BPOとDXはうまく活用することにより、それぞれの良さを活かしながら使うことができます。
しかし、どのような関係性があるのか把握していない方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、双方の基本情報やBPOとDXをうまく活用する上でのポイントなどを解説します。
どのような関係性があるのか知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
BPOとは?
BPOはビジネス・プロセス・アウトソーシングの略称であり、企業を運営する上での業務やビジネスに関するプロセスを専門企業に一括で委託することを指します。
主に委託される業務としては、以下のようなことが挙げられます。
- 備品や書類管理
- 電話やメール対応
- オフィス移転の手配
- 支払業務
- 予算管理
- 給与計算
- 社会保険や福利厚生の手続き
- 採用活動
- マイナンバー管理
- マーケティング
「アウトソーシングと同じでは?」と思うかもしれませんが、アウトソーシングは繁忙期に業務の一部を外部へ委託することを指します。
一方でBPOは業務の一部だけではなく、業務全体を外部に委託します。
そのことから、業務の効率化や品質の向上を目指したい場合にBPOを活用することが可能です。
なお、さらに詳しい内容は以下の記事で紹介しているため、詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください。
BPOとは?意味やメリットから導入のポイントや注意点まで徹底解説
BPOとBPaaSの違い
BPOと似たような言葉として、BPaaS(通称:ビーパス)があります。
BPOは人間のスキルと労働力をアウトソースすることを指しますが、BPaaSは異なります。
BPaaSはクラウドをベースとして業務の自動化を推進し、複数のクライアントに対応するように構築していくことです。
簡単にまとめれば、人間のスキルと労働力を委託するBPOに加えて、ITテクノロジーを活用することをBPaaSと言えるでしょう。
なお、BPaaSはビジネス・プロセス・アズ・ア・サービスを略したものです。
DXとは?
DXはデジタルトランスフォーメーションの略称です。
DXとは、企業がAIやIoT、ビッグデータなどのデジタル技術を使って業務フローを改善するだけでなく、新しいビジネスを創出したり、企業風土を改革したりすることを目指します。
DXは2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した言葉です。
本来はビジネスの世界だけではなく、デジタル技術を社会に浸透させ、人々の生活をより良いものへ変えていくという広義を持っています。
DXに関しては国としても推し進めており、例えば経済産業省の場合、企業のDXに関する自主的取組を促す目的でデジタルガバナンス・コードというガイドラインを設けています。
デジタル化とDXの違い
デジタル化とDXの違いがわからない方もいるのではないでしょうか。
デジタル化は、業務負担の軽減や作業の効率化を目的に、これまでアナログだったものにデジタル技術を取り入れることを指します。
IT化とDXの違い
DXと似たようなものとして、IT化というものが挙げられます。
そもそもITはインフォメーション・テクノロジーの略称で、IT化はデジタル化した情報を活用できる状態にすることを指します。
DXは、上記で紹介したようにデジタル技術やIT技術などを用いてビジネスモデルそのものを変革させることです。
似たような言葉であるため、この機会に双方の違いを把握するようにしましょう。
BPOとDXの関係性とは?
結論からいうと、BPOはDX化を加速させる関係といえるでしょう。
日本のDX化にはBPOが大きな役割を担っているためです。
DX化を進めていくためには、情報セキュリティやIT・デジタルに関するリテラシーに関することを組織内で浸透させなくてはなりません。
そのために研修といった人材育成が必要になりますが、企業によっては人材育成に必要な時間や人材などが足りない場合もあるでしょう。
その際に活用できるものが、BPOです。
BPOで人材育成を外注することにより、時間や人材などが足りない企業でもDXに必要な人材を育成できるでしょう。
また、人材育成を外注することで社員がメインの業務に集中しやすくなったり、専門家による研修を受けたられたりなどのメリットもあります。
BPOとDXを組み合わせた事例
最後に、BPOとDXを組み合わせた事例を3つピックアップして紹介します。
事例を知ることで、どのように組み合わせて活用すればよいのか把握しやすくなるでしょう。
長野県
長野県では、県内の人口と自治体職員の減少を解決する目的で、「スマートハイランド推進プログラム」と「信州ITバレー構想」という2つの戦略を計画しました。
「スマートハイランド推進プログラム」は、行政事務のデジタル化や地域交通の最適化などのDXを行政が推し進めるというものです。
もう1つの「信州ITバレー構想」はIT産業を首都圏レベルの売上高にすることを目指し、産学官と連携してITビジネスの創出を目指すというものです。
この2つの計画を実現するために、長野県ではBPOとして丸紅株式会社やコニカミノルタ株式会社など複数の企業とデジタル人材の派遣やDX推進のための企画提案等に関する協定を結びました。
会津若松市
会津若松市はDX化により企業の誘致や生産性の向上に成功した自治体です。
2011年にBPOとしてアクセンチュア・会津大学と協力し、スマートシティの取り組みを始めました。
アクセンチュアは震災復興と地方創生の推進を担っており、会津若松市や会津大学、地域企業や市民との連携によるスマートシティ化を推進しています
また、市民のことを第一に考えたDXの活用により、デジタル活用への関心も高くなり、実証実験への協力や参加も盛んになりました。
実際にソフトバンクや日本マイクロソフトなどの企業の誘致に成功し、1,000人のデータ分析人材の育成だけではなく、中小企業による生産性の25%向上などもできました。
流山市
流山市では、全国に先駆けてマーケティングに力を入れています。
その1つとして挙げられるのが、ブランディングサイトの「ながれやまStyle」です。
BPOとしてDMM.comに業務委託する形で運用されており、同サイト内には「Nの研究室」というオンラインコミュニティも用意されています。
「Nの研究室」では流山市在住に関係なくメンバー同士で情報を共有することが可能で、そこから生まれた発案を90日以内でプロジェクト化することを目的としています。
具体的なものとしては「流山テイクアウトマップ」があり、コロナ禍のレストランを応援するために発案されました。
結果として1日だけでアプリが立ち上げられ、公開数日で3,000以上のアクセス・ダウンロードとなりました。
BPOとDXをうまく活用する上でのポイント
BPOとDXを活用する際には、以下のようなポイントが挙げられます。
- 目的を明確にする
- きちんと戦略を立てる
- デジタル人材を用意する
BPOとDXをうまく活用するためにも、ポイントを踏まえて取り組んでみましょう。
ポイント1.目的を明確にする
1つ目のポイントは、目的を明確にすることです。
目的があいまいな状態だと、最終的なゴールがわからなくなってしまい、どのようなことから始めていけばわからなくなってしまうかもしれません。
また、仮に戦略を立てることができたとしても、方向性を間違ってしまい、思うような効果が得られない可能性もあります。
きちんとした戦略を立てるためにも、BPOやDXに取り組むのであれば、いきなり取り組むのではなく、目的を明確にすることから始めましょう。
ポイント2.きちんと戦略を立てる
2つ目のポイントは、きちんと戦略を立てることです。
BPOとDXを活用するためには、目的だけではなく戦略も重要になります。
この際に意識したいことが、企業戦略の延長として考えることです。
短期的に戦略を立てるのではなく、企業理念や事業構想などを踏まえつつ、長期的な視点で戦略を考えるようにしましょう。
そうすることで、どの業務領域にBPOを導入すればよいのかということや、優先的にDX化すべき業務がどこなのか明確にしやすくなります。
ポイント3.デジタル人材を用意する
3つ目のポイントは、デジタル人材を用意することです。
DX化を進めるためには、デジタル人材が必要になります。
もしいない場合はBPOを導入することで問題ありませんが、社内にもデジタル人材を用意することをおすすめします。
理由としてBPOの欠点としてノウハウを蓄積できないという欠点を補えるためです。
ITやDXに関するノウハウを社内で蓄積すれば、組織全体で情報セキュリティやIT・デジタルに関するリテラシーを高められます。
まとめ:BPOはDXを効率的に加速させられる存在
今回は、BPOやDXの基本情報や双方の関係性などを紹介しました。
BPOとDXは重要な関係があるものであり、特にデジタル人材がいない企業やDX化する時間がない企業の場合は、BPOと組み合わせることで効果を得られやすくなります。
ただ、なんとなくで組み合わせると失敗する恐れがあります。
もし組み合わせるのであれば、以下のポイントを踏まえて起きましょう。
結論として、BPOはDXを効率的に加速させられる存在です。
- 目的を明確にする
- きちんと戦略を立てる
- デジタル人材を用意する
だからこそ、DX化を目指したいのであれば、BPOの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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