昨今のYouTubeの人気ぶりを考えると、企業もYouTubeを活用しない手はありません。
しかし、YouTube企業チャンネルを初めて運用するとなると、様々な不明点が出てきますよね。
この記事では、企業のYouTubeチャンネル成功事例と、YouTube企業チャンネル運用を成功させるポイントを解説します。
これからYouTube企業チャンネルの開設を検討される企業担当者の方は、ぜひご一読ください。
目次
YouTube企業チャンネルの運用で得られるビジネスチャンス
まずは、YouTube企業チャンネルの運用でできることを5つご紹介します。
- 幅広い世代へアプローチできる
- ターゲットを絞って訴求力を上げる
- ECサイトや実店舗への集客
- 視聴者の分析ができる
- 企業ブランディング
ひとつずつ、解説しますね。
ビジネスチャンス①幅広い世代へアプローチできる
クロスマーケティングの調査や総務省の報告書によると、若い世代のテレビ離れが加速しています。
同時に、YouTubeは幅広い世代にリーチできるメディアに成長しつつあります。
「YouTubeのメインユーザーは10代〜20代の若者だ」「資金力がある30代以上の層は、ターゲットから外れている」なんて思っていませんか?
それは、ひと昔前の話です。
今や、YouTubeの利用率は20代:94%、30代:87%、40代:80%、50代:64%となっており、YouTubeは幅広い世代へリーチできるメディアなのです。
今後、ますますテレビからネットへの流れは加速して行くことでしょう。
【参考】
クロスマーケティング
総務省による情報メディア利用時間についての報告書
ビジネスチャンス②ターゲットを絞って訴求力を上げる
情報化社会が発達し、ありとあらゆるモノで満たされている現代社会では、個人のニーズも実に細分化・多様化しています。
よって、個々に合わせたマーケティングでなければ効果も出づらくなっているのが実情。
年齢も性別も関係なく、大きな集団をターゲットにしているテレビとは違い、YouTubeはアップロードした動画を、ターゲットを絞って有料広告で配信することもできるので、よりターゲットを絞って訴求することができます。
ビジネスチャンス③ECサイトや実店舗への集客
YouTube企業チャンネルを使って、実店舗やECサイトへの集客も促進できます。
ただし、YouTubeで単に店舗やECサイトを紹介するだけでは、通常の広告となんら変わらないので、なかなか集客につながりません。
YouTube企業チャンネルでは、YouTubeユーザーに合わせてコンテンツを作り、サービスや商品の良さを自然にアピールすることが求められます。
YouTube企業チャンネルは無料で開設・運用できるので、うまく行けば、想像以上の費用対効果を創出できるチャンスがありますよ。
ビジネスチャンス④視聴者の分析ができる
YouTubeチャンネルを運用すると、動画の視聴データを分析することができます。
例えば、それぞれの動画の再生数、経過時間ごとの視聴率、視聴者の流入経路、検索語句や視聴者の国籍・年齢なども分かりますよ。
YouTube企業チャンネルの運用から、新たな兆しを掴むことで、より進化したマーケティングを展開することができるかもしれません。
ビジネスチャンス⑤企業ブランディング
YouTube企業チャンネルはブランディングにも活用できます。
YouTube企業チャンネルをブランディング目的で運用する際は、「伝えるメッセージにブレがない」ことが大切なポイントです。
CMやPR動画、ストーリー性のあるWEBムービーをコンテンツとして配信しましょう。
YouTube企業チャンネルの活用事例10選
あらゆる業界から、YouTube企業チャンネルの活用事例を10社ピックアップしました。
YouTubeユーザーから厚い支持を受けている、チャンネル登録者数が多い事例を厳選しています。
- バンダイ
- サントリー
- トヨタ
- 楽待
- ソニーミュージック
- 日清食品
- 集英社
- ベネッセ
- 楽天証券
- ケーキ屋ビルソンローラーズ
これからYouTube企業チャンネルの解説を検討されている担当者の方は、ぜひ参考にしてくださいね。
事例①バンダイ
登録者数 93.2万人(2022年10月時点)
バンダイのアニメがアップロードされている企業チャンネルです。
再生リストもアニメやコンテンツごとにキレイに分けられており、とても見やすく整理されています。
「バンダイってこんなに版権をもっているんだな」と改めて気づく視聴者も多いことでしょう。
無料公開アニメや一部だけ公開していることも、PR動画など宣伝としても十分です。
バンダイは他にも企業チャンネルを持っていますが、公式チャンネルはPRチャンネルとして機能しています。
事例②サントリー
登録者数 28.9万人(2022年10月時点)
飲料メーカーとして確固たる地位を築いているサントリーですが、YouTubeチャンネルではCM配信にとどまらず、多岐に渡る活用を試みています。
各種CMの再生リストがメインで並んでいるのですが、サイドコンテンツとして、
- おいしいお酒のつくりかた
- サントリーの企業活動
- 花、野菜の育て方ムービー
などがラインナップされています。
お酒の作り方は自宅でゆっくりお酒を飲みたい方にとって、最良のコンテンツなっています。
企業ブランディングや、知識の披露により権威性を高めている好事例です。
事例③トヨタ
チャンネル登録者数 23万人(2022年10月時点)
日本を代表する自動車企業のトヨタは、車のショールームチャンネル、企業情報を配信するチャンネルなど、目的に合わせて複数のYouTube企業チャンネルを運用しています。
その中で、最も人気なのはファン向けチャンネル「トヨタイムズ」。
トヨタイムズはテレビCMと連携してPR効果を上げている、ミックスメディアの良い例です。
ニュースサイトレベルの豊富な情報量で、TOYOTAがサポートしている幅広いジャンルのスポーツを紹介しています。
事例④楽待
チャンネル登録者数 38万人(2022年10月時点)
国内最大の不動産投資サイト「楽待」が運営する企業チャンネルは、不動産投資や不動産に関するコンテンツ動画が充実しています。
テレビ番組さながらの「潜入リポート」や「知っているようで知らないあなたの周りの〇〇投資」などを配信。
これから家を買おうとしている人や、不動産投資に関心がある人だけでなく、怖いもの見たさでつい誰でも見たくなってしまう、やじうま心をくすぐるディープな動画で異彩を放つ企業チャンネルです。
事例⑤ソニーミュージック
チャンネル登録者数 680万人(2022年10月時点)
ソニーミュージックが運用しているYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」は、YouTuberがアーティストの楽曲を歌う「歌ってみた」というジャンルから着想を得たコンテンツです。
様々なアーティストたちが、一発録りした歌をコンテンツとして配信しています。
YouTubeチャンネルとしては後発組ですが、チャンネルを立ち上げた直後、アップロードした動画コンテンツをそのままYouTube広告でも配信することで、圧倒的なチャンネル登録者数を獲得した手法も参考になりますね。
事例⑥日清食品
登録者数 20.3万人(2022年10月時点)
最近、個性的なテレビCMが目を引く日清食品。
YouTube企業チャンネルでは、そんなおもしろCMの数々を配信しています。
特にYouTube向けに新規コンテンツを作成している訳ではないのですが、テレビCMそのものに強いコンテンツ力があるため、そのままYouTubeでも配信して20.3万人という効果を打ち出しているところが興味深いですね。
事例⑦集英社
登録者数 133万人(2022年10月時点)
集英社が発行している漫画雑誌「ジャンプ」のYouTubeチャンネルです。
漫画コンテンツのPVや、ボイスコミック(漫画にナレーションをつけて動画化したコンテンツ)など、ファンにはたまらないコンテンツを配信して人気を博していますよ。
PVはミュージックビデオさながらの高いクオリティで、漫画作品のブランディングにも一役買っています。
既存コンテンツを、更にブランディングして、もっと好きにさせる。
YouTubeチャンネルのネタ探しに困ったら、このような「ファンのためのコンテンツ」という視点も参考になるのではないでしょうか?
事例⑧ベネッセ
登録者数 180万人(2022年10月時点)
幼児向けの教材「こどもちゃれんじ」を販売しているベネッセ。
そんな「こどもちゃれんじ」の人気キャラクター・しまじろうが沢山登場するYouTubeチャンネルが「しまじろうチャンネル」です。
テレビ番組「しまじろうのわお!」を毎週1話ずつ、1ヶ月限定で見逃し配信しているほか、生活習慣や童謡など、育児に役立つコンテンツで、子育て中の家族から絶大な支持を得ています。
YouTubeチャンネルをきっかけに、こどもがしまじろうを好きになったら「こどもちゃれんじを始めてみようかな」というきっかけにもなりますよね。
事例⑨楽天証券
登録者数 17.4万人(2022年10月時点)
楽天証券では、トウシル(投資を知る)というYouTube企業チャンネルを運用しています。
様々なアナリストが、興味深いテーマで投資についてフラットに解説。
良質で役に立つ専門知識を、無料で公開していることで人気を集めています。
金融商品は信頼が必要不可欠なので、「信頼を築く」手法としても、YouTube企業チャンネルを使った情報発信は有効ですね。
事例⑩ケーキ屋ビルソンローラーズ
登録者数 32.3万人(2022年10月時点)
そうそうたる顔ぶれのYouTube企業チャンネルランキングの中に、堂々と食い込むのが、こちらのケーキ屋さんのチャンネル。
気になるケーキ屋さんの厨房を、迫力ある動画で大公開しており、最近YouTubeで不動の人気テーマ「ASMR」も取り込んで配信しています。
配信コンテンツは、もはや一流のYouTuber。
動画の顔となるサムネイルも、つい動画を見たくなってしまう画像ばかりです。
人気YouTuberを研究してコンテンツ作りをしていることが伺える、お手本のようなチャンネルです。
概要欄に、ケーキ屋さんの情報もしっかり記載して宣伝に繋げていますよ。
成功している企業チャンネルの共通点
これまで紹介してきた、成功しているYouTube企業チャンネルには、4つの共通点があります。
- 動画をしっかり編集している
- テーマが一貫している
- 動画を定期的に投稿している
- メディアミックスを意識している
それぞれ、どういうことか詳しく解説しますね。
共通点①動画をしっかり編集している
登録者の数が多いチャンネルは、いずれも動画をしっかり編集しています。
動画編集におけるポイントは、以下の通り。
- テンポ感のある流れ
- 聞き取りやすいクリアな音声
- 字幕・BGMがついている
- 画質が良い
- サムネイルにこだわっている
もちろん、チャンネル登録者を増やすためには動画の内容も重要です。
しかし、編集を丁寧に行うことで、動画の観やすさを担保することも大切ですよ。
共通点②テーマが一貫している
テーマが決まっているのも、登録者が多いチャンネルの特徴です。
そして、それは視聴者にとって何かしらの「発見性」があるテーマです。
例えば、
- トップアーティストの一発録りを配信しているレコード会社のチャンネル
- 育児に役立つ動画を配信している教材会社のチャンネル
- ケーキ屋さんの舞台裏も見せつつ、ASMRも楽しめるチャンネル
など、人気のYouTube企業チャンネルはテーマが一貫していますよね。
チャンネル登録は「これからも、このチャンネルの動画を観つづけたい」と思うからこそ生じるアクションです。
テーマが決まっているということは、ターゲットも定まっているので、どんな動画を投稿しても外すことがありません。
共通点③動画を定期的に投稿している
登録者が多いチャンネルは、コンスタントに新しい動画を投稿し続けています。
YouTubeでは「毎日更新することが重要」とよく言われますが、大切なのは更新頻度ではなく、動画の投稿を継続すること。
もし、新規ユーザーがチャンネルを訪問し、最後に投稿された動画が半年前のものだったら、チャンネル登録をしようと思うでしょうか?
できれば1〜2週間に1回、最低でも月1回は動画を投稿し、ユーザーに新作動画を提供し続けることがチャンネル運用のポイントですよ。
共通点④メディアミックスを意識している
メディアミックスとは、テレビ、インターネット、ダイレクトメールなど様々な広告媒体を組み合わせて宣伝する手法です。
いずれのYouTube企業チャンネルも、YouTubeに閉じた情報発信ではないということに気づきましたか?
例えばテレビCMとYouTubeチャンネル、YouTubeチャンネルからオウンドメディア、YouTubeチャンネルからSNS、といった具合に、必ずターゲットの前後の動きを意識した動線を構築しています。
動線がYouTubeに閉じていたら、チャンネルへの流入も増えませんし、コンテンツを視聴した後のアクションも生まれません。
「ターゲットをどこからYouTubeチャンネルへ呼び込むか/視聴したユーザーをどこへ流すのか」を意識してチャンネルを構築しましょう。
YouTube企業チャンネルの開設と運用のポイント
YouTube企業チャンネルを開設・運用するにあたり、押さえておきたいポイントをまとめました。
- 企業名やブランド名がわかるチャンネル名にする
- 公式ブランドチャンネルはGoogleに問い合わせ
- テーマを決める
- KPIを決めて振返り分析を行う
- YouTubeチャンネル運用を専門会社に委託する
これからチャンネルを開設する企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
ポイント①企業名やブランド名がわかるチャンネル名にする
意外と悩むのが、チャンネル名です。
英語と日本語を併記したり、枕詞をつけたり、つい凝った名前をつけてしまいたくなりますが、チャンネル名は企業名や商品名をシンプルにつけるのがベスト。
Twitterのような公式アカウント制も存在しないので、ひと目で企業公式チャンネルだとわかるようなチャンネル名にしましょう。
ポイント②公式ブランドチャンネルはGoogleに問い合わせ
YouTubeには公式アカウントがないと言いましたが、「公式ブランドチャンネル」は存在します。
なりすまし防止のためYouTube側が認証する仕組みで、特に恩恵や特典はありません。
公式ブランドチャンネルの認証条件には、登録者数10万人以上という高いハードルがあり、更に正真性を確認するための審査があります。
チャンネルの権威性は上がるので、チャンネル登録者数が10万人を超えたらGoogleへ問い合わせてみましょう。
ポイント③テーマを決める
YouTube企業チャンネルを運用する際、チャンネルのテーマを決めておくと、運用の軸がブレず、統一感のある動画をアップロードし続けることができます。
先に紹介した各企業チャンネルでも、ハウツー系、エンタメ系、インタビュー系など様々なコンテンツを配信していますが、どの企業チャンネルもテーマが一貫しています。
伝えたいことが定まっていれば、配信コンテンツのターゲットがブレることもないのです。
ポイント④KPIを決めて振返り分析を行う
YouTubeチャンネル運用の数字といえば、すぐに思いつくのは再生数かもしれません。
再生数は、動画がどの程度注目されているか見る指標の一つで、アピール材料にはなりますが、動画をちゃんと見てくれているか、ファンが獲得できているかなどを表す大事な指標が、実は他にもあります。
ファンの獲得数をモニタリングするなら登録者数の増加率、動画コンテンツの評価は「いいね」率を確認すると良いでしょう。
他の動画への遷移率も大事な指標です。
再生数を中心に、どの指標に重きを置くのか、KPIをあらかじめ決めておくとチャンネル運用がスムーズに進みますよ。
ポイント⑤YouTubeチャンネル運用を専門会社に委託する
YouTube企業チャンネルの運用を社内で対応しようとすると、実はかなりのリソースを割く必要があります。
まずはYouTubeチャンネルの開設をするだけでも、仕様の確認から設定作業までひと苦労。
そして何より大変なのは、動画を定期的に制作し、アップロードし続ける運用作業です。
YouTubeチャンネルの開設から運用まで、丸ごと委託できる会社があるのをご存知でしょうか?
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まとめ:YouTube企業チャンネルは新しいチャンスを獲得できる
最後に、この記事をおさらいしましょう。
YouTube企業チャンネルの運用でできることは5つあります。
- 幅広い世代へアプローチできる
- ターゲットを絞って訴求力を上げる
- ECサイトや実店舗への集客
- 視聴者の分析ができる
- 企業ブランディング
あらゆる業界から、YouTube企業チャンネルの事例を10社ピックアップしてご紹介しました。
いずれもPRからブランディング、企画まで工夫を凝らしており、お手本になるチャンネルです。
- バンダイ
- サントリー
- トヨタ
- 楽待
- ソニーミュージック
- 日清食品
- 集英社
- ベネッセ
- 楽天証券
- ケーキ屋ビルソンローラーズ
成功しているYouTube企業チャンネルには、4つの共通点があります。
- 動画をしっかり編集している
- テーマが一貫している
- 動画を定期的に投稿している
- メディアミックスを意識している
YouTube企業チャンネルを開設・運用するにあたり、押さえておきたいポイントは以下の5つです。
- 企業名やブランド名がわかるチャンネル名にする
- 公式ブランドチャンネルはGoogleに問い合わせ
- テーマを決める
- KPIを決めて振返り分析を行う
- YouTubeチャンネル運用を専門会社に委託する
これからチャンネルを開設する企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
競合が多いYouTube企業チャンネルですが、今から参入しても遅くはありません。
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