「モニターをシングルスクリーン(1台)からマルチスクリーン(複数台)にすると、生産性が42%上がる」と言われています。
シングルモニターで作業している方の中には「マルチスクリーンで作業を効率化したい」と感じている方もいるでしょう。
しかし、以下のような疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか?
- モニターの選び方とは?
- 動画編集向きのモニターとは?
- おすすめのモニターが知りたい!
そこで、今回は弊社、動画制作会社のサムシングファンが動画編集用のモニターの選び方とおすすめの商品について紹介します。
さらに、話題の4Kモニターについても解説します。
作業スピードが上昇し動画編集がサクサク進むようになるので、まずはご一読ください。
目次
動画編集にモニターを使うメリットは作業の効率化
冒頭でも述べましたが、モニターを使う一番のメリットは作業の効率化といえるでしょう。
なぜなら、より多くのコンテンツやアプリケーションを表示できるため、画面を切り替える必要がないからです。
動画編集をしていると、編集ソフトと動画素材のフォルダ、検索用のブラウザなど、複数のウィンドウを開いていることが多いですよね。
画面が1つだと、ウィンドウをその都度切り替える必要があるので、そのぶん時間がかかってしまいます。
しかし、モニターを導入して2つの画面で操作できれば、切り替えにかかる時間を削減できます。
メインモニターには動画編集ソフトを、サブモニターには動画素材(画像・BGM・効果音)のフォルダや検索用のブラウザを立ち上げておけば、作業スピードはぐんと上がるでしょう。
これは動画編集以外にも当てはまることです。
例えば、学生さんがレポートを作成するとき、メインモニターにWordを開き、サブモニターにWebサイトや他の資料を開くことで、レポート作成がスムーズに進みます。
理系のゼミに所属していた方などは、経験があるのではないでしょうか。
このように、モニターを導入してマルチスクリーンにすることで、効率よく作業できます。
特に動画編集は時間がかかる作業なので、モニターの導入はおすすめです。
動画編集用モニターの選び方
では、動画編集用のモニターの選び方を6つ紹介します。
必ずしもこれから紹介するすべての項目を重視する必要はありません。
選び方のポイントを頭に入れて、自分の納得のいく、作業のしやすいモニターを選んでくださいね。
選び方①サイズは23~30インチ
画面サイズは23インチ以上の大きなものを選びましょう。
動画編集では、いくつかのソフトを同時に立ち上げたり、さまざまな編集ツールを使ったりします。
快適に作業するためには、1度に確認できる範囲が大きいモニターの方が、作業が捗ります。
実際、映像制作会社では2~3台のモニターを使って作業していますよ。
動画のクオリティと同時に、スピードが求められますからね。
ただ、大きなモニターを設置する際は、その分スペースが必要です。
大きなモニターを置けるように、作業デスク周辺の整理もしておきましょう。
選び方②解像度はフルHDか4K
解像度とは、画面の中にどれだけのピクセル(画素)を表示できるかを示す値です。
この値が大きいほうが、画像や映像を鮮明に映し出します。
動画編集では、正確な色を表示できるモニターが求められます。
そのため、最低でもフルHD(1920×1080)のモニターを選びましょう。
YouTubeなどのオンラインの動画コンテンツ用であれば、フルHDでも十分です。
また、予算に余裕があれば、解像度が4Kのモニターを選ぶのがおすすめです。
4Kモニターについては、選び方の後で紹介します。
選び方③画質は視野角の広いIPS方式
PCの画面を斜めから見ると、画面の明るさが違って見えた経験はありませんか?
これには「視野角」の広さが関係しています。
視野角が広いほど、見る角度による明るさの変化がありません。
視野角は、液晶パネルの駆動方式で異なります。
3つの方式があるので、以下のようにまとめました。
TN方式 |
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VA方式 |
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IPS方式 |
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以上の特徴から、動画編集には視野角が広く、正確な色を再現できるIPS方式がおすすめです。
動画編集はずっと画面を見続けるので、見やすさを重視したモニターを選びましょう。
ただし「IPS方式は価格が高いから手が出せない」という方は、VA方式でもOKです。
選び方④目が疲れにくい機能
PCでもスマホでも、長時間画面を見ていると眼が疲れますよね。
眼精疲労の原因は、以下の3つです。
- 画面に映り込む反射が強い
- 画面のちらつき
- ブルーライト
動画編集用モニターを選ぶときは、長時間作業しても眼が疲れにくいものを選ぶと良いですよ。
実際、目の疲れを軽減する機能が搭載されたモニターは販売されています。
それが以下の特徴になります。
- ノングレア(非光沢):鏡のように光を反射させない
- フリッカーフリー機能:画面のちらつきを抑える機能
- ブルーライトカット:画面からのブルーライトを軽減する
動画編集用モニターを選ぶときは、これらの特徴があるかチェックしておきましょう。
3つとも揃っていれば文句なしです。
中でもノングレアは「発色が正確」という特徴もあるので、ぜひ押さえておきましょう。
また、ブルーライトカットに関しては、ブルーライトカット眼鏡もおすすめです。
選び方⑤色の正確さ、色彩設定ができる
色の偏りをなくしてより魅力的な動画に仕上げるためには、正確に色を表現できる必要があります。
これは動画だけでなく、写真やデザインにも必須ですね。
中でもプロ向けのモニターには、放送規格に準拠するためのカラー設定ができるモニターもあります。
国内メーカーだと、EIZOのモニターに搭載されていますよ。
また、モニターは長く使っていると、輝度と色域が変化してしまうこともあるでしょう。
その色のズレを補正するために、キャリブレーション機能が付いているモニターもあります。
ただし、価格がかなり高くなるので、仕事上で必須でもない限り、優先度としては低いでしょう。
本気で動画編集に取り組みたい方は、ぜひ覚えておいてください。
選び方⑥価格で選ぶ
モニターを買うにあたって、それぞれ予算がありますよね。
価格で選ぶことも、もちろん大切です。
動画編集用モニターの価格は、1万円台から、高いものだと10万円以上するものもあります。
基本的にサイズが大きいほど、また機能が良くなるほど価格は上がりますよ。
あらかじめ予算を決めて、その中で機能が充実しているものを選びましょう。
おすすめのデスクトップパソコンを知りたい方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
使用しているPC環境によっても必要なモニターは変わる
普段ノートPCとデスクトップPCのどちらを使っているかによって、必要なモニターは変わってきます。
モニターの役割自体が変わってくるからです。
どういうことか、詳しく解説しますね。
ノートPCの場合
普段ノートPCを使用している方は、以下のように使い分けるのがおすすめです。
- モニター:メインの作業に使う
- ノートPC:調べ物や資料参照に使う
最近のノートPCは13インチ〜16インチが主流で、小型で持ち運びしやすい13インチくらいのノートPCが人気です。
よって、より大画面で作業しやすいモニターのほうを主として使いましょう。
モニターを選ぶ際は、ノートPCより画面が大きい製品を選んでください。
例えば動画編集を行う場合は、24インチ以上のモニターを接続し、デュアルディスプレイ化することで作業が快適に行えます。
デスクトップPCの場合
普段デスクトップPCを使用している方は、以下のように使い分けると良いでしょう。
- デスクトップPC:メインの作業に使う
- モニター:調べ物や資料参照に使う
つまり、役割がノートPCの場合とは逆転します。
デスクトップPCの時点で、ある程度の大きさがあると思いますので、メイン作業はそのままデスクトップを使用し、モニターを補助的に活用しましょう。
部屋や机の広さも考慮して、ちょうど良く収まる大きさのモニターを選んでみてください。
動画編集には4Kモニターもおすすめ
モニターの解像度は、今まではフルHDが主流でした。
しかし、最近では4Kと呼ばれるものが普及しています。
4Kモニターは、3840×2160=約800万画素を誇る、いわゆる高画質。
フルHDが1920×1080=約200万画素なので、フルHDの4倍の密度になります。
そのため、4Kの映像は高画質で大画面でも楽しめるのです。
近年は4K対応のカメラが普及しているので、4Kサポートの動画編集ソフトも増えてきました。
より画質の良い動画を作るためにも、ぜひ4K対応のモニターの購入をおすすめします。
ただし、4Kモニターの購入には2点、注意が必要です。
- 大画面の4Kモニターを選ぶ
- PCの出力端子とモニターの端子が適応するかチェックする
1つ目は、小さすぎるモニターだと、4Kならではの高画質を十分に発揮できないからです。
4Kの高画質は、大きな画面にすることで本来の魅力を発揮できますよ。
そのため、モニターの大きさは27インチ以上がおすすめ。
27インチとは、縦33cm×横60cmの大きさです。
結構大きいので、設置するスペースを十分に確保しておきましょう。
また、視聴距離も確保する必要があります。
2つ目は、PCの出力端子とモニターの端子が適応しているかチェックすること。
適応していないと、パフォーマンスを十分に発揮できません。
お使いのPCに4Kをつないでも大丈夫か、メーカーのホームページや販売店で確認しておきましょう。
動画編集者が使っているモニターをチェック
ここで、実際に動画編集者が使っているモニターをチェックしてみましょう!
憧れの動画クリエイターがいる場合は、その方のデスクツアーの動画をチェックしてみるとおもしろいですよ。
今回は、3人の動画編集者の方のモニターをご紹介します。
デスクツアー①:フリーランス動画クリエイター JIJIさん
フリーランスの動画クリエイターとして活躍しているJIJIさんは、動画編集作業を以下の2台で行なっています。
- Dell 34インチ ウルトラワイドモニター
- BENQの24インチ縦型モニター
(動画の5分15秒〜参照)
とにかく数をこなすための効率化を図った結果、この2台で作業を行うようになったとのこと。
横長のウルトラワイドモニターは、動画編集画面のタイムラインを表示して作業しやすいというメリットがあります。
縦型モニターは、横型よりも台本やWeb上のリソースを一度に大量にチェックでき、スクロール工数も削減できるところが便利ですね。
デスクツアー②:プレゼンテーションのプロ 高橋さん
プレゼンテーションの指導者として活躍する傍ら、動画編集クリエイターでもある高橋さんは、以下の2台を使用されています。
- モニター:Dell U3429W
- デスクトップ PC:Lenovo IdeaCentre720
(動画の22秒〜参照)
21:9のワイドモニターは、一見大きすぎるように見えても、モニターが湾曲しているので見渡しやすいのがポイント。
パワーポイントで資料を作る際、モニター上で画面を2分割しても作業しやすい点も魅力ですね。
デスクトップPCはCPU:第9世代のCore i7、メモリ:16GB、ハードディスク:2TBで購入。
4Kの動画編集にはやや厳しいようですが、フルHDの動画編集には十分です。
デスクツアー③:映像クリエイター集団のチーフエディター 安藤さん
映像クリエイター集団「北映」のチーフエディターである安藤さんは、忙しい時は10時間ほど座ったまま作業することもある、プロの動画編集者です。
- モニター:LG 31.5インチ(ノートPCを接続して使用)
- デスクトップPC:GALLERIA ZG
(動画の1分50秒〜参照)
大企業でも広く採用されている LGのモニターは、ノートPCを接続して大きな画面で作業できるモニターです。
デスクトップPCは、CPUはCore i9、メモリは元々64GBだったところ、自分で増設して128GBまで上げていらっしゃいます。
「そういう手もあるのか」と勉強になりますよね!
動画編集におすすめのモニター5選
それでは、動画編集におすすめのモニターを7つ紹介します。
動画編集に特化した機能はもちろん、価格も安くて手頃なものから、高額だが高精細なものまで紹介しますね。
おすすめモニター①iiyama XU2493HS-B4
今回紹介する中で最も価格の安いモニターです。
2万円以下で購入できますが、IPS方式、フルHD、ノングレア液晶と、動画編集に必要な要素が揃っています。
動画編集を始めたばかりの初心者の方や「安いモニターがほしい」という方におすすめです。
おすすめモニター②BenQ カラーマネジメントモニター ディスプレイ PD3220U
31.5インチ(縦40.45cm×横71.8cm)の大きな画面が特徴の4Kモニターです。
ノングレア液晶、IPS方式と、動画編集向けの機能はもちろん、カラーモードも豊富で色域が広いのもポイント。
画面の回転や高さ調節、上下の角度調節もできるので、作業スペースに合わせた位置調整も可能です。
値段は15万円以上と高価ですが、機能性は文句なし。
動画編集を極めたい方、ワンランク上のモニターがほしい方におすすめです。
おすすめモニター③EIZO ColorEdge CS2740-BK
キャリブレーション機能を搭載したモニターで、色を気にする方におすすめです。
メーカーによると、200時間を目安にキャリブレーション動作を実行することが推奨されています。
画面の大きさは27インチで、解像度は4K。
値段は18万円台と高めですが、機能性、特に色彩を気にする方は要チェックです。
まさにプロ向けのモニターと言えるでしょう。
なお、CSシリーズはセルフキャリブレーションを搭載していないため、別途キャリブレーションセンサーを購入いただく必要があります。
EIZOの純正キャリブレーションセンサーはこちらです 。
また、キャリブレーションセンサーを内蔵している製品はCGシリーズになります。
おすすめモニター④Dell U3423WE
JIJIさんや高橋さんも、Dellのモニターを使っていらっしゃいましたね。
値段は12万円以上の高級アイテムですが、湾曲型のモニターは没入感があるので、作業にしっかり集中したい方におすすめです。
ComfortView Plusは内蔵の「低ブルーライト スクリーン機能」を常にオンにし、色精度を維持しながらも有害なブルーライトの放射を低減してくれるため、目にも優しいところがポイント。
美しいデザインもファンの心をくすぐりますね。
おすすめモニター⑤:LG 32SQ780S-W
31.5インチの大画面で4K対応のスマートモニター。
ケーブル1本で簡単にPCに接続できます。
エルゴアームで画面を横から縦に切り替えることもできますよ。
WebOSを搭載しているので、Netflixを始め世界中の映像コンテンツを視聴することも可能。
「仕事にも遊びにも使いたい」という方におすすめのモニターです。
こちらのスマートモニターは約9万円から販売していますが、LGは用途別に多種多様なモニターを販売しており、価格帯も豊富なので、ぜひチェックしてみましょう。
※動画編集用のパソコンを知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
まとめ:モニターを使って動画編集を効率化しよう
ここまで、動画編集用モニターの選び方とおすすめ商品について解説してきました。
いかがでしたでしょうか?
最後に、動画編集用モニターの選び方を整理しておきましょう。
- モニターサイズは23~30インチ(4Kなら27インチ以上)
- 解像度はフルHDか4K
- 視野角の広いIPS方式だと見る角度によって明るさの変化が少ない
- 眼の疲れにくさを考慮したノングレア液晶・フリッカーフリーなどの機能を搭載している
- こだわる方はセルフキャリブレーション機能付きがおすすめ
モニターを導入してマルチスクリーンにすることで、動画編集は一気にスピードアップします。
また、時間的な余裕もでき、動画のクオリティアップにもつながりますよ。
予算や作業スペースに余裕がある方は、2台導入して3画面で編集するのもおすすめです。
ぜひモニターを活用して、作業環境を充実させてくださいね。
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