化した現在では、多くの企業が動画を用いた情報共有を行なっているので、一度検討してみてはいかがでしょうか。
関連記事:BPOとは?意味やメリットから導入のポイントや注意点まで徹底解説
まとめ:古い手法から新しいナレッジマネジメントに移行しよう
古いナレッジマネジメントの特徴を踏まえたうえで、ナレッジマネジメントを成功させるコツを紹介しました。
最後にもう一度、成功のポイントをまとめておきますね。
- ナレッジの定義を決める
- ナレッジを共有しやすい環境を整える
- 社員の困りごとを集める
- SECIモデルを活用する
- 小さな規模で始める
- 自社に合うナレッジマネジメントツールを導入する
- 外部組織を活用する
なお、ナレッジマネジメントは、動画を活用する方法もおすすめです。
弊社サムシングファンでは、動画活用のBPOサービス「DOOONUT」を提供しています。
DOOONUTには、動画の一元管理機能や検索機能が備わっています。
また、動画内製化研修や動画クリエイター派遣も行っているため、将来的に自社で動画を作りたい企業にもおすすめです。
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