近年、動画広告市場は拡大しており、今後も拡大傾向は続くと予想されています。
企業の広報担当の方の中には、「自社でも動画広告を出稿したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、以下のような悩みを抱えていませんか?
- 動画広告にはどんな種類があるの?
- 動画広告の出稿方法は?
- 動画広告で成功するコツはあるの?
動画広告の代表的な形式である「インストリーム広告」なら、視聴者に商品やサービスの魅力を効率的に訴求可能です。
本記事では、インストリーム広告の特徴やメリット、成功のコツについて解説します。
動画広告の制作を依頼するのにおすすめの会社も紹介するので、ぜひ最後まで目を通してください。
目次
インストリーム広告の概要
まずは、インストリーム広告とは何かについて解説します。
インストリーム広告とは
インストリーム広告とは、YouTubeやSNSで表示される動画広告のことです。
YouTubeで動画を再生すると、動画の最初や途中で始まる広告をご覧になったことはありませんか。
あの広告がインストリーム広告です。
動画を再生すると必ず視聴者の目に入るため、アピール度が高いことが特徴。
ターゲットを絞って運用すると、効果的なアプローチが可能です。
バンパー広告との違い
インストリーム広告と似た広告に、バンパー広告があります。
バンパー広告は、動画の再生前後や途中に動画コンテンツと同じ場所に流れる6秒の広告で、スキップできないのが特徴です。
インストリーム広告とバンパー広告には、以下のような違いがあります。
スキップ | 尺 | 課金方法 | |
---|---|---|---|
インストリーム広告 | できるもの、できないものがある | 制限なし | CPV課金・CPM課金 |
バンパー広告 | 不可 | 6秒以内 | CPM課金 |
バンパー広告は、スキップできないため、多くの視聴者に訴求できます。
尺も6秒と短いため、視聴者に不快感を与えにくいのもメリット。
短い時間でインパクトを残せるため、ブランドや商品の認知度アップにおすすめです。
バンパー広告の費用相場は、1,000回広告が表示されるごとに400円〜600円程度となっています。
アウトストリーム広告との違い
インストリーム広告は、動画の「中」で表示できる広告です。
一方でアウトストリーム広告とは、動画の「外」で表示できる広告を指します。
Webサイト・アプリ画面の広告枠やバナー枠の広告、Webコンテンツの記事の途中で挟みこまれた広告、SNSのPR(広告)投稿など「外側」で展開される動画広告です。
インストリーム広告は動画を視聴しないと、動画広告は見られません。
しかし、アウトストリーム広告は、動画を視聴しないユーザーにも動画広告を訴求できます。
YouTube動画やSNSに興味がないユーザーにも、広範囲のアピールが可能です。
アウトストリーム広告の費用も、バンパー広告の費用と同じく、1,000回広告が表示されるごとに400円〜600円程度が相場となっています。
インストリーム広告とアウトストリーム広告の違いは以下を参考にしてください。
インストリーム広告 | アウトストリーム広告 | |
---|---|---|
配信場所 | 動画に差し込まれ、動画内で展開する広告 | 動画の枠外で表示された広告 |
表示プラットフォーム | SNS、YouTubeやGYAO!などの動画視聴サイト・アプリ | SNS、Webサイトやアプリの広告枠内 |
目的 | ターゲット層を絞ってアプローチが可能 | 幅広いユーザーにアプローチが可能 |
アウトストリーム広告は、主に「インバナー動画広告」「インリード動画広告」「インタースティシャル動画広告」の3種類あります。
それぞれの配信場所や特徴をチェックしましょう。
配信場所 | 特徴 | |
---|---|---|
インバナー動画広告 | Webサイトやアプリのバナー広告枠 | Webサイト内に広告が表示されるため、動画サイトに関心がないユーザー層にも訴求可能 |
インリード動画広告 | ニュース系サイト |
|
インタースティシャル動画広告 | スマホのゲームやマンガのアプリ、ニュース系サイト |
|
インタースティシャル動画広告は、Webサイトを見た多くのユーザーに動画広告を表示できるメリットがあります。
しかし、「記事を読もうとリンクを開いたら、急に別の動画広告が始まった」とユーザーに不快感を与える可能性も否定できません。
現在は、ユーザーが自由に動画広告をスキップできるなど、ユーザーがストレスを感じないように見直しが進んでいます。
インストリーム広告の種類
インストリーム広告には、以下の5種類があります。
- スキッパブル広告
- ノンスキッパブル広告(完全視聴型広告)
- プレロール広告
- ミッドロール広告
- ポストロール広告
それぞれについて、詳しく解説します。
スキッパブル広告
スキッパブル広告は、途中でスキップできる動画広告です。
一般的に「◯秒後にスキップ可能」と字幕が表示され、その時間が経過するとスキップできます。
現在は、5秒経つとスキップ可能となるスキッパブル広告が主流となりました。
スキッパブル広告は、「30秒以上試聴された」または「30秒未満の動画の場合はすべて試聴された」場合に課金されます。
つまり、スキップされた場合は課金されません。
そのため、最初の数秒に伝えたいことを詰め込んでおけば、お金をかけずに認知拡大を狙えます。
課金方式はCPV(Cost Per View)で、動画が1回再生されるごとに課金される仕組みです。
1再生あたりの費用相場は、およそ2~25円となっています。
予算が限られている企業におすすめの動画広告です。
ノンスキッパブル広告(完全視聴型広告)
ノンスキッパブル広告は、スキップ不可のインストリーム広告のことです。
スキッパブル広告と違い、動画が1,000回試聴されると課金されるCPM(Cost Per Mille)の課金方式を採用しています。
広告1,000回表示あたりの費用相場は、およそ400~600円です。
最後まで動画を見てもらえるため、スキッパブル広告に比べてクリック率が高いことが特徴。
しっかりとクリエイティブを作り込んで、視聴者の印象に残る工夫を凝らすことがポイントです。
一方で、再生された時点でお金がかかる、視聴者によってはスキップできないことにストレスを感じる、といったデメリットもあります。
プレロール広告
プレロール広告とは、動画が再生される前に流れる動画広告です。
動画の再生前に必ず流れるため、視聴者に必ず見てもらえるというメリットがあります。
また、プレロール広告を付けられる動画の尺は決まっていないため、短い動画でも配信できる点も魅力です。
ミッドロール広告
ミッドロール広告とは、動画の再生途中に流れる動画広告です。
長い動画を見ていると「途中で複数回動画広告が流れた」という経験がある方も多いでしょう。
ミッドロール広告は、8分以上の尺の動画で配信できます。
YouTubeでは、動画の中に複数回にわたり広告を挿入できる点も魅力です。
動画冒頭の5秒間だけは、視聴者が広告をスキップできない仕組みになっているのが特徴。
たった5秒で、視聴者は動画広告を続けて見るか、スキップするかを決めます。
動画冒頭でいかに視聴者に、商品やサービスの魅力を訴求できるかが重要です。
視聴者の印象に残る動画広告を制作できれば、コンバージョンにつながる可能性は高くなります。
ポストロール広告
ポストロール広告とは、動画の再生終了後に流れる動画広告です。
プレロール広告と同じく、尺の長さに関係なく配信できます。
ポストロール広告は、動画の最後に流れるため、視聴を邪魔しないのがメリットです。
広告を何度も動画再生中に見せると、視聴者に不快に思われてしまう恐れがあります。
再生後に流れるポストロール広告であれば、自社の印象を悪くすることも少ないでしょう。
一方で視聴者は広告を見ることなく、離脱されやすいというデメリットもあるので運用には注意してください。
インストリーム広告の長さ
インストリーム広告の長さに制限はありません。
しかし、YouTubeを運営しているGoogleは、12秒~3分の長さを推奨しています。
実際に世に出ている動画広告を見ると、15~30秒のものが多くなっています。
これは、広告が12秒に満たないとYouTube上で再生回数にカウントされず、逆に長すぎると視聴者に離脱されてしまう確率が上がるためです。
なお、YouTubeの制約上、15秒を超える長さのノンスキッパブル広告は流せません。
インストリーム広告の料金
ここで、インストリーム広告の課金体系について解説します。
先ほども少し触れましたが、インストリーム広告はスキップできるかどうかで、課金体系が異なるので注意してください。
課金方法は以下の3種類です。
- CPV課金|1回の視聴ごとに課金
- CPM課金|1,000回のインプレッションに対して課金
- CPC課金|1回のクリックごとに課金
それぞれの課金方法の特徴を解説します。
CPV課金|1回の視聴ごとに課金
CPV(Cost Per View)課金とは、動画広告を1回視聴するごとに課金が発生する料金形態です。
主に、以下の場合に課金されます。
- 動画が30秒以上視聴された場合
- 30秒未満の動画であれば、すべて視聴された場合
- 動画広告がクリックされた場合
先ほど紹介したインストリーム広告の中では、スキッパブル広告がCPV課金に該当します。
CPV課金の最大のメリットは、冒頭に伝えたいことを入れておけば、スキップされても認知拡大を狙える点です。
また、スキップされると課金されないので、コストを抑えた認知拡大も期待できます。
ただし、SNSなどで拡散されると予想以上のコストがかかる場合があるので注意しましょう。
CPM課金|1,000回のインプレッションに対して課金
CPM(Cost Per Mille)課金とは、動画が1,000回表示されるごとに課金される料金形態です。
インストリーム広告の中では、ノンスキッパブル広告がCPM課金に該当します。
出稿する側が表示回数を調整したり、入札単価を変えたりできるため、広告予算をコントロールしやすいことがメリット。
広告費の変動を抑えて、毎月の予算を立てやすくなります。
CPC課金|1回のクリックごとに課金
CPCは(Cost Per Click)課金とは、動画広告のページがクリックされたかどうかで課金が発生する料金形態です。
ユーザーが広告をクリックしないと課金されないのが特徴。
自社の商品やサービスに興味がありそうなターゲット層に絞って広告配信ができるため、無駄なコストが発生しにくいのが魅力です。
一方で、想定よりも多くのユーザーに広告がクリックされると予定していた以上にコストがかかる可能性もあります。
インストリーム広告のメリット
インストリーム広告の主なメリットは、以下の4点です。
- 費用対効果が高い
- 一定時間は必ず視聴される
- 認知拡大を狙いやすい
- 精密なターゲティングがしやすい
それぞれのメリットについて紹介します。
費用対効果が高い
前述したように、インストリーム広告の中でもスキッパブル広告は、CPV課金であるため費用対効果が高いというメリットがあります。
動画が30秒以上視聴される(30秒未満の動画の場合は最後まで視聴される)かクリックされない限り、課金されないからです。
そのため、コストを抑えて認知拡大を狙えます。
一定時間は必ず視聴される
インストリーム広告のメリットは、ユーザーは広告を一定時間は視聴してもらえる点です。
スキップが可能なインストリーム広告でも、必ず冒頭の5秒間は視聴しなければなりません。
広告冒頭の5秒だけで商品やサービスの魅力を訴求して、ユーザーの次なる行動を促せたら、コストパフォーマンスが高い広告といえます。
5秒でユーザーの心を掴む高品質の広告動画を制作することが、広告を成功に導くカギです。
認知拡大を狙いやすい
動画広告は、認知拡大を狙いやすいのもメリットの1つといえます。
「メラビアンの法則」という心理学の法則をご存知でしょうか。
人間は、以下の割合で情報を得るといわれています。
- 視覚情報:55%
- 聴覚情報:38%
- 言語情報:7%
静止画広告を比較して、動画広告はユーザーの視覚や聴覚に直接訴えるので、わずかな時間の動画広告でも印象に残りやすいのが特徴です。
企業や商品・サービスの魅力を凝縮させたインパクトがあるインストリーム動画広告を制作すれば、効率的に周知・認知拡大が期待できます。
精密なターゲティングがしやすい
精密なターゲティングがしやすいのも、インストリーム広告のメリットです。
インストリーム広告は、自社のターゲット層を想定した詳細なペルソナを設定して、動画広告を配信できます。
ペルソナを設定する際は、以下の主な項目について細かく決めてみてください。
- 職業
- 性別
- 年齢
- 出身地
- 居住地
- 興味・趣味
- 学歴
- 子どもの有無
- 仕事
例えば、テレビコマーシャルは不特定多数に向けて配信しているため、ターゲット層が設定しにくいのがデメリットです。
一方でインストリーム広告は、自社が想定した特定のユーザーに狙いを定めて広告配信が可能なため、効率的に成果が期待できます。
また、不特定多数のユーザーの中から見込み客であるかどうかを判断したい場合、インストリーム広告が最適です。
見込み客なら、動画広告をクリックする、または最後まで広告を視聴する可能性が高いでしょう。
一方でターゲット層でないユーザーは、広告の途中で離脱するので判断がしやすいです。
インストリーム広告のデメリット
メリットが多いインストリーム広告ですが、残念ながらデメリットもあります。
主なデメリットは以下の2つです。
- 時間やコストがかかる
- ユーザーにストレスを与える可能性もある
各デメリットの対処方法も紹介しているので、チェックしていきましょう。
時間やコストがかかる
インストリーム広告のデメリットの1つは、時間やコストがかかる点です。
インストリーム広告は、広告に興味がないユーザーからはスキップされてしまう可能性があるため、広告のクリエイティブにこだわる必要があります。
特にスキップバブル広告では、広告冒頭の3〜5秒のクリエイティブ次第で、ユーザーが今後視聴するか否かを決めるといっても過言ではありません。
ユーザーを惹きつけるクリエイティブの作り込みには、膨大な時間や制作費・人件費などのコストがかかります。
複雑で難易度の高い動画広告となれば、プロの動画制作会社に依頼することが必須です。
プロの専門業者に依頼すると、制作費や人件費などが発生するので注意してください。
しかし、豊富な経験やプロならではの客観的な視点、専門技術を駆使しクリエイティブを作り込めば、ブランド認知向上や販売促進など自社の収益化につながります。
初期費用はかかりますが、長期的に考えると費用対効果は高いです。
※プロの動画制作会社に動画広告の制作を依頼したいと検討中ならば、ぜひこちらの記事をご覧ください。
動画広告を作成する時のポイント!外注費用やおすすめ制作会社も紹介
ユーザーにストレスを与える可能性もある
ユーザーにストレスを与える可能性も、インストリーム広告のデメリットの1つです。
インストリーム広告は、ユーザーが本来視聴したい動画の前に強制的に広告を視聴させることになるため、ユーザーにマイナスの印象を持たれる可能性があります。
株式会社ネオマーケティングが動画広告についてどう思うかアンケート調査を行いました。
結果は以下の通りです。
出典:PRTIMES
「嫌い」「どちらかと言えば嫌い」と回答した人が64.2%でした。
出典:PRTIMES
また、動画広告の嫌いな点について聞いたところ「本編の動画を邪魔される点」と回答した人が81.9%と最も多い結果となりました。
次いで、興味がない商品・サービスの広告が流れる点や何度も同じ広告が流れる点と続くことから、ユーザーが興味のある内容で面白い動画広告であれば、嫌悪感は持たれにくいと考えられます。
特にスキップのできないインストリーム広告は、ユーザーにストレスを与えがちです。
インストリーム広告を配信する前にはターゲット層を絞り込み、自社に興味を持ちやすいユーザー広告が届けられるように、運用には細心の注意を払いましょう。
インストリーム広告の注意点
一方で、インストリーム広告を出稿する際は注意すべきポイントもあります。
具体的な注意点として、以下の3点を紹介します。
- 最初の5秒で視聴者の関心を引く演出が必要
- 逆効果になるおそれがある
- 出稿媒体によって規定が異なる
インストリーム広告の効果を最大限に活用するために、確認していきましょう。
最初の5秒で視聴者の関心を引く演出が必要
インストリーム広告を制作する際は、最初の5秒間に視聴者の関心を引く演出を入れましょう。
スキッパブル広告の場合、多くユーザーは動画広告が5秒再生されるとスキップしてしまいます。
そのため、認知拡大を狙うためには、最初の5秒でいかにしてインパクトを残すかが重要です。
また、ただインパクトを残すだけでなく、伝えたい情報をまとめて簡潔に訴求するのもポイント。
「具体的なイメージが浮かばない」という方は、他社の動画広告をたくさん見るのがおすすめします。
冒頭部分で、視聴者に「おや?」と思わせるインパクトがある演出を入れているはずです。
言葉や演出、構成といったクリエイティブを工夫して、印象に残る冒頭を作りましょう。
逆効果になるおそれがある
視聴者の目的は、動画広告を見ることではありません。
YouTubeやSNSの動画コンテンツを楽しむことが目的です。
動画広告は、視聴者が動画を見ている最中に強制的に挿入されるため、視聴者に不快感を与えることがあります。
「認知を広げたい」といってとにかく拡散していると、逆効果になるでしょう。
対策としては、動画広告を見てもらいたい視聴者をターゲティングして配信することが有効です。
興味や関心を持ってくれそうな潜在顧客にアプローチできれば、自社の印象を悪くすることなく、認知拡大が狙えます。
出稿媒体によって規定が異なる
インストリーム広告を出稿できる媒体は多くありますが、必ず事前に出稿規定を確認しておきましょう。
規定に沿わなかった場合、せっかく作ったインストリーム広告を出稿できません。
次のトピックで主な媒体の出稿規定を紹介しているので、広告制作の前に、目を通しておいてくださいね。
インストリーム広告の入稿規定と出稿方法
ここからは、入稿規定や出稿方法を簡単に紹介します。
- YouTube
3つ媒体それぞれで、入稿規定や出稿方法は異なりますので注意してください。
YouTubeの場合
出典:App Store
まずは、YouTubeの入稿規定と出稿方法を紹介します。
入稿規定
YouTubeのインストリーム広告の入稿規定は、以下の通りです。
解像度 | 最大:3840×2160(4K) 推奨:1920×1080(フルHD) 最小:426×240 |
アスペクト比 | 16:9 |
推奨ファイル形式 | MP4 |
最大容量 | 256GBまたは12時間のいずれか小さい方 |
最大動画再生時間 | デフォルトでは15分 ※Googleアカウントの認証を行えば、12時間までの動画のアップロードが可能 |
コーデック | H.264 |
フレームレート | 最大60fps |
※コーデック:動画の圧縮・変換・復元を行うためのプログラム
※フレームレート:1秒間の動画が何枚の画像で構成されているかを示す値
出稿方法
YouTubeにインストリーム広告を出稿する場合、以下の手順で進めてください。
- Google広告にログインする
- 新しいキャンペーンを作成し、「ブランド認知度とリーチ」を選択
- キャンペーンタイプで「動画」を選択
- キャンペーンのサブタイプで「動画リーチキャンペーン」か「広告シーケンス」を選択
- スキップの可否を選択
- 予算、日程、配信する地域などを決める
- 広告グループ名を決める
- ターゲットユーザーの属性を決める
- 広告を表示する場所を決める
- 配信する動画広告を選択し、設定を保存して完了
広告審査に通ると、インストリーム広告が出稿されます。
予算設定
YouTube広告は、予算設定が可能です。
YouTube Advertisingによると、以下のように推奨しています。
初めてご利用になる場合、1 日の平均予算は 1,000~5,000 円程度がおすすめです。
新しい予算を適用したら、アカウントでキャンペーンの掲載結果を毎日確認します。
出典:Google広告ヘルプまずは少額の予算から、YouTube広告が利用してみましょう。
※YouTubeの動画広告については、こちらの記事で詳しく解説しています。
運用のコツや具体的な効果、悪い例などが紹介されているので、ぜひ参考にしてください。
YouTube広告の効果を出すポイント!成功事例、出稿手順も解説
Facebookの場合
出典:App Store
次に、Facebookにインストリーム広告を出稿する際の規定と方法です。
入稿規定
Facebookのインストリーム広告の入稿規定は、以下の通りです。
解像度 | 1080×1080以上 |
アスペクト比 | 推奨:16:9 縦型:1:1 |
推奨ファイル形式 | MP4・MOV・GIF |
最大容量 | 4GB |
再生時間 | 5秒~10分 |
コーデック | H.264 |
フレームレート | 最大30fps |
この他に、テキストの推奨事項も明記されています。
- メインテキスト:125文字以内
- 見出し:40文字以内
出稿方法
Facebookにインストリーム広告を出稿する場合、以下の手順で進めてください。
- Facebook広告マネージャーにアクセスする
- 新しいキャンペーンを作成する
- 目的を設定する
- キャンペーン名・予算を設定する
- 広告セットの「配置」を「手動配置」に設定し、プラットフォームで「Facebook」をチェックする
- 「Facebookのインストリーム動画」をチェック
- クリエイティブの項目で、メディアの「編集」をクリック
- 動画をアップロードして完了
広告審査に通ると、インストリーム広告が出稿されます。
なお、Facebookでは、他にもさまざまな種類の動画広告を出稿可能です。
※Facebookの動画広告については、以下の記事で詳しく解説しています。
メリットや効果を高めるポイントなどを紹介しているので、Facebookの広告運用を検討中の方はぜひご覧ください。
Facebook動画広告の種類は?課金方法やメリットを徹底解説
Instagramの場合
出典:App Store
次に、Instagramにインストリームを出稿する際の規定と方法を紹介します。
入稿規定
Instagramのインストリーム広告の入稿規定は、以下の通りです。
解像度 | アスペクト比によって推奨解像度が異なる 正方形(1:1)の場合:600×600 横型(1.91:1)の場合:600×315 縦型(4:5)の場合:600×750 ストーリーズ(9:16)の場合:1080×1920 |
アスペクト比 | 正方形:1:1 横型:1.91:1 縦型:4:5 ストーリーズ:9:16 |
推奨ファイル形式 | MP4・MOV |
最大容量 | フィード広告・発見タブ広告:250MB ストーリーズ広告・リール広告:4GB |
最大動画再生時間 | フィード広告:60分 ストーリーズ広告:60秒 発見タブ広告:60秒 リール広告:30秒 |
コーデック | H.264 |
フレームレート | 最大30fps |
他にも、Instagramならではの入稿規定があります。
- キャプションの最大文字数:2,200文字
- 最大ハッシュタグ数:30
出稿方法
Instagramにインストリーム広告を出稿する場合、以下の手順で進めてください。
なお、InstagramはFacebookを運営しているMeta社のSNSなので、同じ広告マネージャーから出稿します。
- Facebook広告マネージャーにアクセスする
- 新しいキャンペーンを作成する
- 目的を設定する
- キャンペーン名・予算を設定する
- 広告セットの「配置」を「手動配置」に設定し、プラットフォームで「Instagram」をチェックする
- 「Instagramのインストリーム動画」をチェック
- クリエイティブの項目で、メディアの「編集」をクリック
- 動画をアップロードして完了
これで、広告審査に通ると、インストリーム広告が出稿されます。
インストリーム広告で結果を出すコツ
ここまで、インストリーム広告の概要や特徴について紹介してきました。
インストリーム広告がどんな広告なのか、イメージできたでしょうか?
ここからは、具体的なノウハウとして、インストリーム広告で結果を出すポイントを6つ紹介します。
自社でインストリーム広告を制作する場合も、制作会社に依頼する場合でも、以下の6点を意識してください。
- ターゲットを明確にする
- 一番伝えたいことを最初に出す
- アクションを促す
- KPIを設定する
- 分析ツールで効果を検証する
- PDCAサイクルを回す
ターゲットを明確にする
まずは、どんな人にインストリーム広告を見てほしいか、ターゲットを明確にしましょう。
紹介する商品・サービスにまったく関心のない人に動画広告を流してしまうと、「動画の視聴を邪魔された」と、逆効果になります。
一方で、興味関心や嗜好性が近い人に見てもらえると、認知拡大やコンバージョンにつながりやすくなります。
ターゲットを決める際は、性別や年代だけでなく、興味関心や居住地域など、細かく設定するのがポイント。
効果的に潜在顧客にアプローチできるように、具体的なターゲット像を描いておきましょう。
一番伝えたいことを最初に出す
動画広告は、最初の数秒が最も大切です。
これは、スキップの可否を問いません。
ノンスキッパブル広告でも、最初の数秒で視聴者の関心を引けなければ、その後のアクションにつながらないからです。
ターゲットとなる人の気を引けるように、一番伝えたいことを最初に入れるようにしましょう。
アクションを促す
インストリーム広告の最後には、必ずアクションを促す内容を入れましょう。
例えば、以下の方法がよく使われています。
- 「〇〇で検索」など、検索方法を紹介する
- 動画にクリック可能なリンクを埋め込み、「3ステップで簡単登録」など、視聴者に取ってほしいアクションを分かりやすく伝える
視聴者に取ってほしいアクションを明確に紹介することで、コンバージョンにつながる確率が高まります。
忘れやすいポイントなので、注意してください。
KPIを設定する
インストリーム広告をはじめとする動画広告を運用する際は、必ずKPIを設定してください。
KPIとは、自社の目的を達成するまでの度合いを数値化・可視化した指標です。
KPIを設定することで、その動画広告によってどのような効果があったのか、知ることができます。
KPIは、動画広告の目的に合わせて必要なものを設定しましょう。
具体例には、目的ごとに、以下の指標が設定されやすいです。
- 認知拡大:インプレッション、リーチ数、再生回数
- ブランディング:視聴率、視聴時間
- 販売促進・Webサイトへの誘導:クリック率、コンバージョン率
分析ツールで効果を検証する
設定したKPIを正確に測定するためには、分析ツールを活用して効果を検証しましょう。
動画広告の効果を正確に測定しなければ、動画広告の改善点が見つけられないからです。
おすすめのKPIを計測する便利な測定ツールは、以下の3つです。
- DOOONUT:サムシングファンが提案する動画広告を最大限に活用できるマーケティングツール
- YouTubeアナリティクス:YouTubeに投稿した動画やチャンネル全体のパフォーマンスを確認できるツール
- Googleアナリティクス:Googleが無料で提供するWebページのアクセス分析サービス
効果検証を実施する際は、自社が広告を出稿する目的を明確にして、その目的に見合った指標を設定していく必要があります。
主な指標は以下の通りです。
指標 | 概要 |
---|---|
視聴回数 | ユーザーが動画を再生した回数 |
視聴完了率 | 動画が一定数以上再生された、または最後まで再生された割合 |
総再生時間 | 動画が再生された時間の合計 |
平均再生時間 | 1回あたりの動画の再生時間の平均時間 |
ブランド認知率 | 特定の商品名やサービス名を入力し、動画が視聴された割合 |
ユニークユーザー数 | 一定期間に動画を視聴した人の数 |
インプレッション数 | 動画広告の表示回数 |
インプレッション単価 | 動画広告の表示回数に対して発生したコスト |
クリック率 | 動画内の広告がクリックされた数の割合 |
コンバージョン率 | 商品購入や申し込みなど目的の行動に到達した割合 |
自社の商品・サービスの認知拡大を目指すなら、いかに多くのユーザーに視聴してもらえたかが重要です。
視聴回数やインプレッション数、ユニークユーザー数などを重点的に計測しましょう。
コンバージョン獲得が広告目的なら、クリック数やコンバージョン率など設定してください。
自社の広告目的を達成するために、最適な複数の指標を設定することが大切です。
PDCAサイクルを素早く回す
インストリーム広告の効果を高めるためには、PDCAサイクルを素早く回し、改善と実行を繰り返すことが重要です。
インストリーム広告は、一度出稿して終わりではありません。
分析して課題を抽出し、改善したものを再度出稿することで、効果を高められます。
さらなるビジネスの拡大のためにも、PDCAサイクルを回すことを習慣化しておきましょう。
インストリーム広告の成功事例3選
インストリーム広告を出稿して、成功した3つの事例を厳選して紹介します。
Audi
インストリーム広告の成功事例1つ目は、Audi 新型8R。
5秒でスキップされやすいインストリーム広告を逆手に取った戦略で成功したのが、ドイツの自動車メーカーのアウディです。
アウディは、インストリーム広告に出稿することは決定していましたが、どうしたら多くのユーザーに動画広告の全編を見てもらえるかと悩んでいました。
また、高級車の宣伝にもかかわらず予算に制限がありました。
高機能を搭載したスポーツカーのハイパフォーマンスをユーザーに訴求するために、冒頭のわずか3.5秒で時速100kmに加速する性能を走行映像で表現しています。
ユーザーが冒頭のほんの数秒で、圧倒的なハイスピードを体感できる工夫を施しました。
最後の残り1.5秒で商品名と社名を表示し、ユーザーがスキップできない5秒以内で新車の魅力を存分に伝えています。
そして5秒後に、「You can skip the ad now.(もうスキップ可能です)」とユニークなテロップを出して視聴者の印象に残る動画広告を完成させました。
車の魅力を端的に訴求した5秒完結の動画は、視聴率100%を達成。
YouTubeのインストリーム広告は、30秒以上視聴されて初めて料金が発生する、または30秒以下の場合は最後まで視聴という課金方法を上手く利用した事例といえます。
発想の転換により低予算ながらも、費用対効果を大いに上げました。
通信教育サービス「スマイルゼミ」
インストリーム広告成功事例2つ目は、小中学生向けにタブレット教材を用いた通信教育サービス「スマイルゼミ」を展開する株式会社ジャストシステム。
スマイルゼミは、新規顧客の獲得を目指し、新たなメディアへの広告出稿を検討していました。
YouTube広告は、認知拡大に向いているメリットがある一方で、新規顧客の獲得に不向きな点があります。
そこで、非常に多くのユーザーにリーチできるYouTube広告のTrueViewアクションを活用しました。
True Viewアクションは、インストリーム広告の再生と同時に、自社サイトへのリンクを表示し、ユーザーに行動を促すボタン(CTA)を表示することです。
ただ動画広告を見てもらうのではなく、次なるアクションであるサイト誘導を促すための機能といえます。
スマイルゼミは、サービスへの関心度を高めながらも、効率的な新規顧客の獲得を目指しました。
結果、ユーザーの関心度はおよそ44%まで向上。
獲得効率の高いディスプレイ広告の約1.3 倍のCPAに抑えながら新規顧客を獲得に成功しました。
機械学習を活用した自動最適化を行ったため、広告開始のわずか1ヶ月ほどでCPAは約 1/10 までの改善に成功。
YouTube広告は認知拡大に適している広告ですが、True Viewアクションと組み合わせることで低単価ながらも、新規顧客の獲得に成功を収めた事例といえます。
株式会社ダンボールワン
インストリーム広告成功事例3つ目は、株式会社ダンボールワン。
ダンボールワンは、石川県に所在する企業で、ダンボールや梱包資材の販売では業界トップの地位を築いています。
一方で知名度が低いため、一般的な採用メディアで人材を募集しても、なかなか人材が集まらないという課題を抱えていました。
そこで、若年層のユーザーも多いYouTubeに広告を出稿しました。
RGB風の高品質なクリエイティブかつ、実際に働いている社員の顔を映すなど、企業のアットホームな雰囲気が伝わるなど魅力が満載。
結果、たった15日間で約47万人のユーザーが約168万回広告を視聴し、15万回以上の再生回数を記録しました。
さらに、動画広告を視聴したユーザーは、視聴していないユーザーと比較してブランド想起率が2.5倍と非常に高い数値を残しています。
YouTube広告の最大の強みである、認知拡大の点で非常に大きな成功を収めた事例です。
動画広告により当時は従業員29名の小規模の会社に、優秀な学生からの応募を28件も獲得しました。
インストリーム広告を作る手順
ここで、インストリーム広告を作る手順を簡単に紹介します。
一般的に、インストリーム広告は以下の手順です。
- 目的を決める
- ターゲットを設定する
- 動画の種類を決める(スキッパブル広告か、ノンスキッパブル広告か決める)
- 配信する媒体を決める
- 予算を決める
- 制作方法を決める(自社で行うか、制作会社に依頼するか)
- 構成を考える
- 撮影する
- 編集する
インストリーム広告で成果を出すためには、1つ1つ丁寧に進めることが重要です。
動画制作会社に依頼するのもおすすめ
ここまでの説明を読んでいざインストリーム広告を作ろうと思っても、初めての方にはかなりハードルが高いと思います。
そんなときは、動画制作サービスを提供している会社に外注するのがおすすめです。
最後に、おすすめの制作会社として、以下の3社を紹介します。
- 株式会社サムシングファン
- CREVO株式会社
- 株式会社プルークス
株式会社サムシングファン
出典:サムシングファン
弊社サムシングファンでは、SNS動画広告の制作・運用を行っています。
「価値を映す」というコンセプトの元、目的やターゲットなどを丁寧にヒアリングし、運用を見据えた動画広告を制作します。
また、運用代行サービスや動画分析ツール「DOOONUT」の提供など、ニーズに応じた対応ができるのもポイント。
動画広告の運用が初めてという方、SNSを活用してビジネスを広げたい方は、ぜひご検討ください。
社名 | 株式会社サムシングファン |
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所在地 |
(東京)〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-1 オームビル本館2階 |
電話番号 | (東京)03-6261-5375 (大阪)06-6455-3633 (名古屋)052-559-7855 |
リンク | ホームページ・過去の実績 |
Crevo株式会社
出典:Crevo株式会社
Crevo株式会社は、アニメーション動画の制作を得意とする制作会社です。
国内だけでなく、海外も含めた広いクリエイターネットワークを活かして、様々なアニメーション表現ができるのが特徴。
シンプルな表現はもちろん、3DCGやホワイトボードアニメーションにも対応しています。
また、独自の制作管理ツールによって大幅な工数削減を実現し、コストを抑えられる点も魅力です。
アニメーションを使った動画広告で視聴者の目を引きたい方は、ぜひチェックしてみてください。
社名 | Crevo株式会社 |
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所在地 | 東京都目黒区中目黒2-10-15 フロンティア中目黒3F |
問い合わせ | TEL:03-6851-4881 Mail:info@crevo.jp |
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株式会社プルークス
出典:株式会社プルークス
株式会社プルークスは、マーケティングに強い動画制作会社です。
経営コンサルティング会社出身のメンバーによって設立されたため、専門的な知識を持っているのが特徴。
そのノウハウを活かし、多様な業界で実績を上げています。
また、動画の制作だけでなく、運用までワンストップで提供している点も魅力。
信頼と実績のある制作会社を探している方におすすめです。
社名 | 株式会社プルークス |
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所在地 | 東京都中央区日本橋大伝馬町14-17 大伝馬町千歳ビル4F |
問い合わせ | 03-6260-6882 |
リンク | ホームページ・過去の実績 |
※動画広告の制作会社については、以下の記事で詳しく紹介しています。
今回紹介した会社以外も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
動画広告の制作・運用をサポートしてくれるおすすめの会社9選
まとめ:インストリーム広告を制するものは動画広告を制す!
今回は、インストリーム広告について解説しました。
インストリーム広告は、急成長を遂げている動画広告市場の中で、最も注目されている広告フォーマットです。
出稿する際は、特徴をしっかり理解したうえで活用することが非常に重要です。
インストリーム広告を正しく理解して、動画広告全盛期の波に乗っていきましょう!
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なお、弊社サムシングファンでは、動画DX®に関する資料を公開しています。
今回紹介したインストリーム広告など、動画を使って売り上げを伸ばしたい方向けのノウハウを詰め込んでいます。
ダウンロードは無料なので、お気軽にご活用ください。