最近はドローンの価格が下がってきて、誰でも簡単に手に入るようになってきました。
「ドローンで空撮してみたい!」と思っている方も、いらっしゃるのではないでしょうか?
ドローンでの空撮は様々なルール、事前確認、申請や飛行技術も問われるものです。
そこで、今回は
- ドローンで空撮する場合の注意点を教えてほしい
- 撮影用のドローンを選ぶ際のポイントを知りたい
- 空撮するのに最適なドローンの機種を知りたい
という方に向けてドローン空撮時の注意点、必要なアイテム、おすすめのドローンを紹介します。
「これからドローンで空撮をはじめたい!」という方は、参考にしてください。
目次
空撮ができるドローンとは
ドローンには、大きく分けて以下の3種類があります。
- ホビー用
- 空撮用
- 産業用
それぞれ、どんなドローンなのかを紹介しますね。
ホビー用ドローン
ホビー用のドローンは、 安価なものだと1万円以下でも手に入れられます。
いわゆる無線操縦装置のような存在で、コンパクトで気軽に操作が楽しめる反面、カメラなどは搭載されていない・できない場合が多いでしょう。
ホビードローンは「撮影はせず、ドローンの操作のみを楽しみたい」という方向けです。
空撮用ドローン
一方で、ドローンにカメラが内蔵されており空撮が可能なドローンは、だいたい2万円程度から購入できます。
高価なものほど、撮影の画質や性能も高くなりますよ。
また、飛行時の安定性にも優れたものになっていきます。
産業用ドローン
産業用ドローンは、農薬散布や工業、映画撮影などに使われるドローン。
農薬が入ったタンクなど、ものを取りつける場合があるため、大型なのが特徴です。
一般人が関わる機会はあまりないドローンと言えるでしょう。
価格も10万円台からと、大変高価です。
この記事では、2つ目に紹介した「空撮用ドローン」について詳しく紹介していきますね。
ドローン空撮に必要な機材
ドローン空撮をするには、以下のアイテムが必要です。
- ドローン機体
- カメラ
- バッテリー
- 送信機/タブレット端末
- 風速計
- 双眼鏡
- 偏光サングラス
それぞれのアイテムのポイントを紹介しますね。
ドローン機体
空撮用カメラがついたドローンを購入しましょう。
機体の重さも要確認ですよ。
機体だけでなく、バッテリーなども含めて飛行時の総重量が100g以上あるドローンは、航空法の規制対象となります(2023年9月時点)。
100g以上のドローンを飛行させるには、航空法に基づき機体の登録を行う必要があります。
機体登録は、2022年6月20日以降に国土交通省により義務化されているので、必ず行いましょう。
ドローンにおける航空法の最新情報については、こちらのサイトをご覧ください。
カメラ
せっかくドローンを買ったのに「画像が想像していたほど綺麗じゃなかった…。」という残念な思いはしたくないですよね。
事前にカメラの性能も確認しましょう。
ドローンに設置されているカメラの画質は、主にフルHDか4Kの2種類。
4KとフルHDとでは、画素数が異なりますよ。
4KはフルHDの約4倍の画素数なので、高精細で美しい映像を撮影することができます。
よって、動画編集に使う素材をドローン空撮したい方には4Kがおすすめ。
ただし、フルHDよりも4K搭載のドローンの方が価格も高めです。
バッテリー
ドローンは、機体にバッテリーを取り付けて飛行させます。
バッテリーは主に以下の4種類。
- ニッケルカドミウムバッテリー(通称ニカド)
- ニッケル水素バッテリー(通称ニッスイ)
- リチウムフェライトバッテリー(通称リフェ)
- リチウムポリマーバッテリー(通称リポ)
初心者には、安全性が高くて軽いリフェがおすすめです。
バッテリーの取り扱いを間違えると、発火の恐れやドローン落下リスクもあるので、それぞれの特徴を理解した上で慎重に選びましょう。
送信機(プロポ)/タブレット端末/スマートフォン
ドローンを操縦するために使う送信機(プロポ)も、もちろん必要ですね。
送信機は、機体とセットで購入できるケースがほとんどです。
送信機に画面がついており、ドローンが撮影している画像をリアルタイムで確認できるタイプを選ぶと便利でしょう。
ドローンによっては、タブレット端末やスマートフォンに専用アプリをダウンロードして操作できるタイプもあります。
簡単な動画編集ができるアプリもあるので、動画編集のために空撮をしたい方には便利ですよ。
風速計
国土交通省の航空局標準マニュアルでは、5m/s以上の風速ではドローンを飛行させない・即時中止するルールとなっています(2023年9月時点)。
地表では穏やかな天候でも、空の雲の流れが速い場合などは要注意。
安全な飛行を確保するためにも、風速計は安いものでも良いので持っておくと安心ですよ。
双眼鏡
目視飛行を行うためには必須のアイテムです。
双眼鏡を使って、飛行中のドローンを見失わないようにしましょう。
双眼鏡にも様々な種類があるので、店頭で自分に合うかどうか試してから購入することをおすすめします。
偏光サングラス
屋外でドローンを長時間飛行させる場合、太陽の光で目が焼けたり、疲れやすくなったりします。
そのため、反射光や紫外線をカットしてくれる偏光サングラスがあると便利ですよ。
ひとつ持っていると、アウトドアや屋外スポーツにも使えるので、持っておいて損はないでしょう。
視力が低い方には、度つきのサングラスをおすすめします。
空撮用ドローンの選び方のポイント
最近はドローンメーカーがこぞって空撮用ドローンをリリースしており、たくさんの機種が出回っています。
そんな中から使い勝手のいい空撮用ドローンを選ぶためには、販売されているドローンの性能をしっかりと見極める必要があります。
続いては、空撮用ドローンを選ぶ際のポイントを学んでいきましょう。
GPS機能
GPSとは、人工衛星を使った測位システムのこと。
スマートフォンの地図アプリなどにも導入されている機能ですね。
この GPS 機能が搭載されているドローンだと、 機体の位置を認識して一定の位置でホバリングすることが可能です。
反対に GPS 機能が搭載されていないドローンだと、自身の機体の位置を認識できないため、常にマニュアル(手動)操作で機体のバランスを保つ必要があります。
そのぶん操作が複雑で、肝心の撮影に集中しづらいというデメリットも。
よって、初めてドローンを操作する方は、この GPS 機能が搭載されているドローンを購入することをおすすめします。
GPS 機能が搭載されていないドローンを買ってしまうと、撮影どころか機体の位置を安定させるだけでも大変です。
ドローンの購入前には、 GPS 機能がついているかどうかをチェックしましょう。
カメラ画質
先ほど少し紹介しましたが、カメラの画質も確認してくださいね。
カメラの画質は、ドローンの価格に比例するところがあります。
- 安価なものであればHD画質「1280×720p」
- 中程度の価格帯であればフルHD画質「1920×1080p」
が一般的です。
一般的なテレビはフルHD画質なので、HD画質のカメラがついているドローンだと、動画が少し粗く感じられるかもしれません。
しかし、撮った映像を SNS などにアップして小さい画面で視聴するだけであれば HD 画質でも十分でしょう。
撮影した動画をテレビやパソコンのモニターで見る場合であったり、YouTubeに投稿したりする場合は、フル HD 画質のカメラを備えていれば十分です。
高価なドローンになると4K画質 「3840×2160」のカメラを備えているものもあります。
映像制作の素材として使いたい場合や、4Kに対応したテレビやパソコンのモニターで視聴したい場合は、思い切って選んでも良いでしょう。
4K画質の場合は画素数に余裕があるため、撮影した映像を後でトリミングして編集する場合にとても活躍します。
そのため、トリミングを多用するケースにもおすすめですよ。
ジンバル機能
イチオシ機能が「ジンバル機能」です。
動画を視聴していて、手ブレが大きい動画を「視聴しづらい」「見ていて気分が悪くなりそう」と感じたことはありませんか?
ジンバルはカメラのブレを軽減する機構のことで、回転運動によりカメラに加わる振動を相殺してくれます。
搭載されているジンバルの軸数が増えると、ブレを相殺できる方向が増えるので、動画のブレをできるだけ抑えたい場合は、ジンバルの軸数が多いものを選ぶと良いでしょう。
シンバルの軸数が増えるほどドローンの価格も高くなるため、ご自身の予算に合わせて選択してみてくださいね。
自動帰還機能(リターントゥホーム)
ドローンの自動帰還機能(リターントゥホーム、略称RTH)とは、送信機の通信が途絶えた時などの緊急時にドローンがGPS機能を使って戻ってきてくれる機能です。
初心者はこの機能がついているドローンを選ぶと安心でしょう。
自動帰還機能には、以下の3種類あります。
- スマートRTH:送信機から指示すると自動帰還してくれる
- ローバッテリーRTH:バッテリー容量が少なくなるとアラートが上がり、解除しないと自動帰還する
- フェールセーフRTH:送信機との通信が途絶えた場合に自動帰還する
障害物検知機能、落下防止機能
ドローンは寒い天候時に飛行させるとバッテリーの電圧が低下して落下してしまったり、障害物にぶつかって破損したりするリスクがあります。
せっかく買ったドローンが、もし落下して壊れてしまったらショックですよね。
落下場所によっては、人に怪我を負わせてしまう危険性もあります。
安全にドローン空撮を楽しみたい方は、障害物検知機能や、落下防止機能(落下を検知するとパラシュートが出てくる機能など)がついているドローンを選びましょう。
ドローン保険
もしもの時に入っておくと安心なのがドローン保険です。
ドローンの保険には、主に以下の2種類あります。
- 機体保険:ドローン機体を破損してしまった場合の損害を補償する保険
- 賠償責任保険:人や物に被害を与えてしまった場合の損害を補償する保険
東京海上日動などの保険会社がドローン保険をサービスとして提供しているケースもあれば、ドローンメーカーのDJIもサービスとして提供しているので、購入したドローンのメーカーに保険サービスがあるかどうかチェックして加入しましょう。
空撮におすすめのドローン3選
続いて、空撮におすすめのドローンを紹介します。
世界屈指のドローンメーカーであるDJIのオンラインストアから3つセレクトしました。
RyzeRobotics Tello
出典:RyzeRobotics
- 重量:81.6g
- GPS機能:なし
- カメラ性能:HD30FPS
- ジンバル機能:なし
1万円台と、とても安価なトイドローンながら撮影ができるモデル。
GPS機能は非搭載ですが、独自のセンサーのおかげでドローン初心者でも安定した飛行が可能です。
ほかにも宙返りができたりと、トイドローンならではのおもしろさがあるのもいいところ。
とりあえずドローンでの撮影がどんなものなのか確認してみたい方におすすめです。
DJI MAVIC MINI
出典:DJIオンラインストア
- 重量:199g
- GPS機能:有り
- カメラ性能:2.7K25/30FPS
- ジンバル機能:3軸
DJIからリリースされたミドルクラスのドローンで、衝撃の200g以下・超軽量モデル。
その小さなボディからは想像も出来ない高画質での撮影が可能です。
折りたためば手のひらに乗るほどコンパクトになるため、持ち運びにも大変便利ですよ。
価格は6万円代で購入できるので、初心者の方にもおすすめです。
DJI Mavic 3 Classic
出典:DJIオンラインストア
- 重量:895g
- GPS機能:有り
- カメラ性能:5.1K、4K、フルHD
- ジンバル機能:3軸
MAVIC Miniも人気ですが、いま日本で一番売れているのがこちらのドローン!
2022年11月に発売されたハイエンドモデルで、世界最高レベルのカメラドローンと謳っています。
飛行可能時間は最大46分と、ドローンの中でもトップクラスの飛行時間。
自動離着陸・帰還・高度維持機能があるので初心者でも簡単に飛ばすことができ、手ブレ補正機能も強力なので、プロレベルの高品質な画像を撮影することができます。
価格は20万円近くでかなり高額ですが、映像美と機能性にこだわりたい方におすすめのモデルです。
ドローン空撮時の注意点
ドローンは誰でも簡単に入手できるのが魅力ですが、注意しなければいけない点も多いのも事実です。
こちらでは、ドローンを飛行させるときの注意点をまとめました。
航空法などのドローン規制や許可申請を把握しておく
ドローン飛行を規制する法律は、まだまだ整備中であり、ここ数年さまざまな変更が発生しています。
許可申請が必要な場所で勝手にドローンを飛ばして逮捕される事案も発生しているため、「知らなかった」では済まされません。
ドローンを飛行させる前に、必ず以下の法律でドローンがどのように規制されているのかを理解してください。
- 航空法
- 小型無人機等飛行禁止法
- 道路交通法
- 民法
- 電波法
- 都市条例等
詳細はこちらの記事で解説していますので、ご確認ください。
ドローンの資格が必要かを把握しておく
国土交通省が管轄する「無人航空機操縦者技能証明制度」では、「一等無人航空機操縦士」と「二等無人航空機操縦士」の2種類の技能認証を行なっています(2023年9月時点)。
- 一等無人航空機操縦士…立入管理措置をしない特定飛行に必要な技能を証明
- 二等無人航空機操縦士…立入管理措置を講ずる特定飛行に必要な技能を証明
立入管理措置とは、飛行経路下に人が立ち入らないよう、コーン標識を設置する等して措置を行うこと。
つまり、立入管理措置を行わずに飛行させる(第三者の上空で特定飛行を行う)一等の方が、二等よりもハイレベルな技能となります。
技能認証と機体認証を取得すると、必要な安全措置を講じることで特定条件下での飛行許可・承認申請が不要になりますよ(2023年9月時点)。
あなたが実施したいドローン空撮が、どのような空域で撮影したいのかによってドローン資格の取得要否を確認しておきましょう。
ドローン資格について、詳細はこちらの記事で解説しています。
現地の空撮条件を把握しておく
撮影する場所の条件によっては、プロペラが回らない・GPSが正確に取れないといった状態になり、機体制御が難しくなることがあります。
例えば下記のような場所です。
- 電波塔の近く
- 室内
- 電源設備の近く
- 雨天時
- 製造会社(DJI)が自主規制しているエリア(GEO区域制限)…など
機体制御が難しいと感じた場合は、安全を最優先にいったん空撮を休止しましょう。
頻繁に変わる法律や規制に注意を払う
他にもさまざまな規制やルールがあります。
例えば特定飛行を行う場合は、事前に日時や経路などを記載した飛行計画を国土交通大臣に通報(申請)しなければなりません。
特定飛行とは、空港周辺や人口密集地域など許可・承認が必要な空域での飛行などのことです。
参考)国土交通省 特定飛行に該当する飛行
ドローン空撮で事故やトラブルが起きるたびに、規制やルールの見直しや改正が行われています。
安全なドローン空撮をするために、日々航空局の情報収集を心がけましょう。
まとめ:ドローン空撮を業者に依頼するのもおすすめ
ここまで、ドローンでの空撮について詳しく紹介してきました。
正直「けっこう大変そうだな…。」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ドローンの操作に慣れるには事前練習が必要ですし、なにより都市部での撮影では様々な申請が必要だったりと、何かと大変です。
ドローンでの空撮を自分で行うのも楽しいものですが、ドローンで撮影した映像が欲しいだけの場合は、ドローン空撮ができる業者に依頼するもおすすめですよ。
サムシングファンでは、ドローンでの撮影はもちろん、撮影後の編集や加工もワンストップで制作が可能です。
ドローンで空撮した映像をお求めの方は、弊社「サムシングファン」へご相談ください。
サムシングファンは、7000本以上の動画制作実績を誇る映像制作会社です。
東京、大阪、名古屋にオフィス拠点を持ち、全国対応もしております。
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