空を自由に飛ぶドローン、やっぱりロマンがあるしかっこいいですよね。
でも、ドローンは法律で規制されているって知っていましたか?
自由そうに見えるドローンですが、残念ながらドローンを飛ばすのは思ったより自由ではないんです。
「ドローンが法律で規制されているのはどんなとき?」
「規制に違反したらどうなるの」
「規制されているエリアで飛行させるにはどうすればいいの?」
といった方に向けて、ドローンの規制や規制されているエリアでの飛行申請の方法について詳しく紹介していきましょう。
目次
ドローンは自由に飛ばせない
ドローンは残念ながら自由には飛ばせません。
特に都市部のエリアだと法律で規制されているエリアが大半で、一般の人がドローンを飛ばせるエリアは少ないです。
ドローンが法律で規制されるようになってしまったのは、 ドローンが原因の事件や事故が多発したからです。
ドローン規制の大きなきっかけとなったのは、2015年に起きた「首相官邸無人機落下事件」があります。
この事件では、 放射性物質を搭載した小型のドローンが、首相官邸の屋上で発見され、当時は大きなニュースとなりました。
「首相官邸無人機落下事件」がきっかけで、ドローンに対する法律の甘さやテロ対策などが不十分であると指摘されるようになり、ドローンに関する法律が配備されていったのです。
せっかくドローンを買ったのに自由に飛ばせないのは残念ではありますが、法律がなければ危険な事故が起きてしまうため、致し方ないと言えるでしょう。
ドローンを取り巻く「法律」
まずはじめに、ドローンを取り巻く法律について解説していきましょう。
ドローンの規制に関係する法律はいくつかあり、それぞれの法律で管轄している組織も変わってきます。
ドローンを規制している法律には
- 航空法
- 小型無人機等飛行禁止法
- 道路交通法
などが関わってきます。
この中でもウェイトの高い法律が「航空法」と「小型無人機等飛行禁止法」の2つです。
これらの法律について紹介していきましょう。
航空法
航空法はドローンを規制する法律で大部分を占める法律です。
航空法で規制されるのは200g以上のドローンが対象で、199g以下のドローンは対象となりません。
ドローン本体の重量が199g以下であっても、バッテリーやプロペラガードを装着させて200gを超えてしまう場合は、200g以上とみなされるので注意しましょう。
航空法に違反した場合は「50万円以下の罰金」に処される可能性があるのでしっかりとチェックしておいてくださいね。
航空法で規制されるエリアは
- 空港等の周辺の上空の空域
- 150m以上の高さの空域
- 人口集中地区の上空
の3つのエリアです。
出典:国土交通省
空港周辺の空域は、航空機の安全な飛行の邪魔をする可能性があるので飛行禁止です。空港ごとに飛行禁止のエリアは定められているため、飛行禁止するエリアは空港ごとで異なるので注意しましょう。
ドローンは150m以上の高さで飛行させるのも基本的には禁止されていますので、高く飛ばしすぎないように注意しましょう。
3つめの「人口集中地区の上空」が難しく、人家が密集していないようなエリアであっても「人口集中地区の上空」と定められている場合もあるので、気を付けなければなりません。
この3つのエリアについては、国土地理院の「地理院地図」で正確な情報を得られるので、 ドローン飛行させる場合はこの「地理院地図」を確認してから飛行させた方がいいでしょう。
上記の3つのエリアでの飛行は、国土交通省に申請し、飛行許可が下りれば飛行が可能です。この申請については後ほど解説します。
その他にも、飛行させるエリアに関係なく守らなければいけない事項として下記のようなものが定められています。
[1] アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
[2] 飛行前確認を行うこと
[3] 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
[4] 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
[5] 日中(日出から日没まで)に飛行させること
[6] 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
[7] 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
[8] 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
[9] 爆発物など危険物を輸送しないこと
[10] 無人航空機から物を投下しないこと
引用元:国土交通省
<遵守事項となる飛行の方法>
出典:国土交通省
<承認が必要となる飛行の方法>
出典:国土交通省
最初に紹介した3つのエリアと合わせて
- 夜間飛行
- 目視外飛行
- 30m未満の飛行
- イベント上空飛行
- 危険物輸送
- 物件投下
に関しては、国土交通省に申請し、許可が下りれば飛行可能です。
この航空法の申請方法に関しては後ほど詳しく解説していきます。
小型無人機等飛行禁止法
小型無人機等飛行禁止法では、航空法とは違って飛行禁止とされるエリアが変化する場合があります。
小型無人機等飛行禁止法で規制されるのは、
- 国の重要な施設等
- 対象危機管理行政機関及びその庁舎
- 対象政党事務所
- 対象原子力事業所
- 対象外国公館等
- 対象防衛関係施設 ※令和元年改正で追加
引用元:警視庁
といった施設と、その周りおおむね300mのエリアです。
小型無人機等飛行禁止法で少しややこしいのが、対象となる国の重要な施設等がサミットなど国際的な行事で変化することです。
普段は規制されていないエリアであっても、 サミットなどが行われる期間にドローンの飛行が規制される場合がありますので注意しましょう。
小型無人機等飛行禁止法で指定されている施設は警視庁のホームページで確認できます。
下記の場合は規制が適用されませんが、一般のドローンユーザーにはあまり影響がない内容となっています。
- 対象施設の管理者又はその同意を得た者による飛行
- 土地の所有者等が当該土地の上空において行う飛行
- 土地の所有者の同意を得た者が、同意を得た土地の上空において行う飛行
- 国又は地方公共団体の業務を実施するために行う飛行
上記に該当する人であっても、ドローンを飛行を行う48時間前までに飛行エリアを管轄する警察署への届け出が必要です。
届け出をするのであれば、対象施設の管理者などから同意を得たことを証明する書面の写しを提出する必要があります。
届け出提出時に、実際に飛行させるドローンも合わせて提示する必要があるので準備しておきましょう。
届け出についてはこちら
また小型無人機等飛行禁止法に違反した場合「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処される可能性があります。
知らなかったでは済まされないレベルなので、ドローンを飛行させる前にはしっかりと禁止エリアのチェックをしておきましょう。
道路交通法
道路からドローンを離着陸させる場合や交通の妨げになるようなドローンの飛行のさせ方をする場合、道路交通法に関わってきます。
このような飛行をする場合は、 道路を管轄する警察署に「道路使用許可」の申請をする必要があります。
道路交通法の場合は、ドローン自体があまり理解されていないところもあり、使用許可が下りるかどうかは微妙なところのようです。
「道路使用許可」の申請には手数料も必要ですので、申請は難航する可能性も高いでしょう。
航空法はドローン利用のオンライン申請ができる
航空法について解説した際にも少しだけ触れましたが、航空法の場合はドローン利用のオンライン申請が可能です。
オンライン申請で最も便利なのが、ドローン情報基盤システム「DIPS」
DIPS利用の大まかな手順を解説しておきましょう。
- アカウントの作成及び、申請者情報の入力
- DIPSへログイン
- ドローンの機体登録
- 操縦者情報の登録
- 申請書の作成・提出
の流れで申請書の提出ができます。
更にくわしい流れについては「DIPSの飛行申請ガイド」を確認するのが一番です。
オンライン申請のメリットは、
- 窓口にいく必要がない
- 24時間いつでも申請ができる
- かんたんなミスをエラー表示してくれる
といった点です。
オンライン申請はネット環境さえあればどこでも提出できますし、申請書にかんたんなミスが有った場合はエラー表示してくれるので、はじめての申請であっても安心です。
航空法で規制されているエリアでドローンを飛行させたいのであれば、オンライン申請を是非利用しましょう。
ドローン飛行の申請には民間資格があったほうが有利
航空法に限らず、ドローンの飛行許可を取る場合は民間資格があると有利に働きます。
残念ながら、飛行実績がなく資格もないという方にはなかなか飛行許可は下りないので、注意しましょう。
民間資格でよく知られているものは
- DJIスペシャリスト
- 無人航空従事者試験(ドローン検定)
- DPA(一般社団法人ドローン操縦士協会)
- JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)
などです。
資格を取得するためには知識と経験が求められます。当然資格の内容によってかんたんなものから、専門的なものまで様々です。
これらの資格については別の記事で詳しく解説しているので、そちらを参考にしてみてください。
資格取得の費用についても解説しているので、これからドローンの飛行申請をしたいと考えている方はぜひチェックしてみてくださいね。
ドローンを飛ばす際には飛行エリアに気をつけよう
ここまでドローンの法律と飛行の申請方法について解説してきました。
ドローンは法律で規制されており、自由に飛ばすのは難しいというのが実情です。
これからドローンの法律は更に整備されていくことが予想されますので、ドローンに関する法律については定期的にチェックしておきたいところですね。
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